フランス語学習者に「フランス語のどこが難しい?」と質問すると必ず返ってくる答えの一つにあげられるのが、動詞の活用。教科書や辞書の最後に載っている動詞活用の一覧表を見て、ある70代の男性は「こんなもの覚えていたら僕の寿命が終わってしまう!」と嘆いておられました。

たとえ20代であっても、同じようにフランス語の活用表を眺めながら、ため息をつかれた方は多いと思います。今回は、寿命がつきる前に、フランス語動詞の基本的(邪道?)な覚え方をマスターして、フランス語動詞制覇への第一歩を一緒に踏み出してみましょう。

絶対にやってはならない覚え方

commentlire
やみくもな暗記は失敗をまねく!
まず最初に、私自身の経験をふまえて「動詞の活用を覚えるときに、この覚え方だけは絶対にしないで!」というご忠告からさせていただきたいと思います。大学入学後、はじめてフランス語というものに接した私は、試験にむけてがむしゃらにフランス語動詞の活用を暗記しておりました。

結果、ペーパーテストでは満点。その反面、フランス人教師の授業では、なるべくさされないようにうつむいておくという習性が身についてしまいました。さて、どうしてでしょうか?

それは、フランス語動詞の活用を自分に覚えやすいような読み方に変えて暗記してしまったからです。よく英語を学びたての中学生が、Wednesday(水曜日)と覚えるために「ウェッドネスデイ」などとやっておりますが、こうした暗記方法をフランス語の動詞活用の暗記に応用してしまうと後々かなり困った状況になってしまいます。

それでは、フランス語の動詞の中で最も数の多い第一群規則動詞(語尾が-erで終わる動詞の活用を例に、もう少し具体的に間違いのパターンをみてみましょう。

「イルス パルレント」って何語?

harry
フランス語学習者のバイブル?!『フラ語動詞こんなにわかっていいかしら?』
Parler(パル/話す)
Je (私)parle (ジュ パル)
Tu (君)parles(チュ パル
Il(彼)parle(イル パル
Elle(彼女) parle(エル パル
Nous (私たち)parlons(ヌ パルロン
Vous(あなた/あなたたち) parlez(ヴ パル
Ils (彼ら)parlent(イル パル
Elles (彼女ら)parlent(エル パル

太字の部分に注目してください。フランス語の第一群規則動詞の活用は単純で、動詞の元の形である不定法(この場合はParler)の-erをとって、主語にあわせて-e, -es, -e, -e, -ons, -ez,-ent,-entと語尾を変化させます。失敗は、この変化を覚えるために、「エ、エス、エ、エ、オンス、エズ、エント、エント」などと勝手な読みをつくって覚えてしまったとことが大きな原因です。

つまり、間違いで言うと、Je parle(私は話す)「ジュ パルル」という発音は「ジュ パルレ」、Tu parles(君は話す)「チュ パルル」は「チュ パルレス」、Ils parlent(彼らは話す)「イル パルル」は「イルス パルレント」。これで、書きはバッチリです。しかし、会話となるととんでもないことになってしまいました。

私の周りにも数人、こういう覚え方をしていたのがおりましたが、全員、フランス語会話の落ちこぼれであったことは言う間でもありません。これは読みを覚えるための発音だと頭ではわかっていても、実際の会話で必ず一瞬この発音が頭をよぎってしまうのです。

フランス語の第一群規則動詞の発音の変化は、記事「ボンジュール! フランス語、学問のススメ」ですでに述べたように、3種類。これは、本当に重要な事実なのですが、私がそのあたりまえの事実に気付いたのはずいぶんと後になってからのことで、直すのにとんでもない時間を浪費してしまいました。

とはいえ、失敗だけを嘆いていてもしかたがありません。次のページで、効率的にフランス語の動詞を覚える方法についてお話しましょう。