子どもが起こす癇癪(かんしゃく)の意味とは?

子供の行動の裏には必ずメッセージがあります。悪いことと自覚しているのに、「叩く」「物を投げる」等するケースのメッセージは大きく分けて2つ。1つめはママからの注目を求める時、2つめは上手に気持ちを表現できない時です。癇癪を起こしている時、実は一番困っているのは子供自身。やりたくてやっているわけではないのです。
イヤイヤ期が始まる頃の1歳半や3歳頃の幼児の癇癪(かんしゃく)への対処法

「あ、また始まった! 落ち着くまで放っておこう~」その関り方は本当に大夫?

 

癇癪の放置はNG!放って置かれるとママが容認しているとの誤解に

まずは癇癪を放置した場合にどうなるか、しっかり押さえておきましょう。子供は経験を通じて、たくさんのことを学習していきます。もし、「癇癪を起こせばママが来る」「椅子を倒せばママが気がついてくれる」と学習すれば、ママを呼ぶために、その方法を選び続けるのです。「悪いことをすればママがかまってくれる」と学習した結果として、子供の月齢が上がるにつれ、行動が派手になっていきます。子供の癇癪をそのまま放っておくことは、子供にとって「ママはこの行動を容認している」というメッセージなのです。

 

癇癪が及ぼす子供の心への影響……自己肯定感の低下を招く

癇癪を放置することで、更に行動化が進むというお話をしましたが、もっと注意すべき点は子供の心への影響です。

子供自身が困っている気持ちを上手に表現できず、「悪いこと」を繰り返せば、大好きなママから怒られる回数は増えてしまう。ママに「理解してほしい」「共感してほしい」という想いは受け止めてもらえずに、怒られる回数が重なると「自分は悪い子」というセルフイメージが子供の中に育っていきます。これは自己肯定感(自分が価値がある人と認識したり、自分の存在を大切に思う気持ち)を下げることにつながりかねません。

 

癇癪が起きた! 親が一番にやるべきことは?

癇癪が起きたその時、どうしても反射的に口で注意しがちです。でも、「やめなさい! 」と声をかけて子供はやめるでしょうか? それでやめるようなら、この記事をここまで読んではいないはず。効き目のない関わりはやめて、子供の癇癪が始まったらすぐに子供のそばに行き、しっかりと抱きしめ、手を握ってあげます。子供に触れることで行動を止めてあげるのです。もし暴れてしまうくらいに激しい時には、危険回避の為に子供の手と足の行動を制限するように抱きしめるのも有効です。
 

子供が癇癪を起した気持ちを代弁する

癇癪を起した子供の気持ちを代弁してみましょう

ママとのやりとりの中で、子供の感情が育ち、表現する力が身につきます。

抱きしめたあとは、子供の気持ちを受け止めましょう。「○○が嫌だったかな?」「□□がしたかったかな?」ママが思い当たる理由を言葉のシャワーにして伝えると、子供はママが自分を理解しようとしてくれていることを感じられます。そのプロセスを通じて、感情を言葉で表現することを学び、自分が本当に望んでいたことに気づけるようになります。

 

感情の新しい表現方法の提案をする

気持ちを代弁したあとは、これから同じような気持ちになった時どうしたらいいか、話をしてみましょう。ママを呼びたい時に癇癪を起こしている場合には、望ましい行動で呼ぶことを提案していきます。

<例>
「ママのことを呼びたかったら、パンチじゃなくて、ママの肩をトントンってできる?」
「『嫌なことがあったから、お話を聞いてほしい』って言ってくれる?」

また、上手に気持ちが表現できずに癇癪を起こしている子のケースでは、「気持ちがモヤモヤする正体には名前がある」と伝える所から始めましょう。今自分に起きていることが何か、子ども自身が知ることはとても大事なことです。感情には名前があり、その気持ちを大切に扱うことを小さい時から学習することで、セルフコントロールの力が身につきます。

<例>
「『悲しい気持ちになったよ』って言うのはどう?」
「『今怒ってるよ!』って教えてくれる?」

子供の力に合わせた気持ちの表現方法を、一緒に考えて次に繋げていきます。ここでのポイントは、ママが行動を指示したり、決めたりするのではなく、「子ども自身が決める」ということです。自己決定により再び同じ場面になった時に、ママと一緒に決めた「新しい方法」を思い出す可能性が高まります。

 

気持ちの表現がデキる子に育てよう!

癇癪は子供にとってもつらく苦しいもの。新しい方法が楽だとわかれば、癇癪を起こす必要がなくなります。また自分の気持ちを表現できるのは子供の自信につながり、自己肯定感を高めてくれるとも言えるでしょう。

癇癪は長い子育ての中ではほんの一時のもの。でも、ただ過ぎるのを待っても良いことはありません。この瞬間を「今が関わるタイミング! 」と押さえて、ピンチをチャンスに! 一緒にそのプロセスを味わうことで、子どもとの関係が更に深まっていくのです。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。