古くは和歌、現代では携帯メール。秘めたる想いを伝える手段は変われど、相手を思う恋心は時間や場所を超えても変わるものではありません。熱烈な書簡集で有名な「アベラールとエロイーズ」の例を挙げるまでもなく、フランスといえば恋愛の国。まずはカード派のあなたのために、Yahoo! FranceのCarte de voeuxのページで使われている表現を参考に、フランス語での愛の告白パターンを探ってみましょう。

<目次>  

鈍感な彼でも大丈夫!古典的かつストレートに愛を表現

フランス語で告白!例文から告白の言葉・表現を考える

バレンタインメッセージには欠かせないハートマーク

フランス語で「愛しています」というのは、Je t'aime.(ジュテム)。日本でもボンジュール・メルシーに次いで有名なフランス語ではないでしょうか。

「私」を意味するJe、直接目的語のte「君を」、そして「愛する」という意味のaimerが活用され組み合わされることで、I love youの意味になります。最もシンプルに愛を告白するなら、これでOK。フランス語カードの中でも、頻繁にお見受けする表現です。

もう少し愛を強調したいなら、Je t'aime du fond de mon cœur... (心から愛しています)といきましょう。fond (フォン)は「奥」あるいは「底」という意味の単語です。また、cœur(クール)は「心臓」や「心」を意味します。ハートマークもこの単語ですので覚えておきましょう。mon(モン)は、英語のmyにあたる所有代名詞で、男性名詞、母音の前でこの形になります。

また、penser à(パンセ ア/~のことを考える)というのを使って、Je pense à toi... (あなたのことを想っています)という表現も人気です。

「あなたがいないと生きて行けない」という方は dur (デュール/辛い)という形容詞を使って、C'est dur sans toi.(あなたがいないと辛いわ)というのはいかがでしょうか?

sans(サン)は英語のwithoutと同じような使い方をする「~なしで」という意味を表す前置詞です。先ほどのpenser àの「à」も前置詞ですが、このような前置詞の後ろでは、「君」を意味するのにフランス語ではtoi(トワ)を使います。
 

ハートマークをフル活用!アイデア告白パターン

真っ赤に輝くハートマーク。これだけでも愛を伝えるには充分という気がしますが、その横にこんなメッセージがあると、思わずウマイ!と唸ってしまいます。

Mon cœur ne bat que pour toi ! 
(私の心臓は、あなたのためだけに動いています。)

ne … que ~(ヌ…ク~)は「~しか…しない」というフランス語の否定を表す表現です。ここでは、battre(バトル/打つ)という動詞が活用し、 batとなっています。直訳すれば「私の心臓はあなたのためにしか動かない」という意味。pour(プール/~のための)も前置詞ですから、やはりtoiが使われています。

また、両手を大きく広げたハートの絵とともに、Je t'aime fort comme ça ! (こんなにも愛してるわ)と記されたカードもありましたが、これなんかもなかなかウィットに富んでいる表現ですね。ここで使われている fort(フォール)は「強く」を意味する副詞。

comme ça(コム サ)というのは「これくらい」という程度を表す表現で、普通はジェスチャーと一緒に使います。例えば、お店で量り売りのチョコレートなどを買いたいときに、comme çaといいながら、ほしい分量を手であらわしましょう。旅行会話でとても役立つ表現ですので要暗記ですよ。
 

ネット好きな彼には、こう攻める!

インターネットで知り合った、あるいはメル友である彼への告白を考えているあなたは、このような表現で想いの深さをアピールするのもいいでしょう。

Mon amour pour toi est plus vaste qu'internet.
(私のあなたへの愛はインターネットより大きいわ)

amour(アムール)は「愛」を意味する名詞。 vaste(ヴァスト)は「広大な」という意味の形容詞。フランス語の優等比較は、 plus que(プリュ ク)で形容詞をはさみます。

さらに、URLアドレスに告白させるというなかなかオシャレな技も人気のようです。カードに添えられた www. Je t'aime.Net というメッセージには、先にみたJe t'aimeが隠れておりますが、照れ屋のあなたには、これまでのメッセージをwww.あるいはhttp://の後に続けて書いてみるのはいかがでしょうか?ただし、メッセージに気付かず、該当ページがないと文句を言うような鈍感な男性には不向きですのでご注意を。
 

フランス文学作品から告白の言葉・名文を拝借しよう!

harry
愛に関する言葉もたくさん見つかる『Le petit prince』
愛について書かれた文章は、フランス文学の中には嫌というほどあふれておりますので、辞書をひきながらお好きなフレーズを、例えばこんなページで探してみてはいかがでしょうか?またこちらのページでは、「愛」や「結婚」に関する 123もの引用をみることができます。

ただし、フランス文学の愛に関する名言の中には「永遠の恋愛」否定系、「失恋」嘆き系、ただの「エロチック」系、さらに「結婚」となると罵詈雑言系?がひしめいております(だからこそおもしろい!?)ので、選択にはお気をつけください。

とりあえず、無難なところで、『星の王子様』で大人気のAntoine DE SAINT-EXUPÉRY (サンテクジュペリ)のこんな文章をご紹介しましょう。

Aimer, ce n'est pas se regarder l'un l'autre, c'est regarder ensemble dans la même direction.
「愛するというのは互いに見つめあうことではなく、一緒に同じ方向を見ることである。」

