情報はこちらからは言わない

「電話応対はバッチリよ」
「電話応対はバッチリよ」

【ケース2】
「あのー、そちらのあの営業の責任者の方、お名前なんていいましたっけ」
「は? 責任者といいますと」
「いや、先日お話ししたんだけど、お名前を失念しまして。ちょっとお名前を言ってもらえませんか」
「恐れ入ります。責任者と申しましても、担当により違いますけれども」
「えーと、じゃあ、とにかく営業の一番偉い人の名前を教えてくださいよ」

どうもあやしい物言いをするので不審に思いました。
「失礼ですが、もう一度会社名とお名前をおっしゃっていただけますでしょうか」
「××商事の△△です」
「申し訳ございません。担当の名前がわかりませんとお取次ぎできかねます。もしよろしければお電話番号とご用件を伺って、社内で確認しまして折り返しお電話いたしますが」
「あー、いや今、会社にいないので。外なんですよ」
「では、携帯電話のほうにご連絡を差し上げますが」
「いえ、えー、ではいいです」ガチャ☆
「なに~、この人!?」

結局、この電話をかけてきた人物の目的は、電話をかけてきた本人に確かめる以外にはわかりませんが、「営業の責任者=一番偉い人の名前」を知りたかった、ということのようです。前ページ【ケース1】では名前を教えてしまい、その直後に電話を一方的に切られています。【ケース2】の女性は、何も具体的なことは伝えずに通話を終えています。

このように、名前という個人情報を教えてしまい、知られてしまったことから、何かよくないことが起きる可能性があるかもしれません。たとえば、セールスの電話や悪質商法の一種である「資格商法」の電話が直接当人にかかってくるようになったりして、業務に差し支えるというだけでも大きなマイナスです。

もちろん、取り次ぐときには、どこの誰からとは伝えるでしょうが、取り次がれるほうも困ります。「ええ? どこの誰だって? 聞いたことない会社だし知らない人だよ。もう一度、用件を聞いておいて」「なんだよ。セールスの電話じゃないか」というだけでも時間の無駄ですし、仕事を中断されて集中力が途切れてしまいます。忙しい上司や同僚に余計な手間をかけさせないように、電話を受けた人はできるだけ相手の情報を得てから取り次ぎましょう。

電話を受けた人がよかれと思って、誰かの連絡先を聞かれて教えるなども問題です。たとえば、下請けをしている人とか仕事を頼んでいる人のことを聞かれて、疑いもなく伝えてしまうようなことでは困るわけです。こんな受け答えをしているケースは意外とありがちかもしれません。→次ページへ


  • →「安全は ひと手間かける 心がけ」/あなたの一票/関連ガイド記事……p.3