子どもが読書嫌い……どうすれば?本から遠ざけたのは親の言動?

子どもが本を好きになるかどうかは、幼児期の絵本との接し方によると言われています。絵本との最初の出会いは、お父さん、お母さんに読んでもらう絵本でしょう。子どもは、お父さん、お母さんの読む声と言葉でお話の世界へ入っていきます。
読書嫌いな子どもにする親のNG言動

どうして読書嫌いな子どもになったのでしょうか……?

最初から本が嫌いな子どもはいないはずです。本と親子との関わり方の中に子どもを「読書嫌い」にする原因があるのかもしれません。「読書嫌い」な子どもになる親のNG言動を見直してみましょう。

 <子どもが読書嫌いになるNG言動目次>  

1.大人自身に読書の習慣がない

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 大人自身に読書の習慣がない

親が読書をしている「模範」がなければ、子どもは反発するだけ

親がほとんど読書をしないのに子どもに読書をするように言うことは、働かない上司が部下に向かって「もっと働け」と言っているのと同じこと。言われた子どもは親に対する反発心を高めるだけです。

「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ」(山本五十六)
人を動かす要諦を言い表した有名な言葉です。

うまく時間のゆとりが出るように工夫して、リビングなど子どもの前で読書をする時間を作り出します。大人が楽しそうに読書をする、「読書は楽しい」ということを実演してみせることが、子どもを読書へと導きます。

最近では、本を買う際はアマゾンなどのネット書店を利用する方も多いですが、自分の本を買う目的で子どもと一緒に本屋へ行きましょう。親が自分の本を選んでいる間、子どもは子ども向けの本のコーナーを見たり、親の本選びに付き合わせても良いでしょう。子どもが興味のある本を見つけ「この本を買って」と言ってくるかもしれません。

親の姿は子どもにとって非常に大きな環境要素。子どもは大人の説教は聞きたがりませんが、大人のやることは真似したくなる特性があるからです。すぐに効果を求めずに、親自身が読書をゆっくり楽しみましょう。

▷参考記事
子どもを読書好きにする方法
『10歳の壁』子どもがぶつかる勉強の見えない壁への対策3つ
 

2.推薦図書や名作をすすめる

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 推薦図書や名作をすすめる

本選びは、子どもが「楽しい」と思いながら活字に触れることを優先しましょう

推薦図書は、子どもに好影響を与える内容が詰まった本です。子どもが自分から喜んで推薦図書を読むのなら理想的ですが、そんなパターンは少ないでしょう。

推薦図書は食べ物でいえば、栄養価の高い青魚や、ピーマンや人参などの野菜のようなもの。それらを拒む子どもに食べさせようと思ったら、みじん切りにしてハンバーグの中に入れるという工夫をするように、読書嫌いな子どもに読書をさせようと思ったら、とにかく「活字」への抵抗をなくすことを優先します。

例えば、ファンタジー系の洋画(字幕)を一緒に観る、子どもが興味がありそうな分野の図鑑を買い与える。スポーツに関心があるようなら選手名鑑でもいいのです。活字に接する機会が増えていくと、映画の原作本や、好きなアーティストのエッセイ本などにも関心が広がっていきます。活字に接するのであれば、それが立派な推薦図書でなくてもいいのです。

子どもが興味を持たない推薦図書や名作を無理強いするのではなく、子どもが楽しいと感じながら活字に触れることを優先しましょう。

▷参考記事
子どもを読書好きにする方法
 

3.マンガを禁止する!

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 マンガ禁止にする

心理描写が巧みなマンガなら、人の立場や心の機微を理解できるようになります

子どもがマンガを読んでいる姿を見て、「本も読まずにマンガばかり読んで」「マンガを読むなら本を読みなさい」とつい「マンガ禁止」を口にしてしまいがちですが、マンガを読むことは悪いことではありません。

ずいぶん前から学校で読書の時間が導入されるほど、読書離れは問題となっていますが、最近ではゲームの影響もあり、マンガ離れも進んでいます。

本を読まず、文章から想像することが苦手な子どもでも、マンガは絵を伴うことで読みやすくなり、物語を理解する方法を習得することができます。文章が多いマンガによって活字離れを食い止め、読書への入り口となるだけでなく、話し言葉では使われないような言葉や言い回しを習得することもできます。

心理描写が巧みなマンガは、様々な登場人物の、それぞれの立場からの心の動きが描かれているので、色々な人の立場や人の心の機微を理解できるようになります。

最初はマンガばかり読んでいても、親の働きかけでそのマンガの小説版や原作のシリーズものを夢中で読むようになったという例もあります。マンガから入って、やがて小説に移行するというのも、読書の習慣を自然に身につけるためのきっかけのひとつです。

