68歳のK子さんは、65歳から週3回・1日6時間のパート勤務に変わりました。現在は1人暮らしです。仕事の時間が減ったことで、暮らし方に対する考え方も大きく変わったといいます。
「もう、毎日そんなに頑張らなくてもいいんじゃないか」と。そう思うようになってから、食事も服も買い物も、できるだけ楽なほうを選ぶようになりました。
今回は、「楽なほう」を選ぶことで、暮らしとお金がどう変わったのか、K子さんの体験をご紹介します。

「こうしなければ」という思い込みを手放した
K子さんは65歳まで週5日、パートで働いていました。その後、勤務を週3日に減らし、時間にゆとりのある生活を送るようになりました。働いている間は、「きちんとしなければ」「こうあるべき」と考えることも多かったそうです。
でも、仕事が減ると、「そこまで頑張らなくてもいいのでは」と思うようになったそうです。
「自分の生活なんだから、もっと楽にしてもいいんじゃないか」と考えたことが、食事や服、買い物の仕方を見直すきっかけになりました。
毎日のメニューを決めると、食費と気持ちに余裕ができた
K子さんは、朝食と昼食のメニューをある程度決めました。
朝食は、ごはんとみそ汁、納豆。昼食は麺類を中心にして、週3日のパート勤務の日はあるものをお弁当に詰めるようにします。
夕食は、「今日は何を作ろう」と毎回悩むのをやめ、旬の手頃な食材を選び、焼く、煮る、炒めるのいずれかで調理します。
料理の内容をある程度固定したことで、買い物も簡単になりました。旬のものを中心に必要な分だけ買うため、「これも安いから買っておこう」と買い込むことも減ったといいます。以前は、冷蔵庫の奥で忘れてしまう食材が月に数品ありましたが、今はほとんどありません。さらに、献立を考えるのが面倒で外食や総菜に頼ることも減りました。
食事を楽にしたことが、食材の無駄や外食費を減らすことにもつながったといいます。
「楽な服」を選ぶと、服を買わなくなった
服についても、考え方が変わりました。
以前は、「季節が変われば1~2枚は新しい服を買おう」と考えていました。働いている間は、きちんとして見える服が必要だと思っていたからです。
ところが今は、着心地がよく、動きやすく、手入れが簡単な服が中心です。
「動きやすくて、着ていて楽なら、それで十分」という基準で選ぶようになると、流行や周囲の目を気にして服を買うこともなくなりました。
気に入った服を繰り返し着るため、今では新しい服をほとんど買いません。「何を着るか」で頑張らなくなったら、服に使うお金も自然に減ったのです。
「楽」を選ぶと、人と比べなくなった
K子さんが感じたのは、「節約しよう」と我慢したわけではないのに、お金を使わなくなったことです。
楽な服を選ぶ。決まったメニューを食べる。必要なものだけ買う。生活を簡単にしていくうちに、余計な買い物が減りました。
そしてもう1つ、大きな変化がありました。
「人と比べなくなったんです。あの人はいつもきれいな服を着ているとか、あの人は手の込んだ料理を作っているとか。私は私でいいかなって」。
以前は、周囲に合わせたり、「きちんとしていなければ」と考えたりすることもありました。でも、仕事を減らして自分の時間が増えると、他人の基準よりも、自分が楽かどうかを大切にできるようになったのです。
迷ったら、楽なほうを選ぶ。それが老後の節約のコツ
節約というと、「安いものを探す」「欲しいものを我慢する」といった方法を思い浮かべがちです。でもK子さんの場合、節約を目的にしたわけではありません。
料理を複雑にしない。服を増やさない。買い物で迷わない。暮らしを簡単にした結果、自然と支出が減りました。
「成長するには、あえて難しいほうを選ぶ」といわれることもあります。もちろん、新しいことに挑戦するときには、努力が必要な場面もあります。
でも、老後の毎日の暮らしまで頑張り続ける必要はありません。迷ったら、楽なほうを選ぶ。自分にとって無理のない暮らしに変えていく。それが、暮らしのストレスを減らし、結果として節約にもつながるのではないでしょうか。







