子育て/イヤイヤ期

第一次反抗期とは……年齢別にイヤイヤ期の対処法を解説

イヤイヤ期に突入すると、パパ・ママのお悩みは増えるばかり。2歳、3歳、4歳の反抗期の特徴と子どもへの接し方を、年齢別にご紹介します。「魔の二歳児」をはじめとする第一次反抗期前後の子どもへの対処法をおさえておきましょう。

執筆者:All About 編集部

第一次反抗期とは

第一次反抗期とは

『魔の2歳児』とも呼ばれる2歳ごろの第一次反抗期

一生懸命頑張っていても、思うようにはいかないのが子育て。特に子どもが反抗期に突入してしまうと、親御さんが抱えるお悩みが増えてしまうことでしょう。今回は、2歳、3歳、4歳と年齢別の第一次反抗期の対処法や接し方についてお伝えします。  
 
<目次>

子供の成長過程で通る3つの反抗期、第一次反抗期とは 

通過年齢や程度に個人差はあるものの、子どもは成長していく上で、三つの反抗期を通過することになります。イヤイヤ期とは、1歳半~2歳、3歳ごろに訪れる一番初めの第一次反抗期のこと。
  • 第一次反抗期:2歳ごろ
    早い子は1歳半ごろから現れますが、多くは2歳がピーク。3歳に入っても続く子もいます。なんでも「イヤイヤ!」と反抗し、親が手を貸すことに「自分で!」と言い出します。行動範囲も広がり、危険に遭遇する可能性も増え、親は常にハラハラ、イライラの連続でしょう。親と自分は異なる人格であることを認識し始め、自我が芽生え始める時期です。
  • 第二次反抗期:中学生ごろ
    小学校高学年から中学時代を中心に高校生初期ごろまでは、何を聞いても「別に」「普通」と素っ気なく振る舞ったり、時には「ウザイ」など攻撃的な言葉で返すことも。身体は第二次性徴を反映し、心と体の成長に子ども自身、戸惑いや不安を感じやすい時期です。親との距離を取りたがり、大声で逆らうかと思えば、急にふさぎ込んだりします。
  • 中間反抗期:小学校低学年~中学年
    第一次反抗期と第二次反抗期の間、主に小学校低学年ごろから中学年ごろに始まるのが『中間反抗期』。家族中心の生活から友達に重きを置くようになってきます。親の目の届かない所での行動も増え、子供は自分が大人になったかのように感じているでしょう。「ゲームばかりしていたらダメ」「勉強しなさい」などの教育的メッセージに対し「親は口うるさい」と反発心を抱きます。
子どもの変化に戸惑い、ストレスを感じることもあるかもしれませんが、反抗期は子供が発達していっているサイン。通過年齢や程度に差異はあるもののほとんど誰もが通る道です。第一次反抗期である2歳、3歳、4歳の特徴や接し方、対処法をお伝えします。

■参考記事
子供の反抗期!自立を支援し親子関係を崩さない対処法
 

2歳児の反抗期:魔の2歳児はこう乗り越える

育児における大きな壁である第一次反抗期、通称「イヤイヤ期」。赤ちゃん時代の授乳やお世話には苦痛を感じなかったけれど、イヤイヤ期に「正直、手に負えなくてまいっている」「初めて子育てに壁を感じる」と打ち明けられる方も多くいます。

2歳児のイヤイヤ期は「いつまで続くの?」と憂うつになってしまうこともあるでしょうが、第一反抗期の激しい自己主張は、おおよそ3歳頃になれば落ち着きます。長くても1年、1年半くらいの勝負です。

■『魔の2歳児』のイヤイヤの例
2歳頃の子どもは、特定の物や事に強い興味とこだわりを見せます。昨日は大丈夫だったのに、今日は頑なに拒否する。同じことを繰り返しやりたがり、できないとひっくり返って大泣きする。大人にとっては「理解不能!」なのが、この時期のこだわりです。
  • 同じ洋服を着たがる
  • 着替えを嫌がる
  • 晴れていても長靴を履きたがる
  • 入浴を激しく拒否するが入ると出たがらない
  • ママにやってほしいけど自分でやりたい
  • 自分で絶対にできないこともやりたがる
  • フォークを置く向きが気に入らない
  • 決まったおもちゃを片手にどこへでも行く
  • エレベーターのボタンを自分で押さないと気がすまない
  • スーパーに行くと決まった順番で同じことをやりたがる

