最高の肉質のものだけが三梨牛になる A-5等級、 B.M.S No.9の高品質肉 皆さんは、牛肉の肉質等級というのをご存知でしょうか。ちょっと難しい話になりますが、肉質等級とは、「脂肪交雑」、「肉の色沢」、「肉の締り及びきめ」、「脂肪の色沢と質」の4項目をそれぞれ、1~5の等級(5が最高)で評価して付けられる、全国で統一された牛肉の格付けなのです。 この格付けの面白いところは、4項目のうち、もっとも低い等級が肉全体の等級になってしまうところ。具体的に言いますと、仮に「脂肪交雑」、「肉の色沢」、「肉の締り及びきめ」の3項目が、最高品質の5だったとしても、「脂肪の色沢と質」が4だったら、その肉のトータル的な等級は4になってしまうのです。 今回の牛肉はもちろん最高品質の5です。つまり、すべての項目で最高の評価を得た牛肉だということですね。 この三梨牛はすべての肉が最高の5か4の評価を得ています。それ以下の肉は三梨牛と呼べないことになっているのです。言い換えれば、『三梨牛』として売られているものは、すべてが非常に高い水準の肉だということになります(ちなみに私の住む新潟の誇る村上牛もすべて5か4の評価です)。 さて、消費者にはそれほど関係がないのですが、牛肉の等級にはほかにも歩留(ぶどまり)等級というのがあって、これは1頭の牛から取れる肉の量を、A>B>Cの三段階で表しています。この二つの等級を組み合わせて、普通、A-5の牛肉とかB-3の牛肉、という言い方をします。 この評価で言うと、A-5、A-4、B-5、B-4のものだけを三梨牛と呼ぶことができます。 今回入手したのは、A-5の肉、つまり一番質の高い肉でした。 ちなみに、後藤さんが出荷する牛は、8割がA-5かA-4。これは本当にすごいことです。もはや伝説の畜産農家と呼んでもいいのではないでしょうか。 きめ細かい霜降りの具合も最高 もうひとつ、牛肉の品質を表す基準として、B.M.S(牛脂肪交雑基準)というのがあります。これは、赤身の肉にどれだけサシが入っているか、つまり、霜降り度の基準です。 これは12段階の評価で、No.12が最高。No.12の牛は、コンテストでチャンピオンになるレベルの牛で、めったに流通しないものです。ちなみにNo.12の肉などは、脂が濃厚で、一切れでお腹がいっぱいになるほどだとか。もちろん、私は食べたことはありませんが…。 今回の肉は、B.M.S No.9でした。これも流通している牛肉では最高レベルと言ってよいと思います。B.M.S No.6以下のものは三梨牛と呼ぶことはできません。 ただし私の賞味した素晴らしい肉も後藤さんによれば「まだまだ」だそう。後藤さんが納得する肉とはいったいどんなものなのか、想像すらできません…。 >さて、いよいよこのお肉を食します。前のページへ123次のページへ