最先端のデザイントレンドが生まれるヨーロッパ。日本でもおなじみの北欧デザインをはじめ、群を抜いた個性が光るダッチ・デザインなど、デザイン好きには刺激がいっぱい。かわいらしい雑貨やスタイリッシュな家具、さらには街なかのふとした建物にもセンスが溢れています。今回は北欧のデンマーク、さらに最近注目が高まっているオランダを巡ります。
シンプルでナチュラルな北欧デザイン
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巨匠の作品が集まるデンマークデザインセンター(C) Nicolai Perjesi |
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アルネ・ヤコブセンのエッグチェア(C)Ireneusz Cyranek |
どこか温もりを感じさせる風合い、そして人間工学に基づく優れた機能性を持つ北欧デザインは、いまや日本人にも身近な存在になりました。なかでもデンマークは、アルネ・ヤコブセン、ハンス・ウェグナーなどの名立たる巨匠デザイナーを輩出した国。地下鉄の駅からスーパーに並ぶ商品のパッケージまで、あらゆるところにセンスの良さを感じます。
首都コペンハーゲンには、デンマークデザインセンターや工芸博物館など気軽にモダンデザインに触れられるスポットが充実。ミュージアム巡りに疲れたら、街の中心にある「カフェ・ステリング」で寛ぎのひとときを。実はここ、1934年にヤコブセンが設計した建物を利用したカフェ。もちろん店内の椅子にはヤコブセンの「セブンチェア」を使用しています。デンマークらしい贅沢な時間を過ごせますよ。
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ボダムショップ(C) Ted Fahn |
手軽なお土産探しなら、キッチンウェアメーカーの「ボダム」がおすすめ。コペンハーゲンのストロイエにあるオンリーショップには、ぽってりしたフォルムのティーポットやカップなど定番のアイテムが勢ぞろい。日本より品数も豊富で、価格も割安です。
200年以上受け継いできた伝統美、ロイヤルコペンハーゲン
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王室御用達ブランド、ロイヤルコペンハーゲン (C) Royal Copenhagen |
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工房では絵付けの様子を見学することもできる(C) Ted Fahn |
20世紀に台頭してきたモダンデザインのほかに、長い歴史と技術に裏打ちされた伝統のデザインもあります。その筆頭は1775年に誕生した陶磁器ブランド、「ロイヤルコペンハーゲン」。アンダーグレイズ技法(素焼きの後、うわ薬をかける前に絵付けをすること)を用い、多くの名作を生んできました。有名なシリーズには、デンマークの植物をモチーフにした「フローラダニカ」などがあります。職人が丁寧に仕上げた繊細な絵柄は、どれも思わず見惚れてしまう美しさです。
コペンハーゲン市内にある本店のほか、郊外には博物館とショップを合わせた「ロイヤル・コペンハーゲン・ウェルキアムセンター」も展開。どちらのショップでもリーズナブルなアウトレット品の取り扱いもあります。
次のページでは、最新のダッチ・デザインを求めてオランダへ。