ベルギーの人々とビールの関係
有名な小便小僧はイベントでビールを出すことも。さすが?!ビール王国 |
ベルギービールは中世に修道院の僧が造りはじめたことに端を発した、1000年もの歴史を誇るビール。ベルギーの人々は、ビール好きであるのはもちろんのこと、ビールに対して強い誇りも持っています。「ワインと同様の敬意をビールにも払っている」といわれるほど。美食大国ベルギーらしく、料理とビールの相性も抜群。ときには料理にビールを使うこともあります。牛肉のビール煮などが有名です。
実は、ベルギーの市場でも70%近くを占めるのは、ピルスナー(Belgian Pils)と呼ばれるビール。すっきりとした味わいが特徴の、下面発酵の淡色ビールで、日本でも主流です(※下面発酵(ラガー)とは、8~15℃の低温で発酵させること)。
でもベルギービールの醍醐味は、15~25℃の高温で発酵させる上面発酵ビール(エール)にこそあるといわれているんですよ。フルーツやハーブを使ったビールやホワイトビールなどベルギーらしい個性豊かな味が揃うのはこちら。私がイメージするベルギービールも、やっぱりこうしたフルーティーな味のビールですが、みなさんはいかがですか?
いくつ知ってる?! ベルギービール全11種
ビールをさらにおいしくしてくれるグラス。銘柄ごと専用のグラスがある(C)小西酒造株式会社 |
小麦で造られる白くにごった薄い黄色の上面発酵ビール。
酵母を使用せず自然発酵させたビール。ブリュッセル近郊のみで造られる。
世界に7箇所あるトラピスト修道院でのみ造られている上面発酵ビール。
修道院のレシピをもとに、一般の醸造所で造られている上面発酵ビール。
ラガービールよりも金色の上面発酵ビール。
オーク樽で熟成させた赤茶色をした上面発酵ビール。酸味がある。主に西フランダース地方で造られる。
茶色の上面発酵ビール。フルーティーな味わいが特徴。主に東フランダース地方で造られる。
トラピストビールのシメイ。ブルーのほか、ホワイトやレッドもある(C)三井食品株式会社 |
元々は農家が作業の合間に飲むために作ったオレンジ色のビール。すっきりした味わい。主にワロン地方で造られる。
大麦の麦芽のみで作られる茶褐色をした上面発酵ビール。ハーブやスパイスよりも、大量のホップが使用される。
各地で作られるビールのうち、上記の分類に当てはまらない個性的なビールの総称。
淡色をした下面発酵のビール。ベルギーで一番多く飲まれている。
うーん、まずはズラリと並べてみましたが、ホントにたくさんありますよねぇ。 このリストを見ただけでは、いまいちピンと来ない人も多いはず。ということで……。
次のページからは、いくつかの種類について有名銘柄とともにもっと詳しく解説します! まずは、ホワイトビールとランビックビールをどうぞ。