■2歳児『イヤイヤ期』のメカニズム・原因
魔の2歳児期の一見わがままな行動は、「自分で何かをやりたい」という自主性と表現力の現れです。それを遮られてしまったから、かんしゃくを起こしているというわけです。また、記憶力の発達も関わっています。

赤ちゃんの頃に比べ、より長期の、もっとはっきりした記憶を持つことができるようになった幼児は、大人が驚くほど詳細に覚えていたりします。例えば、大人がはさみで紙を切っていたのを見て覚えていた子供は、はさみを見つけるとその記憶がよみがえり、同じことをやってみようとします。

しかし、思った通りにはできなかったり、危ないから、または必要がないからと大人にやめさせられたりすると、その失望を怒りで表します。イヤイヤ期のかんしゃくは、自分が傷ついたとか相手を攻撃しようとするようなものではなく、もっと単純な「思っていたのと違う」という抗議なのです。

■『魔の2歳児』イヤイヤ期への対処法
激しいかんしゃくを起こすからといって、絶対に問題があるという訳ではありません。子どもが育っていく段階のひとつに過ぎないのです。あれもイヤこれもイヤとなると、親としてもついつい頭にきてしまい、空気がピリつくこともあるかもしれません。

真っ向から感情的に勝負してしまうと、子どもはさらに反抗し、親は大爆発と負のスパイラルに突入してしまいます。引き寄せ、抱きしめ、親子の絆を強めることが、心の成長期をいい形で乗り越えるコツです。

食べるとき、着替えるとき、出かけるとき、時間のない中で十分させてあげることが難しいタイミングもあるかもしれませんが、待つということは子育てにとって大切なキーワードです。本人の納得いくまでやらせてあげる機会も、たくさん作ってあげてください。

■参考記事
第1次反抗期「魔の2歳児」のイヤイヤ期やわがまま 乗り越え方
イヤイヤ期? 手強い第一次反抗期に対応する4ポイント
激しい反抗期を親はどう乗り越える?~【1】2歳前後
2歳児の身体・言葉の発達の特徴やイヤイヤ期への対応
2歳児の強いこだわりへの上手な対処法!
魔の2歳児の対処法は?子供のイヤイヤ期を乗り切る心がけ
一歳半頃から始まる癇癪(かんしゃく)を起こすメカニズムと対処法
 

3歳児の反抗期:さらに大変⁉ イヤイヤ期後期

3歳児の反抗期は、さらに大変になる……⁉

3歳児の反抗期は、さらに大変になる……⁉

イヤイヤ期というのは、2歳のときにやってくるものという印象が強いものです。しかし、もちろん2歳の誕生日ぴったりにやってくるわけではなく、当然ながら個人差があります。1歳後半で、「もしかしてイヤイヤ期」という子もいますし、3歳がピークという子も多く見受けられます。3歳のイヤイヤ期は、さらにパワーアップしたように感じるパパ・ママも多いよう。

■3歳の反抗期の例
  • わがまま
    わがままとは、自分の思うままにすること、しようとすること。自我の急成長期であるイヤイヤ期には、自然と自己主張をする回数が増えます。それに加えて、自分中心的な思考が優勢なので、自分のやりたいようにしたい!というわがままが増えることになります。
  • 癇癪
    癇癪とは、何か気に入らないことがあると、火がついたように感情的に怒る性質のこと。大声で泣き叫んだり、かみついたり、たたいたり、蹴ったり、物にあたったり、道路に寝転がって地団駄を踏む子もいます。一般的には、言葉がまだ自由にならない幼少期によく見られ、3歳を過ぎると減ってきますが、イヤイヤ期のフラストレーションから、癇癪を起こす子もいます。

■3歳の反抗期のメカニズム・原因
生まれてから数年の子供の成長は著しいもの。2歳になってからから3歳になるまでの1年は、言語能力、身体能力が飛躍的に伸び、数多くのできなかったことをこなして見せるようになる、成長目まぐるしい1年です。それにより、同じ「イヤイヤ」が、さらに巧みになってきたように感じられるかもしれません。

おしゃべりが上達したことで、親がイラっとするような生意気なことを言い返したり、エネルギッシュに動く体力がついたことで、ヘトヘトになるほど振り回されたり……。言い返す言葉、踏ん張る力、諦めない体力などが、2歳代よりもパワーアップしているため、親が、「手に負えない」と感じることが増えてしまうようです。

