防犯/防犯関連情報

偽造通貨はこれだけ発見されている!(2ページ目)

たびたび報道される“偽札”事件。年間通してどれだけの枚数が発見されているのでしょうか? 警察庁発表の最新データとそこから読み取れるポイントを解説します。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

データから読み取る偽札をつかまされないための注意点

偽造通貨を発見せよ!
偽造通貨を発見せよ!
■1万円券:平成19年に発見された偽造1万円券は偽造1千円券の4.22倍あります。しかし、平成18年と比べると1万円券と1千円券の発見枚数の約21%と、1/5に減ってきてはいるものの、旧1万円券の割合は約62.26%と6割強がいまだに古い1万円札であるということです。これは同じく発見された偽造1千円券7,851枚のうち、新券が7,317枚で93.20%、旧券が534枚で6.80%という数字に比べると、かなり旧券の割合が高いことが分かります。

銀行のATMなどで現金を引き出す際には、ほとんどが新券ですから、自宅に保管していた旧1万円札を使うとき以外は、自分が手にする機会は一般の人は少なくなっているでしょう。お店などで、1万円札を受け取る機会が多い場合は、売上の中に何枚か旧1万円札が混ざっていることがあるかもしれません。1万円札については旧券の偽造紙幣の率が高いことから、商店などの1万円札を受け取る機会の多い場所においては、とりわけ旧1万円券への注意が必要となります。

■1千円券ほか:発見された偽造1千円券は前年平成18年の736枚に比べて10倍以上の増加となっています。また、発見枚数は7,851枚と、偽造1万円券1,860枚の4.2倍以上、総発見枚数の約80%となっています。つまり、偽造1万円券をつかまされてしまう4.2倍以上、偽造1千円券をつかまされてしまう危険があるといえます。また、新1千円券は旧1千円券の14.7倍、約15倍で偽札のおそれがあるということになります。

これも、やはり1千円券を受け取る機会の多い人ほど、注意警戒が必要だといえます。一般の人も、お店の人が気づかないまま偽札を釣り銭として渡してくるという可能性がないわけではありません。この場合、ほとんどが1千円券となりますので、一般の人は、1千円券の偽札をつかまされないように、日頃から銀行のATM等以外で受け取る1千円券については、注意するといいでしょう。

5千円券、2千円券については発見枚数も少なく、流通している枚数や、財布の中に入っている枚数、受け取る機会の頻度を考えると、1万円券や1千円券ほどの注意は必要なさそうですが、発見枚数はゼロではないので、それなりの注意は必要です。

これらの数字はあくまでも統計からの数値であり、倍数などは単純に算出しただけのものです。結果からの逆算的な警戒への数値として認識していただければと思います。

特に、現金を取り扱う職種の人は、一般の人よりも偽札を受け取る機会が多いのですから、職場で偽札への警戒情報を出して、従業員の一人一人が偽札に敏感になるように心がけましょう。また、両替機や自動販売機を設置している場合は、特に500円硬貨などに警戒し、機械の信頼性に頼るだけでなく定期的な点検や見張りを怠らないようにしましょう。

1千円券を触ってチェック!
1千円券を触ってチェック!
◎偽札への注意点
 ■旧1万円券は、新1万円券より注意が必要

 ■新1千円券は、1万円券より注意が必要

 ■一般の人は、特に新1千円券に注意が必要


  • 偽札の見分け方については、こちらをご覧ください。目で見て、触って感触の違いに気づくこと、そして透かしを確認する習慣をつけましょう。

    また、海外では偽札が横行している国や地域もあるため、渡航前に外務省 海外安全ホームページなどで情報を得て、現地では正規の両替店を利用するなどして、偽札をつかまされないように警戒しましょう。

    ■法律ワンポイントチェック
    刑法第148条(通貨偽造及び行使等)
    [1]偽札を使う目的で、通用する貨幣、紙幣または銀行券を偽造したり、または変造した者は、無期または3年以上の懲役に処されます。
    [2]偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を使ったり、又は使う目的で人に渡したり、若しくは輸入した者も、無期または3年以上の懲役に処されます。 (詳しい法律はこちらをご覧下さい)

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