腐葉土の作り方とは?腐葉土と堆肥の違い

腐葉土の作り方とは?

落ち葉も腐葉土や堆肥として有効活用したい

ガーデニングの中でも土作りのシーンで良く登場する「腐葉土」と「堆肥」、特に「堆肥」は名前に「肥」がつくために肥料と混同されがちですが、どちらも肥料成分としては不充分で、主に「土壌改良」の役目を担うものです。
ところでこの腐葉土と堆肥は、どこがどう違うのでしょう。

【腐葉土とは】
落ち葉(主に広葉樹の葉)が堆積して、発酵した土のこと。
保水かつ排水性が良く、通気性、保肥性がある。
=(英)leaf mold
【堆肥とは】
わらや落葉、その他動植物由来の有機物が堆積し発酵した土のこと。積み肥とも。
保水かつ排水性が良く、通気性、保肥性があり微生物の数も増えるため農業や園芸に利用される。
=(英)compost

つまり、腐葉土と堆肥の違いは原材料にあるわけですね。
またその原材料によって、チップ堆肥やバーク堆肥、牛糞堆肥といろいろな種類の堆肥が市販されています。
※チップ堆肥=剪定枝や枯れ木・枯れ枝を、砕いて細かいチップ状にし、発酵させた堆肥
※バーク堆肥=樹皮(bark)を加えて発酵させた堆肥

 
腐葉土の作り方
ミルフィーユのように米ぬかや土を加えると発酵が促進される

腐葉土の作り方

庭木がたくさんあって落ち葉の片づけが大変…という方は、ぜひ腐葉土作りにチャレンジしてみて下さい。

一番簡単な作り方は、庭の隅に穴を掘って落ち葉を積み重ね、そこに庭土をかけて雨よけのシート(ビニールシートやブルーシートでOK)で覆って2~3ヶ月置いておく方法です。
その後シートをはずして中を混ぜ合わせ、さらに2~3ヶ月置いておく…を葉の形がなくなるまで繰り返します。

この方法は、手間は掛りませんが時間が掛るのが難点ですね。
もう少し早く作りたい場合は、もう一手間かける必要があります。
積み上げる落ち葉と落ち葉の間に、発酵促進のために庭土と米ぬかを薄くばらまいて、ちょうどミルフィーユのように積んでいくのです。

この場合は、月に一度程度中身を混ぜ合わせてあげましょう。
早ければ3ヶ月くらいで葉の形がなくなって、黒っぽい土のような腐葉土となります。
またこの腐葉土作りは、厚手の丈夫なビニール袋などを使ってもできますので、ベランダなどでも作ることができます。
使用するビニール袋には、水抜き用の穴と空気穴を数箇所開けておきましょう。
直射日光が当たらない場所に置き、一ヶ月経ったら新しい袋に入れ替えます。
いずれの場合も、落ち葉がカサカサの状態よりもいくらか湿っていた方が良いので、雨上がりに作業するか、かき集めた落ち葉に水をかけて少し湿らせると良いでしょう。
ただしイチョウやカキの葉などは分解に時間がかかるので、腐葉土にはあまり適しません。マツなど針葉樹の葉や、笹竹の葉も腐葉土には不向きなので注意しましょう。
 
土
腐葉土や堆肥は、土壌改良の役割を持つ

堆肥作り5つの方法

さて、ここからは堆肥作りについてお話しましょう。
前述のように主原料の違いで堆肥にも種類があるように、その作り方にもいろいろな方法があります。
一般的に行われている堆肥作りの方法は… などがあります。

この他、ミミズに生ゴミを食べてもらって堆肥を作る「ミミズコンポスター」や、ベランダでもできるペットボトルを使った堆肥作りの方法もあります。
また以前は農家を中心に、落ち葉や藁、刈り取った草などを土の上に積み上げ、そこに家畜の排泄物なども加えて堆肥化した「野積み」という方法も盛んに行われていました。

しかし、現在は「家畜排せつ物の管理適正化及び利用の促進に関する法律(家畜排せつ物法)」の施行により、防水シートを使用したり覆いを掛けるなど、家畜排せつ物が地下に浸透して地下水を汚染することなどがないよう適正に管理することが必要となっています。
 
