二ホンアマガエルとは?基礎知識・飼育方法

アマガエルの飼育方法

アマガエルの飼育方法

全国の身近な両爬ファンのみなさん、コンニチハ!

久しぶりに「身近な両爬の飼い方」シリーズです。
最近は、両爬オンライン図鑑のせいで「国産阿呆の星野もすっかり外国かぶれになりやがって...」なんて思っている方も多いのではないでしょうか?
ご安心下さい。確かにオーストラリアに行っても、イベントに出ても、外国産の種類を飼育しても、やっぱり私は「日本一の国産種オタク」を目標にし続けています!
そんな私が、書いていてとっても楽しいのが、このシリーズ「身近な両爬の飼い方」なんです!

今回は、身近なカエルの代表であり、日本が誇る小型美麗ツリーフロッグ・ニホンアマガエルの飼い方です!!

でも私が苦手とするカエルの仲間の飼育ですから、もちろん今回も私の飼育の友人であり、師匠でもあるアマガエルを飼って殖やしている某スーパー飼育者から直伝ですので、安心して実践して下さい!

アマガエルってどんなカエル?

嫌われ者が多い両爬の中でも、比較的許容されやすいのがカエルたち。そのカエルたちの中でも、小さくて、綺麗で、ということで昔からあまりこれのことを気持ち悪いと言われることが少ないのがニホンアマガエルです。この前も某TV局のアニメ「ケ○ロ軍曹」の予告編でも「キュートなアマガエル」なんて言っていましたから。
いつものように、飼育を考える前に彼らが野生でどんな生活をしているのかを見てみましょう。必ず飼育の役に立ちますから。
ニホンアマガエル
ニホンアマガエルHyla japonicaは本土に生息する唯一のアマガエル科のカエルです。アマガエル科のカエルは、実は世界中に700種もいて、ペットとして欧米では昔から人気のあるグループです。日本では同じアマガエル科のカエルとしては、南西諸島のハロウェルアマガエルがいますが、こちらはなかなか見ることができないカエルです。
日本の固有種であるとも考えられますが、朝鮮半島や済州島、中国北部のアマガエルも本種と同一種であると考えられています。
形態の特徴は、ご存じの通りですが、体色は鮮やかなというよりも何だかホッとするような緑色で、ときどき黄色色素が抜けた空色の個体なども見つかり話題になります(アザンティックAxanthic)。緑色のカエルというのはアオガエルの仲間がいて、よく間違われるのですが、アマガエルは目の前の鼻腔付近から鼓膜付近まで走る明瞭な褐色縦条があることで区別されます。
四肢の指には吸盤が発達していますが、指の動きなども発達しており、木の枝などをつかむことができます。
また周囲の環境によって緑色から茶褐色まで体色を変えることができます。

オスは喉に大きな鳴嚢を持っており、大きくふくらませて鳴くことにより体の大きさから考えられるよりも大きな声で鳴くことができます。特に雨が降る前に「クワッ、クワッ、クワッ、クワッ、・・・」と盛んに鳴きます。

生活はほぼ樹上性ですが、水田の周囲に生えている背のそれ程高くない草の葉の上などでも見かけることができます。
夏を中心に比較的、長い期間が繁殖期であり水田などの浅い水場の水面に少量ずつ産卵します。
成体の餌は小さな昆虫やクモなどで、手で口に押し込むような仕草で食べることが多いです。

アマガエルをつかむと、驚いて尿を放出します。子どもの頃は、その尿に触れるとかぶれるとか脅かされたものですが、基本的には無害です。ただし、体表から比較的強い毒を分泌していますので、触った後は必ず手を洗うようにしなくてはいけません。目などにはいるとかなり痛いらしいですし、放っておくと失明になるおそれもあるそうです。十分注意しましょう。
 

アマガエルの飼育

小さくて美しいアマガエルですが、いくつかの注意点を守ることができれば、比較的丈夫で、驚くほどの長生きをしてくれます。日本が誇るペットフロッグと言っても良いでしょう。

もちろんそれだけでも十分な魅力なのですが、何といってもカエルですから「鳴きます」。
しかもアマガエルは、かなり大きな声で鳴きます。正直、私はアパート暮らしなので、あまり大きな声で鳴かれても困るのですが、私の師匠である友人は「鳴き声こそがアマガエルの魅力」と言います。
どうやらアマガエルは一匹一匹鳴き声が違うのだそうです。もちろん人間だってひとりひとり声が違うんですから、当たり前なんでしょうけど、さすが達人は言うことが違います。
それに、雨降りの予報もほぼ間違いなくしてくれるというのですから便利です。何よりも家の中でカエルが鳴くなんて、やっぱり風情です。大きな声も慣れてしまえば、ってところでしょうか。