▷参考記事
漫画のメリットとは? 子どもに良い影響がたくさん!
子どもの国語力をマンガや親子会話で育む!テスト勉強でできない方法
 

4.「本を読みなさい」と指示・命令する

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 「読書しなさい」と指示・命令する

「読書しなさい」の代わりに、日常の暮らしの中で本に触れる機会を増やしてあげます

「読書しなさい」に関わらず、「勉強しなさい」「ゲームをやめなさい」と命令口調で言われると、子どもは反発を感じます。大切なのは「1日1時間は読書しなさい」と指示するのではなく、子どもが1日10分でも読書ができる環境を与えることです。
 
自然な形で子どもを読書へ導くために、日常の暮らしの中で、本に触れる機会を増やしてあげましょう。子どもの本は子ども部屋にまとめるのではなく、いつでも目について、気が付いた時に本を手に取れるよう、リビングなど家族が集まる場所に家族共通の本棚を置きます。

子ども向けの本は出し入れがしやすいように、子どもの目線よりも下の位置に配置すれば、本に触れる機会が増えるはずです。子どもが興味を示す事柄は大人の予想を超えているので、マンガや小説、伝記といった枠にとらわれず、新たな発見や子どもの興味の拡大につながるかもしれません。知りたくなったことをすぐその場で調べられるように、地図や辞書、事典などはテレビの近くや食卓の脇に備えておくのも、わからないことはまず本で調べるという習慣をつける良い方法です。 

▷参考記事
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子どもの能力を引き出す本棚の秘訣
 

5.図書館に行かない

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 図書館に行かない

本に囲まれた環境に置かれて、子どもは本に興味を持ち始めます

図書館に行けば、周りには本しかありません。空いた時間があれば、子どもと一緒に図書館に行き、放っておけば子どもは本を引っ張り出すしかない、というような環境を与えます。ここでは、親があれこれと読んでほしい本を強要するのではなく「本のある環境は与えるから、あとは自由に」という姿勢がポイントです。本に囲まれた環境に置かれて、子どもは本に興味を持ち始めます。
 
読書は素晴らしい、子どもにはぜひ本を読んでもらいたい、という想いはあっても、実際には親だからといって皆、本が好きというわけではありません。子どもにどのような本を読んでほしいのか分からない、せっかく本を読んであげても、ちっとも聞いてくれない……子どもと本に関する悩みを抱える方も多いはずです。
 
そんな時こそ、図書館を活用しましょう。図書館には子どもが本に興味を持つような工夫が施されていたり、読み聞かせやお話し会などの催し物があったり、さらに、数多くの本に触れ、多くの子どもたちを見てきた図書館員の方がいます。子どもと本との関わり方に悩んだら、ぜひ本のプロを頼ってみましょう。

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6.しつけ・知育効果など親の下心いっぱいの読み聞かせをしている

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 乳幼児期から親の下心いっぱいの読み聞かせ

読み聞かせのやり方で、本が「楽しみ」ではなく「苦痛」になってしまうことも……

乳幼児期の間違った読み聞かせが、本嫌いの原因となってしまうこともあります。

例えば、知育に活かしたいという親の下心で質問攻めの読み聞かせをしていませんか。子どもがきちんと絵本の内容を理解できたか、どんな感情を持ったのか確認したい気持ちはわかりますが、絵本を読んだ後、「くまさんは全部で何頭出てきた?」などといった本の内容についての質問は、鬱陶しくてせっかくの興味・関心も興ざめでしょう。

またトイレトレーニングなどで、子どもが「自分でやりたい」と思う気持ちを上手に引き出してくれる本などは、躾として上手に利用しない手はありません。でも、何でもかんでも本を躾に利用しようとすると、大子どもにとって本は「楽しみ」ではなくお説教のツールになってしまいます。

本が楽しみではなく苦痛になってしまったら、そこから読書好きに戻るのはとても大変です。お子さんへの読み聞かせは、心を込めて読んであげることが1番大切です。読み聞かせのやり方に迷ったら、「このやり方で子どもが楽しいかどうか」を優先しましょう。

▷参考記事
読み聞かせが効果なし⁉絵本嫌いになりかねない読み聞かせ4大NG
 

7.「ひらがなが読めるようになったから」と自分で本を読ませる

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 「ひらがなが読めるから」と自分で本を読ませる

読み聞かせ×子ども×続ける=本好きな子ども

子どもがひらがなを覚えたら、すぐに自分一人で本を読ませようとしてしまいがちですが、子どもがまだ自分から読み出す準備ができていないのに先を急がせると、本を読むことが嫌いになってしまう可能性があります。

ひらがなが読めるようになっても、文字と言葉が脳の中でつながっていない幼児にとって、ひらがなは単なる記号でしかありません。記号のつながりが言葉として理解できるまでは、自分で本を読ませてもあまり意味がないのです。

