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フランス語の「リエゾン」でもう悩まない……ポイント・規則とは?

フランス語を学ぶ際に忘れてはならない発音の規則リエゾン(連音)。あなたは、リエゾンの必須箇所、禁止箇所についてきちんと理解できていますか? しっかりマスターしてフランス語との適切な「関係」を目指しましょう。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

越智 三起子

執筆者:越智 三起子

フランス語ガイド

フランス語の「リエゾン」をマスター! 3つのポイントと規則を紹介

フランス語の「リエゾン」

フランス語の「リエゾン」

フランス語を学ぶ際に忘れてはならない規則リエゾン(連音)。記事『フラ語との危険な「関係」にサヨナラする!』では、綴り字と音の関係を中心に、リエゾンの正しい発音についてお勉強しました。よ~し、理屈はわかったぞ! 早速リエゾンにチャレンジ! という気持ちはよくわかるのですが、正しいリエゾンのためには、覚えておかなければならないいくつかの規則があります。

今回は、リエゾン必須箇所・禁止箇所についてご紹介いたしましょう。
 
<目次>
 

Point 1:主語代名詞と動詞の組み合わせ

miano
リエゾンと綴り字の規則を覚えれば鬼に金棒!
それでは、まず最初に必ずリエゾンしなければならない箇所について代表的なものを覚えていきましょう。

le pronom sujet(主語代名詞)とは、大雑把に言えば、主語となる名詞の代わりに用いられるje(ジュ/私), tu(テュ/君),il(イル/彼・それ), elle(エル/彼女・それ), nous(ヌ/私たち), vous(あなた・あなたたち), ils(イル/彼ら・それら), elles(エル/彼女ら・それら)などの語こと。

こうしたle pronom sujetの後に母音ではじまるverbe(ヴェルブ/動詞)がくるときは、必ずリエゾンされます。動詞avoir(アヴワール/持っている)のNous avons(ヌザヴォン)、Vous avez(ヴザベ)などの例はフランス語が苦手な方でもそのまま音を覚えているのでは。ただし、Thomas a(トマは持っている)という風に、主語が代名詞でない場合はリエゾンしてはいけません。

ちなみにelle est allée(エレタレ/彼女は行った)などの複合過去の場合も、忘れやすいですが、基本はリエゾンしますのでお忘れなく!
 

Point 2:名詞と形容詞の組み合わせは語順に注意しよう

arbre
一本の大きな木は「アン グランタルブル」
それでは、ここでちょっとリエゾンの基本に戻ってみましょう。もともとリエゾンというのは、フランス語で「関係」を意味するように、いわば、文中の語と語が離れがたい濃~い関係を保つために手をつなぎ愛情を確かめているようなものです。

ですから、article(アルティクル/冠詞)や、mon, ma, mes(モン,マ,メ/私の)などのadjectif possesif(アドジェクティフ ポセッシフ/所有形容詞)といったdéterminant(デテルミナン/限定辞)のうしろにnom(ノン/名詞)が続く場合に必ずリエゾンがおこるのは当然といってもいいでしょう。

さらに、このdéterminant + nomの蜜月関係は、その間にadjectif(アドジェクティフ/形容詞)が割り込んできたところでゆるぎません。adjectif + nomのリエゾン方法に関しては、記事『フラ語との危険な「関係」にサヨナラする!』でun grand arbre(アン グランルブル/一本の大きな木)のような例を詳しくあげていますので、そちらをご確認ください。

ところでこうした理屈にのっとってリエゾンを考えていくと、たいていの場合はリエゾンの有無の予測はたつのですが、一つ間違いやすい例がありますので覚えておきましょう。

それは、un nom au singulier + un adjectif(単数名詞+形容詞)の場合です。先ほどのgrand(大きな)+ arbre(木)の例とは反対に、フランス語でのadjectifとnomの語順は、最初にnomがきて、後ろにadjectif がくるものがほとんどです。例えばprix intéressant(プリ アンテレサン/お買得価格)のように、単数名詞+形容詞の場合にはリエゾンされないという決まりがありますのでご注意くださいね!
 

Point 3:初心者の間違い続出!et の後はご用心

couple
結びつきの強い語が手をつないでいるようなイメージがリエゾン
un nom au singulier + un adjectif(単数名詞+形容詞)の例のように、リエゾンしてはならない箇所についても決まりがあります。その中でも、多くの間違いが確認されるのがaprès et(etの後)。これは、なんとなくリエゾンの癖をつかみかけてきた初心者の方に多くみられる間違いの一つです。

英語のandにあたるフランス語のet(エ)の後は、決してリエゾンされません。例えば、un stylo et /un livre の読みは、(アン スティロ エ アン リーヴル/一本のペンと一冊の本)。「エタンリーヴル」としてしまうのは間違いですので注意しておきましょう。
 

正解できる? リエゾンクイズ

さてこれまでご紹介してきたリエゾンの規則は、最低限覚えておいてほしいもので、実のところリエゾンにはまだまだ多くの規則が存在します。フランス語でのリエゾン箇所は年々減少しており、あまり神経質になる必要はありませんが、最後に補足としてリエゾン豆知識クイズをお届けしましょう。次の語が、リエゾンするかしないか考えてみてください。正解はこちら。

1. nuit et jour(日夜)
2. les héros (英雄たち), les hommes(男たち)
3. en Italie (イタリアで)
4. très intéressant(とても興味深い)
5. le six avril(4月6日), les onze enfants(11人の子供)

1.成句はリエゾンする。

miano
シャンソンで自然に覚えよう!
1の正解は、nuit et jour(ニュイテ ジュール)でリエゾンする。locutions figées(ロキュシオン フィジェ/成句)やmots composés(モ コンポゼ/合成語)はリエゾンするのが基本です。
 

2.有音のhの前はリエゾンしない。

2の正解は、les héros (レ エロ)はリエゾンしない。les hommes(レゾム)はリエゾン「する」です。フランス語のhには、h muet(アッシュ ミュエ/無音のh)と h aspiré(アッシュ アスピレ/有音のh)があり、多くはh muetですが、h aspiréの場合にはリエゾンします。この場合、hérosはh aspiré、hommesはh muetの単語。辞書で有音か無音か調べることができますので、単語検索の際に参考にしてください。
 

3.前置詞+(代)名詞はリエゾンする。

3の正解は、en Italie (アニタリ)でリエゾン「する」です。préposition(プレポジシオン/前置詞) + nom(名詞)=「リエゾンあり」と覚えましょう。
 

4.副詞+形容詞はリエゾンする。

4の正解は、très intéressant(トレザンテレサン)。こちらもリエゾン「する」です。このadverbe(アドヴェルブ/副詞)+ adjectif(アドジェクティフ/形容詞)のパターンは語の結びつきの強さからいってもわかりやすいですね。
 

5.日付け、「11」の前ではリエゾンしない。

こちらは、ちょっと難しい問題ですが、日付け・onze(オンズ/11)の前はどちらもリエゾン「しない」が原則です。

ややこしいですが、これらの規則を覚えてしまえばほぼ完璧! 余裕ができたら、少しずつチャレンジしてみてください。

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