この文章には動詞の不定法(元の形)が3つでてきていますので、確認しておきましょう。まずは、最初にみた「愛する」という意味のaimer、そして、「見る」を意味する regarder(ルガルデ)、さらに、このregardrに se(ス)という再帰代名詞がくっついた形の se regarder(ス ルガルデ)。ここでは、このseが相互的な用法を表しますから、「お互いに~する」つまり、「互いに見つめあう」という訳になります。

このフレーズ、「見つめあうこと」を重視するであろうカルメン系の女性には向きませんが、そろそろ結婚へ踏み出したい大和撫子にはピッタリかもしれませんね。

それでは、フランス文学ばりの恋愛を夢見る情熱的なあなたのために、フランスの女性に関心の高いテーマを扱っているfemmes aujourd’hui.comのサイトより、女性から男性に送る恋文の書き方の要点をピックアップして、伝授いたしましょう。
 

書く前の準備にもしっかりとこだわる

まずは、書くための紙にもこだわりをみせましょう。 rose(ローズ/バラ)や cupidon (キュピドン/キューピット)のふち飾りはいりません。厚めの紙がいいそうです。理由は、Le destinataire va certainement garder cette lettre très longtemps. (受け取った相手がその手紙を長い間保存しておくだろう)から。

ここで、ちょっと郵便関係の単語をお勉強しておきましょう。destinataire(デスティナテール)とは、「受取人」の意味。ちなみに「差出人」のことは、expéditeur(エクスペディテール)といいます。郵便小包を送るときなどに覚えておくと、どこに自分の名前を書けばいいかがわかりますよね。またフランス語で「手紙」は、 lettre(レットル)。英語と似ていますが、語尾が違いますのでご注意を。

それでは、あなたの前にune de photo de lui (彼の写真)を置き、気分をもりあげて次の作業に写りましょう。
 

自分自身に問いかける3つの質問。

あなたのハートは何色?自分自身の恋愛感情について知ることが大切。

あなたのハートは何色?自分自身の恋愛感情について知ることが大切。

1. Quelle est sa plus grande qualité?
(彼の一番の長所は何ですか?)
2. Quel est votre plus beau souvenir ensemble?
(共通の一番美しい思い出は何ですか?)
3. Comment le monde a-t-il changé depuis que vous êtes ensemble?
(二人が一緒になることで、世界はどんな風に変わるでしょう?)

ここでは、フランス語の疑問文でよく使われる言葉を覚えてください。1番と2番の問いで使われているquelle(ケル)と、quel(ケル)は、両方とも同じ疑問形容詞で、「何の/どんな」という意味を表します。

フランス語の形容詞と同様に、この疑問形容詞も修飾する名詞の性・数によって形が変わります。つまり、ここでは、qualité(カリテ/質)が女性名詞であるがためにquelleが、また、souvenir(スヴニール)/思い出)は男性名詞ですのでquelが使われています。

また、3番目の質問で使われているComment(コマン)は、英語のHowだと思ってもらえばいいでしょう。日本でも有名な、「コマン タレ ヴ」というフランス語は、Comment allez- vous ?(お元気ですか?)と書きますが、その、「コマン」ですのでこの機会に覚えておくといいですね。

さて、それでは、内容に戻ることとしましょう。

1番最初の、彼の長所、特に彼自身も気付いていない長所を考えてみることは、自分自身のあやふやな気持ちをはっきりとさせる効果があります。"Je n'ai rencontré personne aussi ___ que toi."(あなたほど~な人には会ったことがない)。この「~」の部分が書けないと、彼レベルの人間は巷にあふれているということになりますので、告白自体を思い直しましょう。

2番めに、二人で共有した時間の素晴らしさを伝えて、彼に共感させましょう。これは、日常のちょっとしたこと、「落とした本をあなたが拾ってくれた」みたいなものでもかまいませんが、あまりにもささいなことだとストーカー風の思い込みになりますので、いろいろ考えてみるといいですね。

最後は、二人が結ばれればこんな風に変わるだろうという未来の憶測をきちんと伝えましょう。明るい未来が予測できないようであれば、やはり思い直しの必要あり?
 

恋文だからといって、ロマンチックにこだわらない。

手紙の最後にJe t'aime.(愛しています。)のフレーズは必要かもしれませんが、こんな風にフランス風の恋文の書き方をみてみると、なんだか面接の際の自己PRとかわりませんよね。彼が~な人だと述べた後、その証拠を思い出のなかから集め、未来へ思いをはせるなんていう手法もフランス語での論文の書き方基本編といった感じです。かなり知的な作業かも。

そう考えてみれば、要は自分という存在と関係しているとこんなにお得!!みたいなアピールのお手紙なんですね、ラブレターって。これなら、歯の浮いたようなセリフが苦手な方でも書けそうです。求人応募のつもりで、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

「今回はご縁がなかったということで……。」(そう考えれば、なかなか的を射た表現に思えます。)ということになっても、記事『フランス人に学ぶ失恋の愉しみ方』を読んで、次の機会を探しましょう。

ということで、今回はおフランス発の愛の告白状況を探ってみました。ぐしゃぐしゃの紙に「愛してる」とだけ100回書いたラブレターを書きたい!というのが恋愛中の精神状態ではありますが、甘さはチョコレートにおまかせして、バレンタインデーをきっかけに自分自身の恋愛を知的に見直してみるのもいいかもしれませんね。

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