そんなアマガエルですが、飼育の基本は外国産のツリーフロッグの仲間と、大きく変わることはありません。
以下の写真をご覧下さい。これが私の友人のアマガエル飼育の様子です。
アマガエルの飼育容器
注目して欲しいのは飼育容器の高さです。
一見慣れたプラケースですが、これは高さのあるタイプです。以前は、あまり見かけませんでしたが、最近は甲虫ブームでホームセンターなどでも扱われるため安価で入手しやすくなりました。アマガエルの飼育には、ぜひこのようなタイプを使いたいところです。

もう一つのポイントは湿度の管理です。これが苦手だから、私はカエル飼育が苦手なんですけど。
それでは順を追って、具体的に説明しましょう。
  • 飼育容器
先ほども述べたように、飼育容器はプラケースでいいのですが、とにかく樹上性のカエルであるということを意識して、なるべく高さが確保できるケースを用意します。とは言ってもカエル自体が小さいですから、高さは30cmほどもあればいいでしょう。できれば上の写真のように上部側面にスリットが入っているようなタイプがいいでしょう。
また少数ならば、大きめのペットボトルを使って飼育も可能だそうです。
もちろん焼酎のお徳用ボトルみたいな巨大で透明なものを使うことになりますが。それと通気性を確保するために側面に工夫をこらすことも必要です。
  • フタ
相手がカエルですからフタは必要です。もちろんプラケについているフタでいいのですが、ここでワンポイント。
左がスライド式、右が上下開きのトビラ型

プラケのフタはメンテナンス用の窓の部分が「スライド式」のものではなく、上下に開け閉めできる「トビラ型」のものを選びます。
どういう事かというと、どんな両爬だってそうなんですが、彼らは狭いところが大好きです。アマガエルの場合は、まず間違いなくスライド部分の隙間に入り込んでしまいます。
そうなると、スライドできなくなってしまいますのでメンテナンスができません。
ですから、上下に開くことができるトビラ型のタイプが良いのです。
  • 床材
飼育容器の下に敷く床材は、基本的にメンテナンスしやすいモノならばなんでもいいでしょう。新聞紙でも赤土や鹿沼土、腐葉土など何でも可です。ただし、腐葉土や新聞紙などの有機質のモノはカビやすい欠点がありますので注意しましょう。
  • 保温・照明
基本的に保温や照明は必要ありません。ただし、後述の観葉植物の育成と鑑賞のためには蛍光灯などを使えばいいでしょう。いつも言うように、鑑賞に堪える状態にしておかないと、いい加減な世話になってしまいがちですので。
  • レイアウト
アマガエル飼育の、重要なポイントの1つです。
飼育容器内には、必ず観葉植物などの生きた植物を入れましょう。アマガエルの喜び方が違います。プラケの壁にべったりとくっついている姿ではなく、図鑑のように緑色の葉の上に乗って、喉をコロコロ動かす姿を見ることができます。
あまり強い光を本格的に当てられませんので、弱い光でも育つ植物が良いでしょう。また盲点として、アマガエルの尿で植物が枯れてしまうことがあります。尿くらいでは枯れない丈夫さも必要です。どんなに強い植物でも、あまりカエルの尿や糞で汚れてしまえば枯れてしまいますので、定期的に葉っぱを洗ってあげることも忘れないようにします。

それでも光がなくては植物は育ちませんので、照明は必要になってきます。ちなみに上の写真のケース内の植物は花が落ちてしまったシクラメンです。窓際の直射日光の当たらない場所でレースのカーテン越しの光で生育しているということです。飼育容器の高さを保てるのならば陰性が強い観葉植物であるスパティフィラムなどがいいでしょう。
さらに樹上性ですから、手頃な木の枝を配することも忘れないように。

