「若いねー」
と、二ヤリとして感心するように、少女の全身を眺めた。
「じゃ、行こうか」


徒歩で、ホテル街へと向かう。歩きながら男はさりげなく、小さくたたんだ一万円札を差し出した。少女が手のひらでそれを確かめると3万円あった。

「あ、どうも」
うなずくように小さくペコリとして、バッグにしまう。先にお金を支払ってもらったことで、少女は男に従うことになった。お金をもらっただけで逃げてしまう、とか、急に用事を思い出すとか、ごまかしたり、逃げることをしなかった。それだけ素直で単純な女の子だった。

援助交際をする少女に「真面目(マジメ)」という表現は合わないだろうが、「美人局(つつもたせ)」で男からお金を奪うような子たちからすれば、ある意味、真面目な子だといえるだろう。

男からすれば、ホテルの部屋に入る前に「やっぱりやめた」と逃げられないように、先払いにしたのだ。現金を受け取ればビジネスは成立する。あとは対価を支払ってもらうのだ。黙々と自分についてくる少女の背中を押して、ホテルに入っていった。

………………………………………

「9時半までに帰らなくちゃいけないので」
2時間後にホテルを出て、少女は急いで帰るそぶりをした。もう用事は済んだ。これで必要なお金を手に入れた。早く帰らないと家族が心配する。

「そうか。じゃ、タクシーで送るよ」
「いえ、いいです」
「自宅までは行かないよ。近くまで送るから。若い女の子が遅くに出歩いちゃ危ないよ」

その若い女の子にどんなことをしたのか、自分の言葉の矛盾にも気づかず、男はタクシーを止めた。少女は(自宅まではヤバイけど、近くまでなら大丈夫よね。どうせもう二度と会わないし)と思い、

「あ、じゃあ、スミマセン」
男に勧められるまま、タクシーに乗り込んだ。

(近くまで送ってもらえばラクだし、送ってくれるようなやさしい人だから多分大丈夫)と思ったのだ。だが、乗り込んだタクシーの中での会話に、自分と自分の家族にとって恐ろしい出来事に発展する危険性がひそんでいることを、その時点では少女が知る由もなかった。

【連載第2回】出会い系サイト~男の手練に続く。


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【連載第2回】出会い系サイト~男の手練
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