恋愛上級者が多いというイメージのフランス人ではありますが、若者の自殺の理由としても「失恋」は常に上位にあがるくらいですから、「失恋」で被る心の傷付き度数はひょっとしたら私たちより上かもしれません。とはいえ、フランス文化の世界をのぞいてみると、「失恋」でさえもなんだかオシャレ。
Balzac曰く、「L'amour n'est pas seulement un sentiment, il est un art aussi. 」(愛は単なる感情ではない、アートでもあるのだ『La recherche de l'absolu』)。
今回は、そんなわけで、おフランス発「アート」な失恋を愉しんでみることといたしましょう。

さえない男の、sexyな悲恋歌で女王様気分を味わう!

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「失恋」を歌わせたら右に出るものはいない Charles Aznavour
文学や芸術というアーティスティックな世界を垣間みるとき、フランスにおける「失恋」とは、ひょっとしたら男の特権ではないか!?という錯覚にさえ陥ります。

中世におけるtroubadour(トゥルバド-ル/吟遊詩人)の時代から、崇められるのは常に女性。フランスの名立たる文豪の作品をひも解いてみれば、恋に心を掻き乱される男たちの苦悩を簡単に目にすることができるでしょう。そして現代に生きるtroubadourといえば、やはりCharles Aznavour(シャルル アズナヴール)であります。

ボサボサまゆげに薄い髪、低身長でかなりの高齢。そんな風貌で、女に捨てられた男の未練タラタラ嘆き節を高らかに歌いあげる冴えない男。じとっと潤んだ眼差しも、本来ならば「うっとおしい!!」となるはずなのですが……。なぜか彼の歌う姿も歌声もえらく艶っぽくかっこいい!「雨にぬれている子犬」を連想させるせつない忠実モードで、スウィングしながら女心をくすぐる術をしっかり心得ている失恋アートの達人です。

2007年2月に「最後の日本公演」が決定しているAznavour。あなたが男性であれば「モテない男がモテる術」を会得するために、あなたが女性であれば崇められる「女王様」気分にひたるためにも、足を運んでみるのもいいかもしれません。きっと、「失恋」したくなること間違いなしです。

次ページでは、フランスインテリ女性にみる失恋アートをお届けします。