「年金だけでは少し心配」「毎月あと数万円あれば、もう少し余裕があるのに」と感じる人もいるでしょう。一方で、高齢になってからフルタイムで働くのは体力的に厳しい、という人もいます。そんなとき、毎日働くのではなく、自分の体力や生活に合わせて、できる範囲で仕事をする方法があります。今回は、収入を補いながら、外に出るきっかけや人とのつながりも得られるシニアの働き方をご紹介します。

シルバー人材センターとは、どのような仕組み?
シルバー人材センターは、各市区町村に設置されている公共の職業紹介の場です。60歳以上のシニア層が、「できる範囲で働く」ことを支援する仕組みになっています。
シルバー人材センターの仕事は、フルタイム勤務を前提としていません。臨時的・短期的、あるいは軽易なものが中心です。週に何日も長時間働くのではなく、「このくらいならできそう」という仕事から始められることが特徴です。
全国シルバー人材センター事業協会のホームページによれば、会員の就業日数の全国平均は、月8~10日となっています。月収は約3万~5万円です。もちろん、仕事の種類や就業日数、地域によって収入は変わります。毎月決まった金額が必ずもらえる仕事ではないことも理解しておきましょう。
どんな仕事があるのか
シルバー人材センターの仕事は多岐にわたります。具体的には、清掃、植木の手入れ、ポスティング、駐輪場の管理、家事援助などです。そのほか、書類整理やパソコン入力、筆耕、パソコン指導など、これまでの仕事や特技を生かせる仕事もあります。
「特別な技術が必要」と思うかもしれませんが、実際には特技がなくても始められる仕事がほとんどです。さらに、センターによっては、障子や襖の張り替え、保育・介護補助などの講習会を原則無料で実施しています。これまで経験したことのない仕事でも、講習を受けながらできることを増やせます。
「自分には何もできない」と考えるより、「今できることは何か」「少し練習すればできそうなことは何か」を探してみるとよいでしょう。
働くことのメリット:お金と人間関係、そして生きがい
年金に加えて、月に数万円の収入があれば、家計の余裕が生まれます。外食を少し楽しんだり、趣味に使ったり、旅行の費用を貯めたり。生活費そのものを全て補う必要はなくても、「自由に使えるお金がある」ことが安心につながります。
また、シルバー人材センターで働く目的は、お金だけではありません。全国シルバー人材センター事業協会のホームページでは、入会の動機として「生きがい・社会参加」「仲間づくり」「健康維持・増進」「経済的理由」などが挙げられています。
なかでも、定年退職後に意識したいのが、人と会う機会が減ることへの対策です。会社員時代は、嫌でも職場に行けば人と顔を合わせました。しかし退職すると、予定を自分でつくらなければ、家で過ごす時間が増えてしまいます。
シルバー人材センターの仕事なら、働くために外へ出る理由ができます。毎日ではなくても、決まった日に仕事が入れば生活にリズムが生まれます。仕事先で人と会うことで、自然な会話も生まれます。つまり、仕事をすることは、収入を得るだけでなく、人と会い、生活に予定をつくることにもつながるのです。
「月に数万円を稼ぐこと」と「人と会うこと」「生活にリズムが生まれること」を一緒にかなえる方法として考えれば、シルバー人材センターは、老後の働き方として意味のある選択肢になるでしょう。
シルバー人材センターはどうやって探すのか
シルバー人材センターは、各市区町村に設置されています。基本的には、住んでいる地域のセンターに会員登録して利用します。
まずは、インターネットで「○○市 シルバー人材センター」と検索してみましょう。仕事内容、説明会の日程、登録方法、年会費などは地域によって異なります。
「年金だけではちょっと不安。でも、毎日働くのは難しい」。そんなとき、シルバー人材センターで「できる範囲で働く」ことが、老後のお金と生活の両方を支える方法になるかもしれません。「月3万~5万円を稼がなければ」と考えるのではなく、まずは説明会に参加して、どんな仕事があるのかを知る。そこから自分に合う働き方を探してみるのもよいでしょう。







