世界遺産/未来の世界遺産

未来の世界遺産6 生死の境・聖地ベナレス(5ページ目)

三島由紀夫、遠藤周作、沢木耕太郎はじめ世界中の作家に影響を与えた生と死の街ベナレス(バラナシ)。旅人に「世界でもっとも衝撃的だった場所は?」と尋ねると必ず1位にあがるインドの永遠の聖地へご案内!

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

聖なる行者サドゥー

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サドゥー
定住生活を捨て、遊行を行うサドゥーのひとり。


チャイ屋
チャイ(お茶)屋でチャイを飲み、身体を温める。©牧哲雄
よき実践者=サドゥーと呼ばれるヒンドゥー行者は、喜捨(寄附)によってのみ暮らし、特定の場所も所有物もなく、解脱を求めてひたすら修行を続けている。

インドやネパールでよく見かけるが、彼らはまるで仙人のような姿をしている。奇抜な姿にも理由がある。ヒンドゥー寺院の神々は塗料や花やカラフルな衣装で派手に装われているのだが、それぞれ信じる神の姿を模してサドゥーたちも同様にペインティングしているのだ。

なかにはヨガをしていたり、やたらと髪が長いサドゥーや、片腕を紐で縛ったサドゥー、片脚で立っているサドゥーもいる。ヨガをする、髪を切らない、片腕を使わない、片脚を地につけない……このような禁を自ら設け、修行を行っている。

といっても修行熱心なサドゥーばかりではない。写真を撮らせてお金を求めてきたり、昼寝ばかりしていたり、麻薬を売りつけてきたり、自ら大麻を吸っていたり……

聖と俗という概念すら、ベナレスでは一様ではない。

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