鱧の卵の食べ方・レシピ!
鱧の卵を鶏卵でとじ、絶品親子丼に仕上げます |
鱧しゃぶは大阪の黒門丸一さんの看板メニューです。毎日、多くの鱧しゃぶの注文が入る黒門丸一さんには、たくさんの卵と白子が余るのではないか? 特に産卵前の鱧は美味ですから、きっと卵もうまいのだろう……
そう思うと何とか食べたくなるもので、黒門丸一さんに問い合わせたところ、鱧の卵は店頭でとても人気がある美味な素材との返事でした。そこで、通常の鱧のメニューにはない、鱧の卵を取寄せました。
人間 生命力の強いものを食すことに貪欲です。それを食すことで、自分までもが強くなれるような錯覚(?)を感じるからでしょうか。蛇やすっぽんを食すこともそうでしょうし、イラブーなどを食す文化も根は同じではないかと思います。
お隣の中国でもいわゆるパワーフードは人気です。オットセイやら虎やら、様々な強壮剤的効能がある食材が珍重されます。
私は鱧にもきっと、その種のパワーがあるのではと思っています。鰻の肝や山椒魚を食すのも同じですが、ともかく簡単に死なない動物に対する畏敬の念があります。
ましてや、魚卵(いくら・たらこなど)は亜鉛などの必須ミネラルが豊富ですから、普通の魚の卵でもパワーフードです。それが簡単には死なない鱧と来れば、それは人間の生命力アップに効果があるのは間違いない……と思います。
鱧の卵はどんな感じ?
鰹節と昆布のおだしに、塩と醤油とお酒で味付けして煮ました |
黒門丸一さんは丁寧に卵の血管を下処理するので、生臭さとは無縁です。色はクリーム色でちょっと見た感じでは、魚卵には思えません。もちろん、よく見れば魚の卵であることはわかります。
鱧の卵の食べ方1:煮付け
鱧の卵は美味ですが、加熱するとバラバラになり易い為、地元では出汁で煮付けてから、鶏卵でとじたり、寒天やゼラチンで固めて食すのが一般的なようです。私も先ずはシンプルにお出汁(鰹節・昆布)と日本酒と薄口醤油とショウガ、少量の砂糖と塩で煮付けました。お出汁をとるのが面倒な場合は市販の白だしが便利です。
冷まして味をしみ込ませます |
2分ほど煮てから火を止め、そのまま冷まして味をしみこませます。煮るだけでは崩れませんが、お箸で持とうとすると崩れてしまうほど脆いです。
鶏卵でとじる前の状態です |
鯛の子などに近い味わいですが、さらに洗練された味です。冷やして召し上がっても美味です。
このままではご飯のおかずには少し蛋白過ぎるので、煮汁ごと鶏卵でとじて丼物にしてみます。煮汁に少しお醤油を足し、味をつけてから丼に挑戦です。
鱧の卵の食べ方2:どんぶりにしても良い!
あとは豪快に頂くだけです |
どんぶり用の道具がなければ、深めの皿に鱧の卵と煮汁を張り、三つ葉を散らし、とき卵を掛け、ラップをして電子レンジの弱火で2分ほど『チン』しても良いです。
これはかなりうまいです。やばい味です。鱧の卵のうまさを鶏卵が包み込み絶妙です。
これならお箸でもいけます。
思った以上の鱧の卵のインパクトが大きくなるので、小鉢丼で十分です。普通の大きさのどんぶりでは食べきれないです。
白身の魚でも強烈な素材 例えば、とらふぐと鱧のような素材は不思議です。淡白なように見えて、たくさんは食べられません。最初は良いのですが、急激に満足感が押し寄せます。
下ごしらえの良い素材は、どんな食べ方でも素材が生きます。数量限定品ですから、毎日あるとは限りませんが、一度は食したい素材です。
もちろん、鱧の卵だけを取寄せてもなんですから、鱧しゃぶを取寄せる時に、サイドオーダー的に頼んでも良いです。
鱧しゃぶの締めには雑炊が美味ですが、先ずは鱧の卵を煮てあくを取り、そこにご飯を入れ、さらに鶏卵でとじれば、最高の雑炊になること間違いなしです。
【関連記事】