堆肥枠の使用例
手製堆肥枠の一例。
前面の板は取り外しができるようにしておくと、切り返しが楽。

1:堆肥枠を使う

土の上に設置した枠の中に、落ち葉や刈り取った草、野菜クズなどを積み上げていき、堆肥化する方法です。

枠で囲うことによって、ただ積み上げたものに比べて省スペースになりますし、発酵熱も逃げにくく堆肥化も早くなります。

木製やプラスチック製の堆肥枠も市販されていますが、一般家庭にはサイズが大きすぎることもありますので、自分で作ると良いでしょう。
堆肥枠の長所は、ローコストであること。自作するなら、90センチ×180センチの大型サイズのものでも5千円程度で済みますし、スペースに応じて自由自在にサイズを調整できます。

蓋はブルーシートなどで簡素化しても良いですが、同じく木材で蓋を作っておくと生ゴミを投入するときに楽になります。
短所は、堆肥枠は屋外に設置するため、生ゴミを外に持ち出さなければならない点です。

また堆肥になるまでの期間は2ヶ月から場合によっては半年と、堆肥枠に入れるものや季節によって期間は異なります。
生ゴミ投入後に土を被せたり、切り替えし(堆肥枠の中をかき混ぜ、空気を入れること)を行なうと、堆肥化が促進されます
堆肥枠は切り替えし用に2~3個用意しておくと便利です。(図参照)
堆肥枠の使用例
同じ大きさの堆肥枠を、内容物の量に応じて積み重ねていくタイプ。
いっぱいになったら枠を外し、一番上の物を一番下にして積みなおすことで切り返しができ、最終的に均一に堆肥ができあがる。

 

2:市販のコンポスターを使う

生ゴミリサイクル用に普及している、ポリエチレン製コンポスターを使う方法です。
土の上に設置して、上部の蓋を開けて台所から出る生ゴミをどんどん入れていくというのが基本的な使い方です。

長所はローコストである点で、コンポスターの他には必要に応じて脱臭剤や防虫剤を購入する程度です。自治体によってはコンポスターの購入費用に補助が出る場合もありますので、地域のホームページなどで調べてみましょう。

短所は、堆肥枠同様に屋外設置のため、生ゴミを外に持ち出さなければならない点です。 また入れるものや季節によって臭いがしたり、虫が湧いたりするので注意が必要です。
(生ゴミ投入後に土を被せておくと臭いなどを防ぐことができ、土中の微生物によって堆肥化も促進されます。)
コンポスターがいっぱいになってから堆肥化するまでは、1~2ヶ月の熟成期間が必要のなので、堆肥枠同様2~3個用意しておくと便利です。
 
EMボカシ用密閉容器
専用容器は、下から発酵液を抜く栓がついているので便利

3:EMボカシを使う

EMとは「Effective Microorganisms(有用微生物)」の略称で、EMボカシとは米ぬかなどにEMを混ぜ込んで発酵させて乾燥させた資材のことです。
容器下部に発酵液を抜く栓がついた専用の密閉容器を使い、ボカシを敷いた上に水気を切った生ゴミを入れてボカシを振りかけて合えることを繰り返して堆肥化する方法です。

長所は、省スペースで屋内でも作れる点です(直射日光の当たらない場所に置きましょう。)
また、容器の底に溜まった発酵液を水で薄めて(1000倍~2000倍)液肥に使えるというのも利点です。

短所は、容器の購入費用の他にEMボカシの費用がかかる点と、「嫌気発酵(酸素がない状態を好む)」のため蓋をあけたときに臭気がする点です。
容器の蓋はきっちり閉め、溜まった発酵液はこまめに抜く必要があります。
容器の八分目くらいまで溜まったら、熟成期間として一週間から十日ほどおきます。

できあがった生成物はこのままでは堆肥として使用できないので、庭に穴を掘って埋めるか、大型コンテナに土(生成物の5倍くらいを目安に)を入れた中に混ぜておきます。2~3週間して生成物が黒っぽい土のようになっていれば、EM堆肥の完成です。
 

4:生ゴミ処理機を使う

市販されている、生ゴミ処理機を使う方法です。
生ゴミ処理機には攪拌を電動で行うタイプと、手動でハンドルを回すタイプがあり、生ゴミ分解の方法も乾燥型とバイオ型とがあります。

