餌マウス自家繁殖のノウハウをご紹介します

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!!さて、前回から始まりました「餌動物飼育図鑑」。前回は初回と言うことでインパクト重視でドジョウなどというマイナーな餌動物でお送りしましたが、今回は一転、もっともメジャーな餌動物とも言える「マウスの養殖」をお送りしたいと思います。
 

餌マウスの基本情報

「餌マウス」となるネズミの一種、ハツカネズミ
マウス(ハツカネズミ)
 
体 長 6~8cm
生息地 世界各地
用 途 ヘビ一般を始め多くの肉食性両生爬虫類
使用方法 生きたまま与える・殺した直後にケージ内に静置・冷凍したものを解凍して静置・ピンセットなどで誘いながら、など
解 説 世界的に人家周辺を中心に生息する齧歯類。種子や穀類などを好むが昆虫なども食べる雑食性。耕作地や人家などに簡単な巣を作って生活するが、定着性は低いらしい。繁殖期は野外では春と秋であるが、屋内では周年繁殖する。本来、背面は茶色、腹面は灰白色の毛に覆われるが、品種改良され、一般には白い毛色で赤い目のアルビノ個体が実験用・愛玩用・餌用に広く養殖されている。
 
マウスの栄養成分 可食部100gあたりに換算
成分 ピンクS ファジー アダルト
エネルギー(kcal) 93.0 121 172
水分(g) 80.9 81.8 67.3
タンパク質(g) 12.3 8.0 18.3
脂質(g) 3.3 5.5 7.7
炭水化物糖質(g) 1.9 1.5 3.9
ビタミン A (IU) 679 562 18909
B1 (mg) データなし
B2 (mg)
B3 (mg)
C (mg)
D (mg)
E (IU) 1.0 3.2 3.3
無機質 (mg) カリウム データなし
ナトリウム
3.5 2.8 4.5
リン データなし データなし 562
カルシウム 224 268 975
参考:S'hei's Homepage

両爬の餌としてのマウスの特長やマウス自家繁殖の必要性、マウス自家繁殖の心構えなどの前置きをいろいろ考えたのですが、今回はあくまで「マウス自家繁殖飼育ガイド」としての記事を目指しましたので、そういう蘊蓄は別の機会にして、早速マウス自家繁殖のノウハウをご紹介しましょう。
 

餌マウスの飼育繁殖法

今回は、これまた長年マウスの飼育と繁殖を手がけている方から詳しい話を聞けましたし、多くの方からご意見もいただけましたので、それを参考に解説しましょう。
ただ、極めれば極めるほど奥が深いようですので、詳しくは記事の最後にあるサイトなどを参考にして下さい。

◇飼育環境
・ケージ
飼育ケージは特大プラケ・実験用マウス飼育ケージ・ハムスターケージ・衣装ケースなどみなさんいろいろです。何にしても通気性の良いものを使います。ハムスターケージや鳥かごは金網のすき間から、特にピンクサイズの個体が逃げ出すことがありますので、注意が必要です。またジャンプ力が強く狭いところも平気ですからしっかりとフタができるものを選びます。ちなみに私の所では目の細かい金網をフタにしています。
 
餌ネズミの飼育ケージ
衣装ケースを改造した飼育ケージ

・床材
マウスはハムスターと異なり、基本的にトイレを覚えません。ですからどうしても糞や尿が床材にまき散らかされます。ですからよほどマメに取り替えるのでなければ、床材には工夫が必要になります。

みなさんに聞いたので多いのはウッドチップですが、私も使っていて非常に優れているのが自然素材(木製)のネコの砂のようです。さらにこれにシリカゲルでできたネコの砂・シリカサンドを四分の一ほど混ぜたものが臭いも抑えられて交換頻度が少なくて済み、経済的にも安価ですむようです。これに5cmほどの長さのシュレッダーくずの紙を入れると巣材に使うそうです。

床材の交換頻度は飼育頭数にもよるようですが、一日置きという方もいれば二週間に一度という方もいらっしゃいました。つまり床材は「汚れたら」とか「臭くなってきたら」とかの主観的な目安で取り替えれば良さそうです。

・餌と水
マウスはとにかく大食いなので、結局餌は「安い」ことが最優先になりますが、幸いなことに(実験用マウスが普及しているから)、もっとも安い配合飼料が一番栄養のバランスも良いようです。これにおやつ程度に種子類を与えれば十分です。

気になる動物性の餌ですが、これには共食いの防止のために与えた方が良い、という意見と特別に必要ないという意見にわかれました。与える場合は煮干しなどを与えればよいようです。
またマウスはとにかく水をよく飲みます。十分な容量の給水ボトルを準備しましょう。ちなみに私はいつも水切れで死なせたり、共食いの憂き目にあいます。

・その他の準備
この他「フタのない巣箱」やストレス解消のための「遊具」などを入れると好結果を得ることができるようです。
 
餌ネズミの遊具
こんなんでも十分「遊具」

・日々の世話
共通するのは「毎日の餌やり」と「飲み水の交換」です。また「床材の交換」も定期的に行います。それ以外は基本的に繁殖のコントロールということになります。
 

コンスタントな繁殖のために

繁殖法といっても、マウスの場合には軌道にさえ乗ってしまえば、こちらが困るほど数が殖えてしまうくらい順調にコトが進むようです。ペアリングはケージ内に雌雄を入れるだけ。オス同士以外は協調性もいいので、オス:メス=1:複数のハーレム状態で構いません。雌雄の区別はメスの乳首を確認すればいいでしょう。複数見れば性器の形状で容易に区別が付くようになります。一週間ほど同居させれば普通は交尾が行われます。

妊娠後15日程度でメスの腹は大きくなり始め変化を見ることができるようになります。出産は妊娠後20日程度ですが、特に別のケージに移す必要などはありません。オス個体もそのままで構いません。中には育児を手伝うオス親もいるというから感心します。出産直後は24時間ほど暗くて静かな場所に置くなどして落ち着かせましょう。出産された仔マウスはメス親が授乳して育てますが、この間は掃除などの回数を減らします。またこの期間に餌や水を切らさないようにします。

生後25日程度で離乳します。この頃にはホッパーの大きさになっています。離乳の頃のマウスはしっかりとフードを食べられませんので、フードは細かく砕いて与える方が良いでしょう。
オスのマウスは生後16ヶ月、メスは生後14ヶ月くらいまでが繁殖できます。ただしピークは生後2ヶ月から9ヶ月くらいまでですので、上手に餌として利用しながらコンスタントに殖やしていきましょう。単純計算でいくと、一頭のメスのマウスから50頭程度は生涯に仔をとれるようです。
 
餌ネズミの飼育はこのくらいの密度でも大丈夫
このくらいの密度でも大丈夫

◇マウスのライフサイクル
・生後25日・・・離乳
・生後35日以降・・・繁殖可能
・ペアリング
・ペアリング一週間後・・・妊娠
・妊娠後20日・・・出産
・出産後25日・・・離乳(育児終了)
・交尾
・以降生後9ヶ月までが繁殖のピーク

とにかくマウスの自家繁殖は、計画的に行わないと、無駄な出費になったり、無駄な労力になります。マウスの餌の量や飼育頭数、繁殖サイクル、固体管理、餌として与える量、ヘビ一頭あたりの給餌サイクルと給餌量などさまざまな要因を考えて計画的に行う必要があり、実は結構頭を使うことなのです。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。