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2021年(令和3年)干支は丑!うし年の由来や牛の豆知識

2021年(令和3年)は丑(うし)年です。そこで「丑」と「牛」に関する豆知識をご紹介します。十二支としての丑、丑の字の成り立ち、丑年の人の特徴や性格、天満宮(天神様)と牛の関係、闘牛で赤い布を使う理由、丑と牛にまつわることわざ・慣用句・ことばなど。年賀状や年始の挨拶など様々なシーンで役立つ豆知識です。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

2021年・令和3年は丑(うし)年

2021年・令和3年は丑年(うし年)。丑年にはどんな特徴があり、丑年の人はどんな性格なのでしょう?

2021年・令和3年は丑年(うし年)。丑年にはどんな特徴があり、丑年の人はどんな性格なのでしょう?

2021年(令和3年)は丑(うし)年で、動物にあてはめると牛になります。そこで、丑年や丑、牛に関する豆知識をご紹介します。年賀状や新春の話題にご活用ください。

※本来、干支とは十干と十二支を組み合わせたものなので、2021年の干支は「辛丑(かのとうし)」になりますが、一般的には十二支のほうをさすため、本記事では「丑」をとりあげます。
 
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十二支としての丑(うし)について

十二支で一番になり損ねた牛

丑は十二支の二番目。十二支で一番になり損ねたウシの話は「十二支のお話」をご覧ください

  • 十二支の2番目
  • 丑の方位は、北北東(正しくは北北東よりやや南寄り)
  • 丑の刻は、午前2時を中心とする約2時間(午前1時~午前3時頃)
  • 丑の月は、旧暦12月
  • 陰陽は陰、五行は土気  
 

2021年干支の「丑(うし)」という字の成り立ち

「丑」という字は、手の指を曲げて物を握る様子を表した象形文字で、つかむ、からむという意味があります。糸へんに丑と書く「紐」にその意がうかがえます。中国の『漢書』では、「丑」は曲がる、ねじるという意味を持ち、芽が種子の内部で伸びきらない状態を表しているとされています。中国伝来の十二支は、もともと植物が循環する様子を表しているので、十二支の2番目に、芽が種子の内部で伸びきらない状態を表す「丑」がくるのです。

十二支を浸透させるために動物をあて、丑が十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)の2番目になった理由を表した民話があります。ねずみの作戦に引っ掛からなければ、十二支レースでうしが断トツの1番になるはずでした(詳しくは「十二支で何故ねずみが1番なの?」をご覧ください)。
 

 丑年の特徴

もともと十二支は植物が循環する様子を表しています。丑は十二支の2番目で、子年に蒔いた種が芽を出して成長する時期とされています。丑年には、先を急がず目前のことを着実に進めることが将来の成功につながっていくといわれています。
 

丑年生まれの人の特徴、性格

世の中にはさまざまな見解がありますが、丑年生まれの人の特徴についてまとめると以下のようになります。
 
丑年生まれの人は、物事をじっくりと考えてから行動する慎重派なのでマイペースだと思われがちですが、忍耐強く、黙々と道を歩んで成果をあげるタイプです。スロースターターで大器晩成型。おっとりしていて穏やかですが、古風で一途。怒ると怖く、頑固な一面もあります。
 

丑年の豆知識!牛と天満宮・天神様との関係

全国の天満宮には牛の像が置かれています

全国の天満宮には牛の像が置かれています

学問の神様・菅原道真をまつる天満宮には牛の像が置かれています。これは、天満宮の神使(神の使いとされる動物)だからです。

「菅原道真が丑年だったから」「道真が暗殺されそうになったところを飼い牛が救ったから」「道真の遺体を運んでいるときに牛が座り込んで動かなくなったのでそこに埋葬したから(その場所が大宰府天満宮)」「黙々と働く牛の様子は道真の教えに通ずるものがあるから」など、菅原道真と牛にまつわる様々ないわれがあります。
 

丑年の豆知識!牛がいつも口を動かしている理由

いつも口を動かしているのんびりキャラの牛。牛の鼻には鼻紋があり、個体の識別に用いられます

いつも口を動かしているのんびりキャラの牛。牛の鼻には鼻紋があり、個体の識別に用いられます

牛といえば昔からのんびりキャラ。その要因のひとつが、いつものどかに口を動かしていることですが、そこに牛のすぐれた特徴があります。

牛には4つの胃袋があり、一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻して反すうする特徴があります(ちなみに、焼き肉屋さんでは、第1胃をミノ、第2胃をセンマイ、第3胃をハチノス、第4胃をギアラと呼んでいます)。

