奇妙な三角関係
駅まで送ってもらったサヤカは帰宅後、さっそくサトシにメールを送った。
―サトシ~、マエカワさんに会ってきたよ~。ムフフ。それがねー、やっぱり大人の男って感じ。やさしくて。もう全然、元彼なんかと違った~(*^、^*)ポッ
―それで? それから? 肝心のことを教えてくれよ。
―えー? ハズカシー。でも約束だものね。でも、サトシの言ったとおりだったよ。色々ネ。で、部屋に入ってから…アノネ…(/^o(・・*)
サトシからうながされて答えていく部分も多かったが、気がつくとサヤカは信じられないほど大胆なことを書いていた。しかし、メールで書くこと、人に「告白すること」にある種の快感も覚えたのだった。何度かマエカワさんと会ううちに、ますます「サトシへの報告」は熱が入っていった。
―それでね、この間はマエカワさんたら、私の写真を撮ってくれたの。 (^ー^* )フフ♪ どんなってムフフ(*・・*) ヒミツ。自分の宝物にするからってデジカメで撮ってくれたの。自分でいうのも何だけど、すごくイイ写真があったのね。そしたら今度、パソコンでプリントしてきてくれるって。記念になるだろうって。私も秘密に持っていたいと思ったから。楽しみ~(((o(ё。ё)o)))ワクワク
―そうか。サヤカはイイ思いをしているんだな。幸せなんだ。いろんな意味で成長したって感じがするし。
―うーん、確かにこういうのって経験しないとわからない幸せかも~(´▽`)♪ それになんか自分がすご~く大人になったって感じ?(^m ^)クスッ
そして、会う度にマエカワさんはちょっとしたプレゼントをくれたり、「お小遣いだよ」と称して1万円をくれた。サヤカには断る理由もなく、17歳にとって1万円という金額はそれなりに使いでがあるので、素直に受け取っていた。
マエカワさんとの関係と、サトシに「告白する」関係は常にそれでワンセットだった。言ってみれば、奇妙な三角関係のようだった。サヤカにとってはかなりテンションの高い状態であり、それはまるで、悪い癖とわかっていながらやめられない魔力のようでもあった。
1ヶ月に1~2度、平均すると3~4週間に1度の割合で、2人の密会は続いた。翌年の4月に10回目に会ってからはサヤカの学校が忙しかったり、マエカワさんの仕事の都合などで会えない日々が続いた。サトシも合格して入った大学が忙しいといってメールも途絶えていた。
次に会えるのはいつになるのか、というサヤカの期待を裏切って、その後、サヤカは二度とマエカワさんに会うことはなくなった。すべてが崩壊するきっかけとなる、衝撃的な事件が発生したのである。
【連載第4回】出会い系サイト~悪癖の発覚 に続く
【連載第1回】出会い系サイト~嘘つきなメール
【連載第2回】出会い系サイト~仕掛けるメール
【連載第3回】出会い系サイト~悪趣味なメール
【連載第4回】出会い系サイト~悪癖の発覚
【連載第5回】出会い系サイト~破滅の連鎖
【連載第6回】出会い系サイト~欲望の終末
■次回記事のUpはメルマガでお知らせします♪ 記事をUp後に配信します。
この機会にぜひ「防犯」メールマガジンをご登録ください。
メールアドレスだけで登録OK! メルマガバックナンバーもご覧頂けます。
ご登録はこちらから♪
関連ガイド記事
「“出会いサイト規制法”施行」「出会い系サイト~少女の誤算」[連載全6回]
「出会い系サイト~男と女の本音」[連載全3回]
「切り裂きジャックの予感」
「暑い夏の寒すぎる出会い」