植栽プランの年間スケジュールとは
お庭のプロフィールに「我家の庭は宿根草がメインです」とか、「ウチは一年草がメインです」という表現が良く使われますね。あなたのお庭はどうですか?一年草と宿根草、そして球根類の比率や組み合わせというのは、庭&花壇の植栽計画を立てるときにとても重要なポイントになります。一年中お花を楽しむには、綿密な植栽計画が必要になるのです。今回はそれぞれの植物の特徴と、年間を通したプランの立て方について考えてみましょう。
植栽プランの基本・立て方……それぞれの植物の特徴を解説
★宿根草★植物の一生のサイクルを、多年にわたり繰り返す植物を指します。冬の寒さなどで一時的に地上部が枯れますが、地下の根は生きていて、翌年また芽が出てくる植物です。
●長所
- 一度植えれば毎年出てくるので、種まきの必要がない
- 繁殖力が強く、丈夫なものが多い
- 花の期間が比較的短い
- 花が咲いていない状態でもスペースをとる
- 繁殖力が強いため、他の植物を駆逐する場合がある
宿根草をメインに考える場合は、花が無い期間を一年草や球根類でサポートしましょう。
※よく「手間を掛けたくないので宿根草メインで…」というのを耳にしますが、適宜株分けなどをしないと、一面その植物で覆われる可能性も…。やはり、それなりの管理は必要です。
★一年草★
植物の一生のサイクルが、一年以内で完結する植物を指します。
●長所
花の期間が長く楽しめる
●短所
毎年自分で種まきをしたり、苗を買い求める必要がある
●一年草をメインにする場合のポイント
長期間花を楽しめるメリットがありますが、一年草でスペースを全て埋めるのはなかなか大変です。隙間を埋める宿根草なども取り入れましょう。
※種まきで苗を得る場合は、育苗スペースが必要になります。また、花苗を買う場合は、たとえ1ポット100円以下でも数が増せば出費も増えます。
★球根類★
根や茎の一部に養分を蓄え、球状に肥大したものを指します。
●長所
- 初心者でも比較的失敗がなく、開花させられる
- 品種により、数年間植えっぱなしにできる
- 品種により、毎年掘りあげる必要がある
- 品種によっては家庭での肥培が難しく、新しく球根を買い求める必要がある
植栽プラン、球根の場合
★球根をメインにする場合のポイント
写真で見るようなチューリップの毛氈花壇は見事ですが、一般家庭ではなかなか難しいでしょう。適度に宿根草などを入れて、スペースを埋めておきます。また、球根を掘り上げたあとに一年草を植えるなどして、花壇にぽっかり「穴」をあけておかないようにしましょう。
※数年間植えっぱなしOKの球根も、他のものを植えるときにうっかり掘り返してしまったりという失敗もあります。
★庭木★
花壇の植栽の場合、草花のみで植栽を考えてしまいがちですが、庭木を入れると庭に高さと奥行きが生まれます。スペースに合わせて、花木、コニファーなど、木を積極的に取り入れたいものです。
※取り入れる木が地域の環境にあっているか、成長の度合いはどうか、剪定が必要かあるいは簡単にできるものか…など、草花よりも慎重に選ぶ必要があります。
植栽プランの年間推移シミュレーション
★植栽例と年間推移シミュレーション★それでは実際によく使われる植物で、花壇の植栽プランと一年でどのように変化していくかのシミュレーションしてみましょう。
春の花壇レイアウト
秋に植えた球根(クロッカス、水仙、チューリップ、ムスカリ、スズラン水仙など)が次々と咲き始めます。一方、宿根のギボウシ、キキョウ、デルフィニューム、マーガレットなどは芽吹いてもまだまだ小さい状態です。一年草のビオラやパンジー、ノースポールなどを使って、変化をつけましょう。この時期の花としては、他にヒヤシンス、ハナニラ、イベリス、キンギョソウなども良いでしょう。
春の花壇イメージ
初夏~夏の花壇
宿根草が大きく育ち、マーガレット、ラベンダー、ギボウシ、キキョウ、デルフィニュームと次々咲き出します。球根植物のユリも開花します。一方春に咲いた球根植物は、花は終わっても茎葉がまだ残っているものもあります。チューリップは、葉が黄変したら掘りあげましょう。春の一年草は暑さが増すにつれて疲れてくるので、マリーゴールドやサルビアといったものに順次植え替えていきます。夏の定番、ヒマワリや朝顔は春のうちに直播きしておきます。この時期の花としては、他にイソトマ、フロックス、アキレアなども良いでしょう。
夏の花壇イメージ
秋の花壇レイアウト
マリーゴールドやサルビアはまだ咲いていますが、アリッサムなど疲れてきた一年草はそろそろ入れ替え時です。寒さに強い、葉牡丹やパンジー、ビオラの出番になります。一年草では、コスモスが元気です。代わりに、宿根の秋明菊、ゴールデンピラミッドなども良いですね。10月下旬頃からは、翌春のために球根の植付けを始めます。
秋の花壇イメージ
年間シミュレーションは、いかがでしたか?ご自分の庭の現況図と植物リストを利用して、あなたの植栽プランに応用してみてください。年間を通して「いつもどこかに何かの花が咲いている」、そんな庭を作ることは、夢ではないはずですよ!
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