アイリッシュウイスキーとコーヒーのベストマッチ
タラモアデュー
1回目は、名高い「アイリッシュ・コーヒー」。1943年、アイルランドの西、首都ダブリンからは200km弱の距離に位置する大西洋を望むフォインズ水上飛行場がカクテル誕生の舞台だった。空港待合室にあったパブのシェフ、ジョー(ジョセフ)・シェリダンが考案した。
カクテル誕生の詳細は、カクテルエッセイ『オンドリのしっぽ第27回カクテルは空を飛ぶ』をご一読いただきたい。
生クリームの柔らかい口当たりとともに、コーヒーとミックスされたウイスキーの風味がしなやかにそよぎ、寛ぎを生む。また、それだけではない。飲みすすめているうちに、アタマも身体も覚醒していくような感覚がある。
熱いコーヒー、アイルランドが誇るウイスキー、酪農国を物語る生クリームを材料にしたこのカクテルは現在、フォインズ近郊、アイルランドの西の玄関であるシャノン空港内に考案者の名を冠した『ザ・シェリダン・フード・パブ』があり、発祥の味わいを堪能できる。
ウイスキーは「タラモアデュー」(700ml・40%・¥2,300税別希望小売価格)がふさわしい。アイリッシュ伝統の3回蒸溜によるライトでスムースな味わいを特長としながらも繊細でなめらか。
スモーキー香はない。大麦由来の穏やかで心地よい風味があり、やや甘くクリーミーな香りと爽やかなオーク香が感じられる。
この「タラモアデュー」は、1829年にマイケル・モロイによってアイルランド中部のタラモアという町の名前を冠して発売された。その後経営者がダニエル・E・ウイリアムスに変わったのを機に、彼の名の頭文字、D.E.W.を添えた。デュー、露。“タラモアの露”というブランド名になった。
アイリッシュ・コーヒー
アイリッシュ・コーヒー
タラモアデュー 30ml
砂糖(ザラメ) 1tsp.
コーヒー(ホット濃いめ) 適量
生クリーム 適量
温めたワイングラスに砂糖(ザラメ、もしくはコーヒーシュガー)を入れ、ホットコーヒーを注ぎ、アイリッシュウイスキーを加えて優しくステアする。最後に軽くホイップした生クリームをフロートさせる。(カクテル撮影/児玉晴希・コーヒーカクテル2『ノルマンディー・コーヒー』はこちら)
関連記事
秋に飲んでほしい、メーカーズマークおすすめカクテル第27回「カクテルは空を飛ぶ」アイリッシュ・コーヒー
春に飲んでほしい、バーでオススメのカクテル