防犯/防犯関連情報

“通り魔”から身を守る!毎日がサバイバル(3ページ目)

相次ぐ通り魔事件。いつ、どこで、誰に襲撃されるか分からないという恐怖。予測不能な凶行に脅える日々に終わりはあるのか? 何よりも自分という命を守るためのサバイバルの極意をお伝えします。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

イヤホン・携帯電話は厳禁!

駅構内でも起こりうる凶行
駅構内でも起こりうる凶行
となれば、音楽を聴くために「イヤホン」をしていたり、携帯電話で通話していたり、という状態では「耳からの情報」を自分で遮断していることになりますから、大変危険です。たとえば、人混みの中で何らかの事態が発生して騒ぎになって、皆がそちらを見ているのにイヤホンをしていて気づかずにいたら、他の人たちより事態を把握するのが遅れます。また、携帯電話で話すのに夢中になっていたら、周りの音は聞こえないものです。

聞こえているつもりにはなっていても、電話に集中していたら聞こえていないのです。たとえば、雑踏の中で内緒話をするとき、相手の口元に耳を寄せて精神を集中するからこそ、ヒソヒソ話でも聞き取ることができますが、このとき、周囲のざわめきは意識の中にはありません。全神経が相手の言うことを聞こうと集中しているからです。携帯電話で話すときは自分の声は大きくなりがちで、相手の言うことは一生懸命聞こうとしています。つまり、自分の現在地点での周囲の状況を意識していない状態になっているのです。

また、視線を下げて路面しか見ていないようでは周囲の状況はわかりません。姿勢をよくして顔をしゃんと上げるというだけで、少なくとも自分の前方を見て状況を知ることができるのです。さらに「ときおり振り返る」という動作をプラスすることによって、「自分の周囲360度の安全確認」が可能になります。自分の目からの情報が一番確かなはずで、情報を得てから次の行動に移る際のタイムラグも最小で済みます。

1分1秒を争うときに事態を把握するのが数秒遅れたら、あるいは危険が目の前に迫るまで分からずにいたら、避難することすらあやうくなってしまうでしょう。とにもかくにも、自宅を一歩外に出たらそこは何が起きてもおかしくない空間であるということを認識して、常に周囲の状況を把握し、いつでもすぐにその場から逃げられるよう、すみやかに避難行動がとれるような体勢をとっておくことです。

場合によるとそのとき持っているバッグや傘などの携行品で応戦する必要もあるかもしれません。雨降りでなくても傘を携行したり、大きめ、硬めのバッグを持ったり、上着を一枚羽織ったりという対策を普段からしておくといいでしょう。平成20年6月22日大阪の駅構内で発生した3人の女性が女の通り魔に刃物で刺された事件は、露出した腕を狙ったものだとされています。肌を露出することは極力避けたほうがいいでしょう。上着一枚でも、肌への直接の被害を小さくすることができるのです。

車やバイクなどの車両もそうですが、人間にとっての天敵は、あるいは人間であることが多いものです。襲撃を受けないために、自分自身のそのときの状況を把握しておき、すぐに安全な場所に逃げられるように、常に臨戦態勢とでもいうべき状態でいること、すくなくとも意識だけは持っておくべきだといえます。「通り魔」などの突然の襲撃に備えること、つまり自分の身を守るには、こうした意識を持つことが予期せぬ危険に対する唯一の極意だといえます。


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