花壇の作り方の基礎知識を身につけよう
【花壇の作り方の基礎1】花壇の種類
花壇には主に次のような種類があります。- ア-毛氈花壇(もうせんかだん)
- イ-整形花壇(せいけいかだん)
- ウ-境栽花壇(きょうさいかだん)
- エ-リボン花壇
- オ-寄せ植え花壇
この他に庭の形態として、ロックガーデンやウォールガーデン、ウォーターガーデンなどもあります。
一般家庭では、ウ、エ、オの花壇が作りやすく、適しています。
また、特に花壇スペースを区切らず、庭全体を花壇と捉えて様々な植物を植え込んでいく方法もあります。このやり方は、自然風庭園に多く見受けられます。
【花壇の作り方の基礎2】花壇の場所
花壇というのは「花を植える」という目的でつくるのですから、やはり植物の生育に適した場所に作るのが一番だと思います。植物の生育に適した場所とは……
- 日当たりが良い
半日以上の日照があれば、植える植物を選ぶことで対処できます - 風通しが良い(風当たりが強いところは不適)
高さを出すことで、ある程度の通風は確保できます。
風当たりが強い場合は、防風のために木を植えるという方法もあります。 - 水はけ・水持ちの良い土である
土に関しては、土壌改良で対応できます。
水はけも花壇部分を高くする「レイズドベット」という方法や、極端に水はけが悪い場合はドレーンを入れたりして対処します。
縁取りに枕木を使った例 |
【花壇の作り方の基礎3】花壇の縁取り
花壇部分を区切る材料は、レンガ、ブロック、木材、連杭、枕木、プラスチック製の仕切りなど、様々あります。これは、庭のデザインや好みで選ぶことになるでしょう。
ここで私の失敗から教訓を一つ、「霜の降りる地域にはプラスチック製の仕切りは向かない」ということ。
仕切ったつもりだったものが、霜で全部持ち上がってしまったのです。後は春風でカラカラと飛んでいくものもあり……というお粗末な経験があります。 選ぶときにはこの辺も気をつけて、吟味しましょう。
【花壇の作り方の基礎4】花壇の下準備~土作り~
雪の残る中、天地返しで土作りをする |
イ-厳寒地・積雪地帯など天地返しを行えなかった地域も、3月を迎えると作業に入れるようになります。ア同様に土を切り返して数日間さらしてから、苦土石灰で酸度調整します。
ウ-土の状態を見て、腐葉土や堆肥を加えてフカフカの土を作りましょう。
エ-肥料を施します。有機質肥料の場合はすきこんでから一週間くらい寝かせます。
すぐに植え込みたい場合は、マグァンプが便利です。いずれも使用の際は、くれぐれも分量に注意しましょう。
【花壇の作り方の基礎5】花壇の植栽計画について
赤、黄、青、白と色とりどりの花々 |
それぞれが思い思いに咲いていても、それはそれで可愛いのですが、花壇としての体裁を整えたり「一時期だけにぎやかな花壇」というのを避けるためには、花壇の植栽計画が重要になります。
植栽計画を立てるポイントは「植物の草丈と開花期」、そして「カラースキーム」にあります。
【植物の草丈と開花期】
ボーダー花壇を作る場合まず手前に草丈の低いもの、奥に行くほど草丈の高いものといった配植になるので前述の定番物を例にとって考えると、手前にクロッカス・ビオラ・パンジー、中列にノースポール・ムスカリ・水仙、後列にチューリップ・スノーフレークといった感じになります。
円形花壇の場合は、ボールプランターに寄せ植えするように、中心に草丈の高いもの、縁にいくにしたがって草丈の低いものを植えます。
でも前述の例の組み合わせだと開花期が一時期に集中し、後は葉っぱだけの寂しい花壇になってしまいますね。そこで、開花期の違う植物を組み合わせることが必要になってきます。球根植物・一年草・宿根草などを組み合わせて、できるだけ年間通して鑑賞できるように計画を立てます。自分がよく扱う植物のリストを作成し、開花期の一覧表を作っておくと便利ですよ。
【カラースキーム】
前頁で挙げた定番物のカラースキームは、スノーフレークとノースポール(パルドサム)の白、水仙のクリーム~イエローをベースとして、その他は豊富な花色から選ぶことになります。
全て白で統一したホワイトガーデンにしたい、ビビットな色を加えたい、同系色でソフトに……など、この辺は好みが出てきて面白いところですね。同じ花を使っても、花色でかなり違った印象を与えます。まとまり感を出すには、色をつなげるグリーンと白がポイントになります。
同系色の組み合せ | 補色(反対色)の組み合せ |
類似色の組み合せ | ビビットな組み合せ |
開花周期やカラースキームは、一朝一夕には掴みきれないものです。去年よりは今年、今年よりは来年…と、花壇も少しずつグレードアップさせていきましょう。
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