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オタク向けフリマサイト「オタマート」が終了に。特化型フリマの難しさとは

オタク向けのフリマサイト「オタマート」が8月26日に終了することになりました。オタマートは2014年3月24日にサービスを開始し、アニメやゲームのグッズ、コスプレ衣装、プラモデルなど、いわゆるオタクアイテムに特化したフリマサイトです。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

フリマアプリ・ネットオークションガイド

オタク向けのフリマサイト「オタマート」が終了

オタク向けのフリマサイト「オタマート」(画像:オタマートのトップページ)

オタク向けのフリマサイト「オタマート」(画像:オタマートのトップページ)

オタク向けのフリマサイト「オタマート」が、2021年8月26日に終了することになりました。オタマートは2014年3月24日にサービスを開始し、アニメやゲームのグッズ、コスプレ衣装、プラモデルなど、いわゆるオタクアイテムに特化したフリマサイトです。
 
オタマートは7月15日14時に新規の出品やユーザ登録を停止。これ以降は専用出品や出品一時停止中の商品の出品再開も行うことができません。7月30日14時には新規の取引や決済を停止します。これ以降は購入申込み、購入申込みの承諾、商品代金の支払い、商品検索・商品リストの閲覧、商品編集、ポイントの購入ができなくなります。
 
8月26日の14時にサービスの提供を終了し、全取引の確定、サイト内のポイントの払い戻しの受付を始めます。10月31日に購入ポイントの払い戻しの受付を終了、売上金の振り込み申請や電子マネーとの交換は11月30まで受け付けます。詳しくは、オタマートのホームページで確認をしておきましょう。
 

オタマートは特徴がありすぎたことも影響しているのでは?

メルカリなどの総合的なフリマアプリは出品される商品のジャンルもさまざまなので、いろいろな好みや趣味を持った人が参加しています。それと比較するとオタマートは、出品される商品がオタク向けに特化されているため、そこに集うユーザーの好みが絞られていたことになります。結果的に商品に対する熱量が高くなり、それが取引に悪影響を及ぼした可能性は否定できないでしょう。
 
例えば商品に対してものすごく強いこだわりがある場合、買う側は出品者に対して強い要望を出してしまうこともあります。出品の際の商品説明や写真と実際に届いた商品に少しでも違いがあると、かなり強くクレームを言ってしまうこともあるでしょう。また梱包も、商品にこだわりがあるからこそ厳重に丁寧に行わないとクレームに発展することもあります。
 
オタマートのユーザーは、メルカリなどの他のフリマアプリも利用していると考えられます。出品する側の立場で考えると、メルカリなどで出品をした時と、オタマートで出品した時では、注意すべき点の数や細かさが違い、そこに手間や面倒さを感じてしまったのかもしれません。それがユーザー離れにつながってしまい、今回の終了に至ったのではないかと筆者は考えています。
 

メルカリなどでもオタクアイテムが売買できるようになった

オタクアイテムに関しては、メルカリなどの他のフリマアプリでも売買ができるようになりました。そのためオタマートで取引を行う必要性が薄れてきたのも原因のひとつでしょう。もちろんオタマートはオタクアイテムに特化しているため、メルカリにはない商品が出品されていることもあります。そこはオタマートの強みでもあったのでしょうけれど、巨大なフリマアプリ「メルカリ」とどうやって戦っていくのかという部分でも、かなり苦戦を強いられたのではないかと思います。
 

なんでもある総合的なフリマアプリとどう戦う?

何かに特化してサービスを提供することは、ビジネスにおいては必要なことだと筆者は思います。あれもこれも手を出すよりも1つに絞ったほうが専門的なイメージがつき、「このサイトなら欲しいものが揃っている」と思ってもらえ、それが信頼につながることもあります。

一方でフリマアプリの世界で考えた場合には、メルカリをはじめPayPayフリマやラクマがあり、特にコレクターアイテムに関してはヤフオク!もあります。ヤフオク!はコレクターアイテムが揃う場所としても認知度も高いので、それらのサービスとどう戦っていくのかが大きな課題になります。
 

特化型はユーザーが「使いたい」と思うフックが必要

特化型の場合には、その商品へのこだわりや熱量が高いユーザーが集まるので、ユーザーへのフォローやサービス提供の面でもかなり知恵を絞ることになるでしょう。メルカリなどのフリマアプリが匿名配送にしたり、出品のハードルを低くするなどいろいろな工夫をしていることもあり、フリマユーザーはその快適な環境に慣れているのは事実です。

それは筆者も例外ではありません。サクサクと出品ができるし、梱包や発送の手間もなくなっているフリマアプリを日常的に使っています。その中で少しでも手間があるようなフリマアプリを使うかどうかと考えたら、よほど使うメリットがないと難しいのではないかと考えてしまいます。

逆に考えれば、ユーザーに対し特化型のフリマアプリを利用する理由付けができれば、メルカリなどにも太刀打ちできるだけの魅力が出てくるのだと思います。そのようなフリマアプリが出てくることを期待したい。それが筆者の本音です。


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