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ミドリカナヘビの基本情報と飼育方法……美しい大型のカナヘビ!

今回は、ミドリカナヘビの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。ミドリカナヘビは、ヨーロッパに広く分布する美しく大型のカナヘビです。全身が鮮やかな緑色をしており、成熟したオスは頭部側面から下顎にかけてメタリックブルーに染まり、非常に美しく見応えがあります。

執筆者:星野 一三雄

ミドリカナヘビの基本情報

ミドリカナヘビの基本情報と飼育方法

画像提供:桔梗屋

ミドリカナヘビ
学 名Lacerta viridis 別 名:-英 名:Green Lizard分 布:ヨーロッパ東部(東ドイツから黒海周辺まで)、アメリカ合衆国のカンザス州に帰化全長:40cm前後

ヨーロッパに広く分布する美しく大型のカナヘビです。ヨーロッパには本種のように緑色をした大型のカナヘビが数種類分布しており、また本種も亜種などに分けられたり、種類名が不詳のまま「Green Lizard」として流通することがあります。

見ての通り、また名前の通り全身が鮮やかな緑色をしており、成熟したオスは頭部側面から下顎にかけてメタリックブルーに染まり、非常に美しく見応えがあります。メスは褐色部分が多く背面が緑色になるだけのことが多いようです。また幼体は全身が地味な褐色で他のカナヘビ類の成体や幼体と見分けるのが難しいようです。

生息環境は標高800m程度までの草原や森林で、基本的に植物が生い茂った場所を好みます。耕作地などでも見られるようですが、日本のカナヘビ同様に非常に素早く危険を感じると、すぐに物陰や巣穴に隠れてしまいます。

自然下ではほぼ動物食性であり、主に昆虫類を食べています。また大型の個体は小型のトカゲや齧歯類なども食べることがあるようです。ただし飼育下では果実なども食べることがあります。

春に繁殖行動を行い初夏に卵を5-23個程度を産みます。卵は2ヶ月ほどで孵化し、屋外では8月くらいに幼体が見られます。

ヨーロッパでは特にドイツの北部で個体数が激減しており、IUCNのレッドリストでは、日本で言うところの準絶滅危惧種として掲載されていて保護の対象になっています。個体数の激減の理由として生息環境の開発があるのですが、他にもネコによる食害も要因として考えられています。EUやアメリカでは、主にドイツで繁殖された個体が流通しているようです。

広い容器と十分な日光浴ができれば飼育は比較的容易なのですが、なぜか「Black Canser(黒いガン)」と呼ばれる症状になり、体表に黒い腫瘍様のできものができて死んでしまうことが多いそうです。しかし、これは感染性のためウィルスによるものと考えられています。

我らが沖縄の「琉球美人・アオカナヘビ」とまさにライバル関係にある天晴れなトカゲです。と、迫力が違いすぎますけど...

赤っ恥をかかない程度の知識
  • ヨーロッパの東部に広く分布
  • 激減しているため保護されている
  • 流通量は多くはない
  • 比較的臆病な性格
  • 動物食中心
 

ミドリカナヘビの飼育方法

飼育容器
60cm以上の爬虫類専用ケースでいい。最終的には自作の120cmクラスのケージが必要。床面積を広くとれるようにする

温度
基本は無加温だがホットスポットを設置し温度勾配を作る。容器下にフィルムヒーターを敷く

照明
爬虫類用の紫外線灯やバスキングランプが必須。できれば直射日光で日光浴をさせる

床材
本質的にはヤシガラ土など多少湿度を保持できる素材を厚めに敷くのがいいが、清潔さなどの点で問題もある

容器内レイアウト
幼体時はシェルターを設置する。水容器は大きめのものを設置する


昆虫食。大型の個体には果実なども与えてみる

基本的な世話
陸生のトカゲの飼育法
  • 幼体時は低温と乾燥に十分に注意する
  • 体表に黒いできものができたら、すぐに隔離して伝染しないようにする
※「飼育の基本情報」は「爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ2(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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