子供が癇癪(かんしゃく)を起こす原因は?

一歳半頃から始まる癇癪(かんしゃく)を起こすメカニズムと対処法

子供の癇癪(かんしゃく)に親はヘトヘトになりますが、これも正しい発達の一段階

子供が癇癪(かんしゃく)を起こすメカニズムについて考えます。1歳半~2歳になるかならないかのあたりから、それまでおとなしく育てやすかった子供が、一転して激しい癇癪を起こすようになり、戸惑うお母さんもいらっしゃるのでは?

直立して歩けるようになり、行動範囲も広がり、手先の器用さも徐々に身に着けていくころに、突然あつかいにくくなる。大人と同じようなことをしたがり、危ないからとやめさせようとすると、床の上で激しく暴れて泣き続けたり、中には人を叩いたり、自分の頭を壁や床に打ちつけて抗議したりする子もいます。

ひょっとして、これは最近問題視されている「キレやすい子供?」と、思わず食育に走り、玄米食を始めたというお母さんもいるほど。「自分は大人と同じように何でもできると思ってるのよね……」と、ため息も出ようというものですが、この万能感覚こそが、この時期の子供が「恐るべき2才児(Terrible two's)」と呼ばれるゆえんです。
   

子供の癇癪(かんしゃく)と、記憶力や自立心の関係

子供とは基本的に癇癪を起こすもので、その程度は様々です。ほとんどかんしゃくらしいものを起こさない、おとなしい子供もいれば、激烈なかんしゃくを起こす子供もいます。そして、始めは激しいタイプだと思っていた子供が、びっくりするほどおとなしいタイプに育つこともあり、その逆もあります。

かんしゃくの激しい子供の場合、「この子は何か問題があるのではないか」と心配になるお母さんも多いようです。かく言うガイドも、下の息子が非常に激しいかんしゃくを起こしていた時期があり、公共の場でひとに迷惑をかけてはいけないと外出もままならぬ状態でした。しかし、言葉を上手に操れるようになるに従って、そのような激しいかんしゃくを起こすことはぴたりと収まり、それもまた新鮮な驚きでした。

かんしゃくの原因は何か?それは、記憶力の発達と、自立心の芽生えです。赤ちゃんの頃に比べ、もっと長期の、もっとはっきりした記憶を持つことができるようになった幼児は、大人が驚くほど詳細に覚えていたりします。

例えば、先週に大人がはさみで紙を切っていたのを見て覚えていた子供は、はさみを見つけるとその記憶がよみがえり、まったく同じことを今日再現しようと試みます。また、長靴を履いて公園に行ったのが楽しかったと覚えていれば、それから毎日のように外出のたびに長靴を履きたいとだだをこねたりします。

しかし、思った通りにはできなかったり、危ないから、または必要がないからと大人にやめさせられたりすると、その失望を怒りで表します。かんしゃくをおこす子供の怒りは、自分が傷ついたとか相手を攻撃しようとするようなものではなく、もっと単純な、「思っていたのと違う」という抗議なのです。

ですから、激しいかんしゃくを起こすからといって、即問題があるわけではありません。むしろ正しい発達の一段階です。「大きくなったわね」と、成長の証拠として見守ってあげて下さい。

 

子供が癇癪(かんしゃく)を起こしたときの対処法

しかし、何もかもを幼児の思った通りに進めることはできませんし、何でも要求をかなえてしまうのも、「世の中には思い通りにならないこともある」ということを学ぶ、せっかくのチャンスを逸してしまうような気がします。この時期の子供には、かんしゃくを回避するように大人はできる範囲で要求に沿ってあげていいと思いますが、できないものはできないで、きちんとかんしゃくと対処するようにしたいものです。

おなかが空いていたり、眠かったりすると子供は機嫌が悪くなりますから、食と睡眠は十分にとらせてあげましょう。また、子供が疲れているのに無理なスケジュールで連れまわしたりするのは禁物。大人は、予定を修正する勇気を持ってください。それでもかんしゃくを起こしたら、その子供が暴れまわって怪我をしたりしないよう、また周囲に迷惑をかけないよう、安全な場所に移動させ、なるべく言葉で「どうしたの?」「あなたはどうしたいのかな」と、考えを整理させてあげます。抱きしめてあげることで落ち着くようなら、それもいいでしょう。

もしなかなか気持ちが落ち着かないようなら、気を逸らさせるのもいい手です。まじめに子育てをしているお母さんの中には、気を逸らさせるなんていうのは子供と真正面から向き合っていないのではないかと心配に思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません!むしろ物事に固執せずに上手に気を逸らすのは、子育ての上級テクニックでもあります。

「バスを見に行こうか」「あっちのおもちゃはどうかな」「本は好き?」など、お子さんの気持ちにすっと浸透するような言葉をいくつか用意しておくと、上手くいくかもしれません。繰り返しになりますが、あくまでも発達の一段階。言葉で理解ができるようになり、また「今はやめなくてはいけなくても、あとでやらせてもらえる」などの時間の感覚が育つに従って、かんしゃくの激しさはゆっくりと下降します。『恐るべき2才児』の間は、大人の知恵と、いっそ諦める勇気を持って、上手に乗り切りましょう!


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。