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アイスワインとは?
収穫した葡萄はすぐに搾り数ヶ月かけて発酵させる(C)オンタリオ州観光局 |
ワイン用葡萄の収穫時期といえば、ふつうは秋ですよね。ところが、アイスワイン用の葡萄は12月から2月頃の真冬、それも気温がマイナス8度以下まで下がったときに限って収穫されます。しかも氷点下で凍ったその葡萄は、ひとつひとつ丁寧に手作業で摘まれているんです。
もちろんそんな厳しい状況下で収穫するのには、ちゃんとした理由があります。収穫されるまでの間、厳しい気候条件のもとで溶けたり凍ったりを繰り返すうちに、葡萄内の水分は徐々に減っていきます。一方で果汁は凝縮されて濃度が高まります。そのため通常よりも強い甘みと香りを持つ濃厚なワインができるのです。そんなアイスワインはデザートワインとして味わうのに最適。冷やして飲むとおいしさが引き立ちます。
アイスワインの歴史 ― 偶然できた奇跡のワイン
冬の厳しい寒さが極上のアイスワインを生む (C)オンタリオ州観光局 |
ナイアガラに数あるワイナリーのひとつ、Cave Spring Cellars (C)カナダ観光局 |
その年、フランコニアは突然の霜におそわれ、ワイン用の葡萄がすべて凍ってしまうというアクシデントに見舞われました。やむなく葡萄は処分することにしたのですが、一部の葡萄を使ってワインを造ってみたところ、それはそれは濃厚なおいしいワインができ……。そう、これがアイスワインの始まり、まさに偶然の産物なのです。
ドイツ生まれのアイスワインですが、カナダでは1980年代から造られるようになりました。ほかにオーストリアでも造られています。アイスワイン用葡萄の栽培に一番大切なのは気候。ヨーロッパに比べて厳しい寒さが続くカナダの冬は、アイスワイン用葡萄の栽培により適しています。そのためカナダのアイスワインは、世界中でとりわけ高く評価されています。
次のページでは、カナダのアイスワインの魅力をさらに詳しくお伝えします。