酷暑の今年、不景気も続いており、人々の顔には疲れといらだちが見えるようです。都会の喧噪の中で一瞬のすきを「プチ通り魔」が襲います。すれ違いざまに人の身体を触る「痴漢」もそうですが、いきなり人の頭を殴ったり、わざとぶつかったりするのも悪質な行為です。拙著『ヘンな人、危ない人から身を守る-知的護身術のすすめ』並木書房でも、「げんこつおじさん」「ヒジテツ男」などの実例をあげていますが、今回は「当たり屋おじさん」のケースを紹介します。


すれ違いの一瞬に!

OLのE子さんは、都心のビジネス街を歩いていました。午後4時頃で、人通りも増えてきた時間帯です。駅に向かう人の流れに逆らって、仕事の待ち合わせ場所に急いでいました。目的の場所の数メートル手前で、左手に会社員風の二人の男性が立ち話をしており、前方から歩いてくる60代と思われる男性との間をすり抜けて、左側の喫茶店に入ろうとしました。

身体は当然左方面に斜めに進もうとしたのです。すると前から来る男性は、普通ならE子さんの右後方に向かって避けて歩いて行くものです。そうすればちゃんとすれ違って、問題はないはずです。ところがっ!その男性は、迷うこともなくまっすぐ歩いてきて、E子さんに体当たりをしてきたのです。そればかりか、E子さんのスカートの脚の間に自分の脚を無理矢理入れて、E子さんを倒そうとしたのです。

一瞬の出来事に驚いて倒れそうになりながら、なんとか態勢を取り戻したE子さんは、振り向きざまに「何するのよ!」と大声をあげました。しかし、その男は雑踏にまぎれて、素知らぬふりをして駅の方向へと歩いて行ってしまいました。立ち話をしていた二人の男性は、女性の突然の声に驚いて、何があったのかとキョロキョロしましたが、何のことだかまるで分からない様子でした。

もし、E子さんのことが見えなかったのだとしても、普通、他人に身体ごとぶつかったら、「失礼!」とか、「あ、すみません」と言うものです。しかし、その男は何もなかったかのように、堂々と歩いて行きました。このことから、男のその「女性に体当たりする」行為は、わかっていてやったこと、つまり確信犯であるということが分かります。

そして、その男は生まれて初めてそんなことをしたのでしょうか? いいえ、迷いもなくぶつかっていった様子から、何度もそれをやってきている、常習犯であると断定出来るでしょう。おそらくスカート姿の女性とすれ違う時には、必ず「体当たり」をして、身体ごとぶつかって、相手にダメージを与えているのです。運が悪ければぶつかられた女性は転倒してしまうところです。


>>>迷惑以上、逮捕未満!?>>>