水容器は必ず入れます。大きさはアマガエルが入れるくらいの大きさで良いのですが、小さいとすぐに干上がってしまうので、多少大きくて深いモノを使いましょう。
  • 湿度の管理
これもアマガエル飼育の大きなポイントです。というか、カエルの飼育っていうのは、慣れていない人にとって「水を入れておけば良いんだろ」みたいな感覚になってしまいます。ところがアマガエルのようなツリーフロッグは、彼ら自身が自然下では樹上を上に上ったり、下に下がったりして必要な湿度を求めて移動をしてコントロールしています。また自然ではアマガエルも多くのツリーフロッグも日光浴をします。ですから、アマガエル飼育では「常時多湿」は厳禁です。保湿性のある床材と水容器を設置していれば、若干乾き気味かな、というくらいが良いと考えましょう。
そのためにはカエルの観察が必要です。
一般には、湿った床材の近くになるように下の方でじっとしていたり、水容器に浸かっているような場合は空気が乾燥しているというサインです。そんなときは霧吹きをしてあげましょう。
また容器内の観葉植物を入れておけば、枯らさないように水をやりますので、それがちょうど良い加湿にもなります。
餌はコオロギなどの小さい虫を与えます。できるだけさまざまな虫を与えましょう。
給餌間隔と給餌量は「1匹/日」が目安です。つまり毎日給餌するならコオロギなどを1匹。2から3日ごとの頻度ならば1回に2から3匹です。それ以上の間隔をあけるのならば、5から10匹程度のコオロギを飼育容器内に放しておけばいいでしょう。
どんな生き物でも餌を食べるのを見ることは、とても楽しいのですが、特にカエルは見ていて飽きません。
  • 雌雄の判別
繁殖期以外はわかりにくいのですが、基本的にオスは小型で体型も細いです。メスは大型の個体が多く上から見ると洋ナシのように下半身がふくらんでいます。
またオスには鳴くための鳴嚢があるため下顎を腹側から見ると黒ずんでいますし、しわが寄ってたるんでいます。他のカエルに見られるオスの前足のイボ状突起(婚姻瘤)はアマガエルの場合はあまり目立ちません。
  • その他の注意点
飼育密度ですが、前のページのプラケ、つまり高さ30cm程度ならば8匹程度の個体を飼育できるようです。ただし、木の枝を多く配したり、観葉植物を多めに入れる工夫が必要です。
また通常は週に一回程度の飼育容器内の掃除で良いのですが、個体数が多かったりした場合は、特に夏の間は3日に1回程度の掃除をするようにします。

先述した、上下開閉型のプラケのフタでときどきある事故なのですが、閉めるときにアマガエルの指をはさんでしまわないようにしましょう。カエルをケガさせてしまうのももちろんですが、そのまま気づかずにはさんで動けなくなったまま、そこで乾燥死させてしまう事があります。書いているだけで悲しくなる悲惨な事故ですね。

それとこれもカエル飼育の達人である友人から教わったのですが、カエルの洗い方の秘伝です。というか、ケージ内を掃除したりするためにカエルを避難させるときの工夫です。
以前、私がカエルを飼育していたときに、プラケの掃除をするためにカエルたちにストレスを感じさせたり、部屋の中で脱走させたり、と大変な騒ぎだったのです。そこで聞いたのが牛乳パックを使う方法です。
きれいに洗った牛乳パックを用意します。
ケース内のカエルを捕まえたら、牛乳パックの中にカエルを入れて、パックの口の部分を閉じます。こうするとカエルは暗いからかあまり暴れません。また中で跳ね回っても、牛乳パックは柔らかいのでぶつかってもケガをしません。

その間にプラケの掃除をするのですが、ついでにカエルも洗ってしまうことができます。
つまりカエルが入った牛乳パックの口を少しだけ開けて、そこから水を入れます。
再び口を閉じて、軽く振ったりシェイクすればいいのです。ちょっとカエルがかわいそうに思うかもしれませんが、これでカエルは綺麗になることができます。
あとは牛乳パックの口を閉じたまま逆さまにしてしまえば、水は全部捨てられます。最後に牛乳パックの口からカエルをケージ内に落とせば完了です。

最後に、飼育下での寿命に関してですが、少なくとも私の師匠である友人は、最大で14年間、飼育されている個体がいるそうです。また11歳のメスは、まだ毎年産卵をしているそうです。
意外に知られていませんが。両生類は代謝が緩やかであるため、寿命が非常に長いです。もちろん、冬期は冬眠をさせることでより長生きをさせることができるようになるのですが。いつも書いているように、冬眠に関しては別の機会に。
14歳のニホンアマガエル・けろすけ

とにかく、この時期に一番出会うことが多い両爬であるニホンアマガエル。緑色でちっちゃくてかわいらしい仲間です。高さのあるケージと小さい餌の確保、そして観葉植物があれば、このカエルの新しい魅力に出会うことができるかもしれません。
ちょっと鳴き声が大きいですけどね...

<関連サイト>
ニホンアマガエル From べんぜんエリア

【関連記事】

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。