中東料理ってどんなもの?
スーク(市場)にはカラフルなスパイスが並び、それらを巧みに使ったエキゾチックな料理の香りが鼻をくすぐる中東の国々。イスラエルをのぞき、国民の多くがイスラム教徒なので豚肉はご法度。食材にはイスラム法を遵守して準備・加工された「ハラールフード」が使われます。また、今回紹介している国のうち、トルコ・イラン・イスラエル以外はアラブ人が多数を占めるため、食事はアラブ料理がメイン。国ごとに味付けや料理名に違いはありますが、基本的に共通点が多く似通っているのも特徴です。
世界三大料理を堪能、トルコ料理
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回転させながら香ばしく焼く「ドネルケバブ」。パンに挟む食べ方がよく知られているが、レストランではちゃんと皿に盛ってくれる |
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料理にはヨーグルトもよく使われる |
中国料理やフランス料理と並び、世界三大料理のひとつに数えられるトルコ料理。旧アラブ諸国やローマ帝国のテイストがミックスされ、のちにオスマン帝国の宮廷料理として洗練されていきました。食料自給率が極めて高く、料理には香辛料やヨーグルトがよく使われます。
羊肉を中心とした肉料理が有名ですが、代表的なケバブひとつとっても、肉を串焼きにした「シシケバブ」、薄切り肉を金棒に巻きつけて焼いた「ドネルケバブ」、ヨーグルトとトマトソースをかけた「イスケンデルケバブ」など種類はいろいろ。家庭料理としては、挽肉を使った「キョフテ」が人気です。「メゼ」と呼ばれる前菜も多彩で、なかでもピーマンやトマトなどの野菜に米を詰めた「ドルマ」は日本人の舌にもなじむ一品。レストランでも大衆食堂(ロカンタ)でも味わえます。
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一日に何度も嗜む人も多いチャイ |
気軽なB級グルメなら、バゲットにサバと野菜を挟んだ「サバサンド」や伸びるアイス「ドンドゥルマ」をどうぞ。散策に疲れたときはトルコ人が大好きな「チャイ」を片手にひと息つくのもいいですね。イスラム教の国ですが飲酒には比較的寛容で、ビールやワイン、さらにブドウとアニスから造られた地酒「ラク」などがそろっています。