反すうして細かく噛み砕いた食べ物を胃の中の微生物が食べ、その結果微生物が大量に増殖し、それを牛が消化して栄養にしているからタンパク質豊富な牛乳や肉になるのだそう。私たちもその恩恵にあずかっているわけです。
 

丑年の豆知識!闘牛で赤い布を使う理由

闘牛では、赤い布を振ると牛が興奮しながら突進してきますが、赤い布を使うのは、人が興奮するからです。赤い色には人の本能を刺激する効果があるのですが、牛は色が識別できないのでモノクロに見えています。赤い色を使うのは、牛ではなく闘牛士や観客を興奮させるためなのです。
 
闘牛の牛が突進してくるのは、事前にストレスをかけられイライラいた状態で入場するので、目の前で布をひらひらさせてちょっかいを出されると、怒りが爆発するからです。赤以外の色でも牛は突進してきますが、人の興奮度は赤ほど高まらないでしょう。
 

丑年の豆知識!丑や牛にまつわることわざ、慣用句、ことば会津の郷土玩具「赤べこ」は魔除けの縁起物。牛の方言「べこ」は、「べー」という牛の鳴き声に「こ」をつけたもので、犬の「わんこ」、猫の「にゃんこ」も同様です

会津の郷土玩具「赤べこ」は魔除けの縁起物。「べこ」は牛の方言で、「べー」という牛の鳴き声に「こ」をつけたもの。犬の「わんこ」、猫の「にゃんこ」も同様です

牛と人との付き合いは長く、従順な家畜として昔から親しまれてきたので、丑と牛にまつわることわざ、慣用句、ことばがたくさんあります。

●丑三ツ刻
時代劇などでお馴染みの「丑三ツ刻(うしみつどき)」は、丑の刻(午前1時頃から午前3時頃)を4等分した3番目なので、午前2時頃から午前2時半頃をさします。まさに静かりかえった真夜中なので、「草木も眠る丑三ツ刻」などといい、怪談話に欠かせないフレーズとなっています。また、「丑の刻参り」という呪いの儀式も有名です。丑の刻に神社に行き、頭上にろうそくをともし、手には五寸釘と金鎚を携え、胸に鏡をつるして、憎い相手を模した藁人形を神木に打ちつけると、7日目に満願叶って呪われた人が死ぬと信じれていました。

●土用の丑の日 
うなぎでお馴染みの「土用の丑の日」は、夏の土用(立夏前の約18日間)に巡ってくる丑の日のこと。丑の日は12日ごとに巡ってくるので、巡り合わせによっては2度目の「土用の丑の日」があり、1度目を「一の丑」、2度目を「二の丑」と呼びます。
詳しくは 「なぜ土用の丑の日にうなぎを食べるの?」 をご覧ください

●鶏口となるも牛後となるなかれ/鶏口牛後
大きな集団や組織で使われるよりも、小さな集団や組織の長となるほうがよい。

●牛の歩み/牛歩
歩みの遅いことのたとえ。

●牛の歩みも千里
努力を怠らなければ成果があがることのたとえ。

●牛の耳に経文
いくら説き聞かせても、何の効力もないことのたとえ。「馬の耳に念仏」と同義。

●牛を馬に乗りかえる
好都合なほうへ切り換えることのたとえ。

●牛は牛連れ馬は馬連れ
似たものどうしは集まりやすいことのたとえ。また、似たものどうしが集まると物事がうまくいくことのたとえ。

●角を矯(た)めて牛を殺す
わずかな欠点を直そうとして、かえって物事全体をだめにしてしまうことのたとえ。

●牛の角を蜂が刺す
何かされても、痛くもなんともないことのたとえ。

●牛に引かれて善光寺参り
ほかのことに誘われて知らないうちによい方へ導かれることのたとえ。長野県善光寺の近くに住む強欲で不信心の老婆が、さらしておいた布を隣家の牛が角に引っ掛けて走ったのを追い、知らぬうちに善光寺にかけこんだ。そこが霊場であることを知った老婆は、その後参詣するようになったという伝説に由来。

●牛耳を執る/牛耳る
団体や集団の実権を握り、思うままに支配することのたとえ。春秋戦国時代の中国で、同盟を結ぶときは盟主がいけにえとなる牛の耳をとって裂き、諸侯がその血をすすって誓い合ったという故事に由来。


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