植物の「水やり」のポイント!
植物の「水やり」にはコツがある!
とりわけ鉢植えでは、この水やりの仕方で植物の生死をわける場合もあります。
今回は、そんな「水やり」でついやってしまいがちな失敗をまとめてご紹介します。
植物の「水やり」のコツは3大NGを意識する!
何気なく、こんな「水やり」をしていませんか?
- いきなり
- ためる
- ちょいやり
実は、これが水やりの「三大べからず」だったんです。
次項から、その理由を一つずつ詳しくみていきましょう。
1.夏でも「いきなり」水やりしない!
夏はホースの中の水も高温になっています
夏の日光にさらされたホースは、意外と熱くなっているもの。ホース内部に前に使ったときの水が残っていると、その水も熱せられています。このままの状態で蛇口をひねって「いきなり」植物に水をかけると、ホースから最初に出てくるのは「お湯?!」ということになりかねないのです。
また最近の散水ノズルは、ジョウロ、スプレー、ストレートなど散水パターンが切り替えられる便利なものが主流になっています。奥さんが植物に水をやる前に、そのホースを使ってご主人がガレージで洗車していたとしたら……。鉢植えに向けていきなり高圧な水が噴射されてしまうことになるかもしれませんよね。水の勢いが強すぎると土が跳ね返って葉裏につき、そこから病気が発生することもありますから注意が必要です。
水やりは「いきなり」ではなく、ホースを使う場合は手元で水の温度と勢いを確認してから行いましょう。葉の汚れを落とすために頭から水をかける場合も、手に水を当ててみて、当たりの柔らかいノズルパターンを使用します。 なお、ジョウロに汲み置かれた水もかなり温まっていることがあるので、夏場は指を入れてみるなど温度チェックをしてから水やりすると安心です。
2.鉢受け皿の水は「ためない」!
受け皿の水、たまったままにしていない? |
そしてここが二つ目の「べからず」、「鉢受け皿の水は、ためるべからず!」です。
水やりの基本は「鉢土が乾いたら、たっぷりと」でしたよね。でも常に受け皿に水がたまっていたのでは、鉢土の底に近い部分は過湿状態が続いてしまいます。これを繰り返していると根が腐ってしまう原因にもなりますから、鉢受け皿にたまった水は捨てておきましょう。
なお「腰水」という給水方法がありますが、これは鉢をカラカラに乾かしてしまったとか、旅行時の水切れ防止など一時的に使う手法になります。
3.土が湿る程度の「ちょいやり」はしない!
土が湿ればOKというものではない |
「ちょいやり」とは、水やりの際に鉢底から流れ出すくらいではなく、土が湿る程度に「ちょいちょい」としか与えないことです。
そもそも、鉢受け皿にたまった水は捨てなければならないのに、なぜ鉢底から流れ出るくらいにたっぷりと水をやらなければならないのでしょう?そう考えると、土が湿る程度でよいのではないかと「ちょいやり」に走ってしまう方がいてもおかしくはありません。
でも鉢植えの水やりというのは、実は水だけを与えているのではなかったのです。 いま一度、ガイド記事【基本なのに難しい 水遣りを制する!】の『1.水遣りの役割とは?』を振り返ってみましょう。
そう、水やりには「根が呼吸するのに必要な酸素を供給する」という役割もあったのでしたね。
【もうワンランクアップ!達人への近道は?】の『土を知る』で、土の団粒構造について解説していますが、水やりをすると団粒と団粒の間の空気が押し流され、ここに水分と共に新しい酸素が供給されるのです。
でも「ちょいやり」では土が湿るだけで、この大事な酸素を供給するまでには至りません。これが「鉢底から流れ出るくらいたっぷりと」水を与える理由なのです。
いかがでしたか?水やりの「三大べからず」、ついうっかりやってしまってはいないでしょうか。ちょっとのことで大きな違いが出る「水やり」を、もう一度確認してみませんか。