マーケティング

2021年に売れる商品はコレだ! キーワードで読み解くヒット商品予測(2ページ目)

2021年は新型コロナウイルスのワクチン接種が開始され、コロナ収束へ向けて動き出す年となりそうです。どのようなヒット商品が生み出されるのでしょうか。経営コンサルティング企業の代表で多くの企業のマーケティング事例を見てきた安部徹也が番付形式で予測していきましょう。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

第7位:キャッシュレス決済

キャッシュレス決済

キャッシュレス決済

コロナの影響で現金に触らずお金のやり取りができるキャッシュレス決済は2021年にまだまだ伸びが期待できます。特に注目されるのはPayPayに代表される「QRコード決済」です。

2020年のヒット番付でもご紹介しましたが、QRコード決済はマクドナルドやすき家など大手ファストフードチェーンと連携して、テイクアウトシステムの決済分野を担うなど今後も大きな飛躍が見込めます。

また、PayPayは地方公共団体と提携して、地域内の対象店でPayPay決済をすれば20%から30%の還元を行う経済対策にも積極的に取り組んでおり登録店や利用者を増やしています。一方PayPayばかりでなく、LINE Payやd払い、au PAYなどQRコード決済を提供する各社も毎月のように大幅な還元キャンペーンやクーポンの提供を実施し、ユーザーの利用促進に積極的に取り組んでいます。

・輪型のスマートデバイスも続々登場
加えて、利便性の観点から見ればApple Watchなどのスマートウォッチでキャッシュレス決済を行うなど、スマホを取り出してアプリを立ち上げ決済するというわずらわしさから解放された利用も増えています。また、スマートウォッチよりもさらに進化した“スマートリング”が2021年は注目を浴びそうです。「AEKLYS」や「EVERING」など指輪型のスマートデバイスを身に着ければ、スマホを取り出すことなく指輪をかざせばキャッシュレス決済できるようになります。
「AEKLYS」(画像は「AEKLYS」製品ページより)

「AEKLYS」(画像は「AEKLYS」製品ページより)

キャッシュレス決済は、コロナ感染予防対策、経済性、利便性などさまざまな要因から2021年もヒットが期待できるサービスといえるでしょう。

#2021年ヒットキーワード:「PayPay」「LINE Pay」「d払い」「au PAY」「AEKLYS」「EVERING」
 

第6位:フードデリバリー

2020年のヒット番付にも登場しましたが、フードデリバリーは飲食店での食事がコロナの第三波の影響でまだまだ難しい中、2021年はさらに成長することが見込まれます。日本においては、Uber Eatsと出前館の大手2強が先行しますが、2020年3月にはフィンランド生まれの「Wolt」が広島でフードデリバリーを開始。その後、6月に札幌、7月に仙台、10月に呉とサービスを拡大させ、10月22日には満を持して東京で事業をスタートさせました。
「foodpanda(フードパンダ)」(ThamKC / Shutterstock.com)

「foodpanda(フードパンダ)」(ThamKC / Shutterstock.com)

他にも2020年4月にはITベンチャーのレアゾン・ホールディングス傘下の「menu(メニュー)」、9月にはドイツから「foodpanda(フードパンダ)」、そして12月からは韓国発の「FOODNEKO(フードネコ)」がフードデリバリーサービスを開始しています。ビジネスモデル自体は飲食店の食事を配送するというシンプルで差別化しにくいものだけに、2021年は既存大手と新規参入業者の間でクーポン合戦など新規顧客獲得や既存顧客囲い込みのための激しいサービス競争が展開され、お試し需要のライトユーザーなども取り込んでマーケットがますます拡大していくことが予想されます。

#2021年ヒットキーワード:「Uber Eats」「出前館」「Wolt」「menu」「foodpanda」「FOODNEKO」
 

第5位:電動キックボード

現在、コロナ禍で電車などの密を避けるため「電動キックボード」が脚光を浴びています。電動キックボードとは、モーターを内蔵した自走式のキックボード。海外では手軽な移動手段として都市部で急拡大しています。ボストンコンサルティンググループによれば、電動キックボードのシェアリング市場は2025年までに世界で4兆円から5兆円規模にまで拡大すると見込まれています。
電動キックボードイメージ(Johnathan21 / Shutterstock.com)

電動キックボードイメージ(Johnathan21 / Shutterstock.com)

電動キックボードは、道路交通法で原動機付き自転車(原付)に分類され、公道を走るためにはウィンカーやバックミラーなどの保安基準を満たした上で、運転免許証やナンバープレートが必要となります。また、走る際には車道の通行、そして運転者にはヘルメットの着用も義務付けられています。

このような規制が電動キックボード普及の妨げになっていましたが、2020年10月、電動キックボード事業を展開する3社が「新事業特例制度」を活用して、普通自転車専用通行帯(自転車レーン)の走行を可能とする実証実験を行うことを発表しました。2021年は実証実験を通して日本でも電動キックボードが浸透してくれば、市場の急拡大につながる可能性を秘めているといえるでしょう。

#2021年ヒットキーワード:「電動キックボード」

>次のページでは4位から2位まで発表します! どうぞ次ページへお進み下さい!
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