両爬流通カレンダー
ということを理屈で考えて、さらに実際の流通状況を鑑みて、カレンダーというほどのモノではないのですが、各シーズンでの国内での両爬の流通の特徴を見てみましょう。春から初夏
4月頃から6月頃と考えてみましょう。もちろん、北半球の温帯では同じような季節ですし、雨季と乾季が存在する地域では乾季の終わりから雨季の始まりですので、両爬のベストシーズンです。その分、特別に特徴的な入荷というのはないような気がします。ただしハッチしたてのベビー個体はまだ流通しにくい季節です。
主に、北半球の各地域からWCのアダルトが輸入されます。
特に早い時期は、アジア各地の有尾類の輸入が目立ちます。また東南アジアのモニター類とかカメ類などもこの時期に多いような感じです。
3-5月辺りは中米のアカメアマガエルやアジアのツリーフロッグの繁殖時期にあたり、WCはこの頃に来ることが多いようです。ツリーフロッグは繁殖シーズン以外では発見しにくいことが理由でしょう。
また北米からのWCのトカゲやナミヘビもこの時期からです。ツノトカゲやハリトカゲ、あるいはラフグリーンスネークなどもこの時期に多いようです。
さらに6月頃からは北米産のミズガメ類のCBベビーあたりが来ることも多いようです。
盛夏から初秋
7月から9月頃です。この時期には流通の目玉があります。それがいわゆる「デイトナのEXPO便」です。
つまり8月中旬にフロリダで開催される世界最大の両爬イベント「National Reptiles Breeders EXPO」で買い付けられた個体たちの流通です。
種類としてはコーンスネークとかのポピュラー種が中心で、種類としては少ないのですが特に最新品種と呼ばれるような個体がショップ関係者の買い付けによりドバっと国内で流通します。
このフロリダのEXPOが8月中旬にありますから、CITES種でなければ、一週間もすれば国内にやってきて各ショップが目玉として販売をします。
例えて言うならば、EXPOは世界的に有名なファッションショーみたいな感じです。その年の最新のトレンドを知ることができると言ったところです。
また9月の末にはロサンゼルスのアナハイムでのブリーダーズイベントで買い付けられたいわゆる「アナハイムEXPO便」の個体の流通も興味のある方は要チェックです。
秋から初冬
北半球は秋になりますからアジアのWCは影をひそめますが、南半球は春から夏で、こちらがシーズンインです。つまりアフリカ方面とか南アメリカ方面とかが賑わってきます。昨年のアフリカのレアハコヨコクビガメたちもこの時期が最初でした。マダガスカル方面のカメレオン、カエル、ヤモリなどもこの時期に多く見られる傾向があります。
また、日本国内で繁殖されてヘビとか水棲ガメたちのCBもHBMやぶりくらなどの各種イベントにターゲットをあわせて盛んに流通する時期でもあります。
もちろん北半球のリクガメやスライダーなどの水棲ガメのハッチリングベビーも、夏の終わりからこの時期が本来の時期と言えます。
冬から春の初め
日本では真冬ですが、南半球では雨季である場所が多く、雨季でなければ見られない種類のシーズンと言えます。例えば人気のアメフクラガエルはこの時期の雨季にしか採集することができないそうですし、小型のヨロイトカゲなどもこの時期に入ってくることが多いようです。
海外ではないのですが、国内でCBが生産できるウーパールーパーも2月末くらいから5月くらいまで多く流通します。
同じ有尾類で考えれば、この時期に東欧からファイヤーサラマンダーのWCが比較的数多く輸入されるようです。やはり有尾類の繁殖期ということです。
と言うわけで、とりあえず理屈をベースに考えてみましたが、先述したようにさまざまな現地での事情や流通方法の多様化と進歩が背景にありますので、一概に法則づけることはできないのですが、傾向としては間違っていないと思います。
もちろん、流通関係の話題というのは私がもっとも苦手とする分野でもありますので、明らかに間違っていたら、ご指摘をいただけると幸いです。
とにかく、欲しい種類の流通はいつでもあるわけではないこの世界ですから、見つけたら「即買い」みたいな思い切りも必要でしょう。
「計画的な衝動買い」って、この趣味の醍醐味でもありますから...そういう意味でも流通の旬を意識してみることは両爬飼育の充実につながるのではないでしょうか。
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