ガーデニング・園芸/ガーデニングのテクニック

ハンキングバスケットの簡単な作り方!初心者さんにもおすすめ

ハンキングバスケットの簡単な作り方をご紹介します。ホテルのエントランス、商店街のアーケードや個人宅の玄関先などいろんな場所でハンキングバスケットを目にすると思います。市販のバスケット器材を使って、初めてのハンキングバスケット作りに挑戦してみましょう。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

ハンキングバスケットの作り方

花博をはじめ、様々なイベント会場の花飾りにも使われる

今回は、初心者の方でも手軽に作ることができるよう考案された市販の器材を使って、ハンギングバスケットを作ってみましょう!
   

ハンキングバスケットの作り方に挑戦!

作製に入る前に、ちょっとだけハンギングバスケットについてお勉強しておきましょう。ハンギングバスケットとは吊り籠を用いて花を植え込んだものですが、ガーデニング大国イギリスではこのハンギングバスケットは街を彩る花飾りとして欠かせないものとなっています。ホテルのエントランス、ショップの店先や商店街のアーケード、そして個人宅の玄関先と、いたるところで目にすることができます。
 
街を彩るハンギングバスケット
ビル街を彩るハンギングバスケット
そんなハンギングバスケットが本格的に日本に紹介されたのは、1990年に開催された大阪花の万博でのこと。以降、日本の気候を考慮してメーカー独自のバスケット器材も開発されました。現在、日本では住宅事情などもあり、イギリスのような丸い吊り籠ではなく、壁掛け式のものが普及しています。

また、1996年には「日本ハンギングバスケット協会(JHBS)」が発足し、「ハンギングバスケットマスター」の資格認定試験を行うなど、ハンギングバスケットの普及と花と緑の街作りの推進に力を注いでいます。
   

ハンギングバスケットのメリット、デメリット

さて、ハンギングバスケットとはどんなものか、イメージできたでしょうか。それではこのハンギング、地植えやコンテナ植えとはどんな違いがあるのか、メリット・デメリットをみてみましょう。
 
ハンギングと寄せ植え
公共スペースに置かれたスタンディングバスケットと寄せ植え
【メリット】
・狭い場所でも、花飾りを楽しむことができる
・草花を目線で楽しむことができる
・好きな場所に移動できる
・病害虫がつきにくい

【デメリット】
・乾燥しやすいため、水やりに注意が必要
・高い位置に設置するため、強風などにも注意が必要

ハンギングバスケットは、限られたスペースの中にたくさんの植物を植え込みます。うまく管理すれば2~3ヶ月は楽しめ、長持ちするものでは半年くらい楽しむことも可能です。 ただし長く楽しむ分、植え込む際の土は良質のものを、そして水やり管理と追肥に気配りが必要になります。
 

ハンキングバスケット作りで用意するもの

スリットバスケット
伊藤商事のスリットバスケット
【バスケット器材】
今回は、伊藤商事のスリットバスケット(品番SLT-25)という商品を使用しました。園芸店やホームセンターなどで、900~1000円ほどで販売されています。ネットショップではもう少し安い場合もありますが、送料もあわせて考えましょう。

【花苗】
花苗
今回使用した苗
今回はベゴニア(赤3株・白3株)、オリヅルラン(2株)、コリウス(2株)、ブライダルベール(1株)の計11株使用しました。ビギナーの方が自分で花材を選ぶ際は、草花の種類は欲張らずに2~3種類に留めておくとうまくまとまります。今回の例なら、ベゴニアとオリヅルランだけで作っても充分きれいな作品になりますよ。

【鉢底石】
使うのは紙コップ一杯程度と、ほんの少量です。砕いた発泡スチロールでも代用可能です。

【培養土】
ハンギングバスケットは、限られたスペースにたくさんの植物を植え込みます。新しい清潔な良い土を使いましょう。
 

ハンキングバスケット器材の準備

スポンジ貼り
スリットにスポンジを貼る
まず、バスケットに土留めのスポンジを貼ります。粘着力が非常に強いので、素手で作業しましょう。また、剥離紙は一度にはがさず3センチくらい折り返しておいて、貼り付ける位置を確定してから、少しずつはがして固定していきましょう。
脇のスリットは前面より狭くなっているので、要注意!また、バスケット下部に突起があるので、ここにくっつけてしまわないようにしましょう。

スポンジを貼り終わったら、露出した粘着面に培養土をすりつけておきます。スポンジには切り込みが入っていますが、上部は切れていないので、手で切って苗が入りやすいようにしておきます。
次に、鉢底石を底穴が隠れる程度に入れ、その鉢底石が隠れる程度に薄く培養土を入れます。ここでたくさん土を入れすぎると、苗が全部入らなくなりますよ。
 

ハンキングバスケットの作り方!植え込み作業

バスケットに苗を植え込む前に、ポットのままで配置を決めておきます。
配置 レイアウト図
ポットのままで、配置を決める  決定した配置図
※1=ベゴニア白、2=ベゴニア赤、3=コリウス、4=オリヅルラン、5=ブライダルベール

 
ポイント
バスケットの突起に注意!
配置が決まったら、前面の一番下にくる苗から植えこんでいきますが、スリットに入れる前に苗を自分の方に向けて、どう植えたらきれいに見えるか苗の向きにも注意しましょう。
苗をポットから抜いたら肩の土を落とし、少しだけ根を崩して、スリットから滑り込ませます。バスケットの下部には画像のように突起があり、ここで苗が引っかかって下まで押し込めない人が多いようです。手で根鉢の左右を少しつぶすようにして、しっかり下まで押し込みましょう。
 
苗の向き
苗のお尻を上げれば、頭は下がります
次に、両端のスリットに苗を植え込みます。最下部の苗はやや下向きにしますが、ただ押し込んだのでは正面を向いてしまいます。根のお尻の方を持ち上げるようにすると、バスケットの外に出た部分は下を向きますよ。
 
最下部の植え込み 二段目を植え込んだところ
植え込みは最下部から 二段目は正面を向くように

同じようにして下から順に植えていきますが、苗と苗の間、苗とバスケットの間には、適宜培養土を入れて隙間を作らないようにします。最後、天部の苗は一度ポットのまま置いてみて配置を決め、うまくバスケットが隠れるよう前かがみに植え込みます。その後、隙間に培養土を入れて平らにならしておきます。植込み作業が終わったら、天部に土の乾燥・土の流出・水やりの際の泥はねを防止するために水苔を敷き詰めて完成です。

細口の水差しで、ゆっくりじっくりと底穴から漏れ出てくるまで水を与えて、1週間ほどは風や雨の当たらないところで養生してあげましょう。
 
完成
ハンギングバスケット完成!
いかがでしたか?今回の内容は、実際に講習会でレクチャーしたものです。バスケットのスポンジ貼りは最初にして最大の難関で、いつも全員が無口になる瞬間です。指にスポンジが貼りついてしまって往生する方も。くれぐれも粘着面は触らないように、ご注意を!

また、「見るとやるとは大違い!」という感想も多く聞かれます。手慣れたマスターが作ってみせてくれるのを、実際に自分がやってみると……ということですね。でも、これは数をこなしていくうちに慣れるものです。作った数だけ上達していきますよ。ハンギングバスケット作りに挑戦してみませんか?

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