■3歳の反抗期への対処法
イヤイヤ期は、2歳前後に見られる自我の急成長期であり、期間限定のもの。よって、イヤイヤ期の自我成長の過程で見られるわがままや癇癪であれば、基本的に、イヤイヤ期が過ぎれば収まります。目に余るわがままでなければ、イヤイヤ期の範囲内と受け止め、家庭内のルールに沿って、対応していくのが望ましいです。

親が子どもの自我成長を促す働きかけを積極的に取り入れることで、イヤイヤ期中であっても、わがままや癇癪が控えめになるケースがよくあります。好奇心に応じた体験を増やす、チャレンジや冒険をさせるなどの経験を通し、「自分でやった」という気持ちが満たしてあげるのが重要です。

■参考記事
悪魔の3歳児?! 3歳反抗期のイヤイヤへの対処法
 

4歳児の反抗期:2歳、3歳を過ぎた4歳児は天使か悪魔か

4歳になっても、反抗期がある場合も……

4歳になっても、反抗期がある場合も……

赤ちゃん時代は極度の睡眠不足、そして2~3歳でイヤイヤ期。この大変な時期を乗り越えれば、少しは楽になるかと思ったら……。4歳の子は天使とも言われる一方、実際は言うことを聞かなかったり、わがままや反抗に親は疲労困憊という声も聞かれます。

■4歳の反抗期の例
イヤイヤ期は過ぎて、ようやく一息つけるかと思えば、大変な時期はなかなか終わりません。この時期は特に言語発達が著しいですが、その捉え方によって天使の4歳児と感じられるか、悪魔の4歳児と感じられるか変わってくるようです。

「2歳のイヤイヤ期は、まだまだ意思疎通が難しかった。それに比べれば、今は言葉で言ってくれる。だからだいぶ楽になった」と感じれば、天使の4歳児となり、「最近は口が達者になって、本当に生意気。腹が立つようなことばかり言ってくる」と感じると悪魔の4歳児に見えてくることも。

■4歳の反抗期のメカニズム・原因
4歳を過ぎると大脳の発達が進み、脳や心の認知能力が大きく伸び、より複雑な思考ができるようになってきます。思考が発達する時期というのは、つまり心の成長期。イヤイヤ期がそうであったように、心が急に成長する時期というのは、自分の内部で起こっている変化にその子自身が戸惑い、葛藤を感じます。4歳児を待ち受ける『4歳の壁』もそうで、自分の気持ちをうまくコントロールできず、泣いたり、わめいたり、我慢がきかなくなったりしてしまう傾向が見られます。

■4歳の反抗期の対処法
4歳の壁は、発達の過程の1つです。心の中で大きな認知革命が起こっているゆえの現象ですので、子どものことを悪く見たり、親自身が自分の育児を卑下したりしないようにしましょう。
この時期のわがままや癇癪の連発に疲れ、さじを投げてしまうと後々が大変になります。それまでやってきた家庭内のルールを崩さないよう、YouTubeやゲームの一日あたりの時間制限など、改めて決め事やしつけ方針を意識してみましょう。

また、なかなか言うことを聞いてくれないときに、お仕置きのような罰を与えたくなるかもしれませんが、お仕置きや体罰などにしつけとしての有効性はありません。しつけとは、望ましい行動を教えること。お仕置きや体罰は、その場の問題行動を止めることはできますが、新たな行動を学ばせる力はありません。

新しい行動を学ぶには、それなりのモチベーションが必要です。「〇〇したら、お仕置きだよ」のような、子供にイヤな思いをさせる形ではなく、「〇〇したら、いいことがあるよ」のように、喜びや達成感を得られるような働きかけが子供の心を動かします。

■参考記事
「4歳児は天使」の誤解?! 反抗期や癇癪の心理と対策
 

ピリピリし過ぎずに育児を続ける秘訣とは

2歳、3歳、4歳の各年齢別の反抗期についての理解は深まりましたか? 何歳になっても、親はいつでも子どもにとっての安全基地。子供たちはいきなり巣立つわけではなく、巣に戻る回数を少しずつ減らしながら、大人になっていきます。

「〇歳になったから、ここでひと段落」と育児の区切りを作ってしまうと、続いていく反抗期に辛くなることがありますので、子供たちはまだまだ巣に戻ってくるものと思っておくことが、ピリピリし過ぎず育児を続けられる秘訣かもしれません。

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