ひらがなが読めるようになったからといって、読み聞かせ卒業というわけではありません。たくさん読んであげることで、まるで本を読んでいるかのようにページをめくりながら語っている姿が見られるようになるでしょう。そしてそれがある時ポツポツと文字を読むように変わります。そうして音読の時代を過ごして、十分に早く読めるようになると口を閉じて黙読へ移行します。

▷参考記事
幼児の文字と書き言葉の身につけ方
 

8.「小学生になったんだから一人で読みなさい」と親子の読み聞かせをやめる

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 「小学生になったから」と親子の読み聞かせをやめる

子どもの読書の段階は、親の励ましが必要

「読み聞かせは幼稚園まで」と決めているご家庭も多いようですが、小学生になったからといって、自分で本を読むことに慣れていない子どもに「一人で読みなさい」と突然読み聞かせをやめてしまうことは、せっかく持った本への興味をそこで終わらせてしまうかもしれません。
 
読み聞かせで本に親しんだら声を出して読むことに挑戦します。初めは長い文を読むのは難しいので1ぺージずつ交代で読む、面白い場面まできたら子どもに本を預けて読ませてみるなどの工夫をしましょう。
 
子どもの読書の段階は、親の支えや励ましが必要です。少し読み進んだことに気付いたら、「もうこんなに読んだの。凄いね。」と誉めてあげます。最後まで読んだらもっと誉めてあげましょう。初めての読書経験が楽しければ、続けて2冊、3冊と読み進むに違いありません。
 
▷参考記事
お子さんを読書への道へ誘ってみませんか?子どもを本好きにする方法
国語力の基礎は『読書』と『親子の会話』で育む
 

9.親子の会話で語彙力が育まれておらず、国語嫌いになっている

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 語彙力が伸びない親子の会話をしている

親子の会話によって語彙力が育てば、読書を楽しいと感じるように

読書を通じて育まれる国語力の土台「語彙力」は、親子の日常会話でも育むことができます。友達との会話ももちろん大切なものですが、国語力の成長に必要なのは、子どもよりも多くの言葉を知り、日本語独特の言い回しを使える大人との会話です。
 
漢字などの語彙力を習得するには、反復練習が不可欠ですが、覚えたことを定着させるには実生活で使用した経験が効果的です。例えば、「はかる」という読み方の漢字は、「図る」・「計る」・「測る」・「量る」など多くの同音異義語があり、大人でも迷うことがあります。「体重をはかるって、どんな漢字かわかる?」というように日常の会話で使いながら覚えさせていくと定着しやすくなります。
 
また、「お風呂!」とか「今日、何?(今晩のご飯は何を用意しているの?)」というように、お互いに単語で質問したり答えたりしているやり取りを文章で話をするように親が働きかけることで、会話力が育ちます。
 
会話力は国語の記述力につながり、親子の会話によって語彙力が育てば、さらに言葉への関心が高まって、読書を楽しいと感じるようになります。
 
▷参考記事 
国語力の基礎は『読書』と『親子の会話』で育む
子どもの国語力をマンガや親子会話で育む!テスト勉強でできない方法
 

10.正しく十分な音読ができていない

読書嫌いな子どもにする親のNG言動 正しく十分な音読をさせていない

音読は、読解力の向上につながるとても重要なもの

国語が苦手な人の中には、教科書を読んでいても、内容が全然頭に入ってこないという人がいます。読んでいる間に、読んだことをどんどん忘れてしまうのです。これはワーキングメモリーの機能が弱いため、起こる現象です。
 
人間の記憶は、「読めないものは覚えられない」という性質があります。そして、音読には、ワーキングメモリーと呼ばれる記憶力を鍛える効果があります。
 
音読時間が一定量なかった子どもは、黙読することや読んだ内容を頭にとどめておくことが難しくなってしまいます。音読は、まず、書いてある文章を理解するために必要なこと。 国語に限らず英語や算数・数学、社会、全ての学力の基礎となります。
 
音読は、読解力の向上につながるとても重要なものなのです。本を読むのが大変、面倒くさいと感じて読書嫌いになってしまう子どもは、正しい音読をするところから見直してみましょう。

▷参考記事
幼児の文字と書き言葉の身につけ方
国語の音読、読解力の効果が上がるひと工夫とは?
  

子どもと一緒に読書をすることで、大人も新たな発見を得られるかもしれません。 
子どもだからこそ得られる感情や感性に気付き、自分自身も、大人だからこその視点が入ったり、子どもの頃とは違う感覚を得ていることを感じられるでしょう。

「読書は楽しい」という経験を子どもと一緒に味わってみてください。
 
子どもは楽しいことは自分から進んでやる、ということを軸とする親の働きかけにより、強制やノルマとしてではなく、子どもが自ら本を手に取るようになるはずです。
 
▷参考記事
忙しくても習慣にしたい!成功を呼び込む読書術

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。