電動式の長所は、攪拌を自動で行うため手間がかからない点と、短時間で生ゴミを処理できる点です。
短所は、電気代がかかる点と運転音が気になること、そしてコンポスターなどに比べて本体価格が高いという点も挙げられます。
またバイオ型の場合は、バイオチップ(微生物の入った基材)の補充が必要になります。
できあがった生成物は、EM同様に土と混ぜて一ヶ月ほど置いてから堆肥として使用します。
 

堆肥に向くもの、向かないもの

調理で出る野菜クズは、細かく切って堆肥に

調理で出る野菜クズは、細かく切って堆肥に

堆肥作りにもいろいろな方法があります。
また、その組成やできあがった堆肥の良否など、こだわりだすととても奥の深いものです。
私も堆肥枠を使った方法や、EMボカシでの堆肥作りを経験しましたが、「一朝一夕にはいかないものだなぁ」というのが実感です。
始めは「良質の堆肥を作る」ということよりも、「家庭からでる生ゴミの減量」に主眼をおき、前ページで挙げた中からそれぞれのご家庭にあった方法を選んで堆肥作りにチャレンジしてみましょう。

とはいえ、堆肥枠やコンポスターに「生ゴミなら何でも放り込んで良い」というものではありません。
家庭で作る場合において、堆肥に向くものと向かないものを挙げてみましょう。
 
ガーデンシュレッダー
庭木の枝もシュレッダーで粉砕すれば使用可能
【堆肥に向くもの】
  • 落ち葉
  • 切り戻したり、刈り取った草花(病気になったものは不可)
  • 雑草(乾燥させてから入れる。花が咲いたものは、種が残りやすいので不可)
  • 刈り取った芝(乾燥させてから入れる。一度に厚く入れないこと)
  • 野菜クズ(小さく切り刻むと分解しやすい)
  • 卵の殻
  • 魚の骨(少量ならOK)
  • 出がらしの茶葉
  • コーヒーのカス(分解しにくいので少量に)
  • 剪定した木の枝(分解しにくいので、ガーデンシュレッダーなどで細かく切り刻む)
【堆肥に向かないもの、入れない方が良いもの】
  • 病気に侵された植物
  • 肉や骨、貝殻
  • 調理された食品(ドレッシングやオイルがついた野菜も含む)
  • 竹の子の皮
  • 石炭、木炭の灰
  • 犬、ネコ、人の糞尿
 
ペットボトル
図1.ペットボトルのカット

5:ペットボトルで堆肥作り

おしまいに、最も省スペースでできる、ペットボトルでの堆肥作りをご紹介しましょう。
準備する物は、ペットボトル(1.5or2リットル)2本、腐葉土、ガーゼor古ストッキングです。
ペットボトル一本は、図1.のように上部から肩までの高さ(A)と同じ寸法(A")の位置でカットします。これは本体の受け皿になります。
もう一本はペットボトルの底を切り取り、キャップを取って図2.のようにセットします。

※ペットボトルのカットには充分ご注意ください。
切り口にビニールテープなどを巻くと、ケガ防止になります。

 
ペットボトル
図2.カットしたボトルをセット
底に腐葉土を敷き、細かく切り刻んだ野菜クズなどを入れ、その上に腐葉土を被せます。
これをペットボトル八分目まで繰り返し、蓋代わりにガーゼか古ストッキングを被せて、直射日光を避け雨のあたらない場所に置きます。
受け皿に発酵液が溜まってきたら、そのままにしておくと匂いが出るので別の容器に移して水で薄めて液肥にしましょう。
ときどき菜ばしなどでかき混ぜて、発酵具合を確かめます。
生ゴミの形が無くなっていれば、一時発酵は完了です。
できあがったものは、土と混ぜて一ヶ月ほど熟成させましょう。
作り方としては、コンポスターのミニミニ版といったところですね。
ペットボトルを使うと中身が見えるので、お子さんの観察日記にも良いかもしれません。

身近なところから環境への意識を持つことができ、生ゴミが減り、堆肥を買うお金も浮く。そんな一石三鳥(?)の堆肥作りを、是非試してみてください。

【関連記事】

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。