「キレる子供」は、怒りや感情の高揚を制御できない

77-1kirerukodomo

些細な事でも、怒りの感情や高揚を自分では制御できず、大声を出したり、乱暴な言動を露わにする「キレる子供」が昨今増えてきています

子供がキレる原因とその心理状態、対処法について解説していきます。

最近、「すぐにキレる子供」「キレやすい子供」という表現をよく聞きますが、どういう状態のことでしょうか? それは、怒りや感情の高揚を自分では制御できず、乱暴な言動を露わにする衝動に駆られる事を言います。

自分の気に入らない事があったり、思い通りにいかない事があると、大声を出したり、物を壊したり、暴れたり、時には暴力を振るったりするいわゆる「キレやすい子」が最近は増えてきているとの報告もあります。(内閣府2015年度子ども若者白書より)

もし子供がキレた場合、親はどのように対処すればよいのでしょうか?キレる子供の心理状態の説明を通し、改善する親の関わり方をお伝えしていきます。

 

感情や意志を抑圧されてきた子供ほどキレやすい

感情や意志を抑圧されてきた子供ほどキレやすい

感情や意志を抑圧されてきた子供ほどキレやすい

気に入らないことがあったり、自分の思い通りにならないと、些細な事でも攻撃的な言動を露わにする子供は、「何でも思い通りになるように、我慢を強いられずに育った子供」というイメージを持たれがちですが、実はそうではありません。

親に虐待を受けたり、家庭的に恵まれなかった子供は常に我慢を強いられ、思い通りにならない幼少期を送っています。そのような子供たちはキレることが少ないかと言うと、反対に多いのが現実です。それは何故なのでしょうか?キレる子供の心理とはどういう状態なのでしょうか?

 

キレる子供の心理とは?素直な感情と周囲に見せる言動のギャップが大きい

子供がキレる原因は、さまざまな要因や背景が複雑に絡み合って起こるもので、ひとつに限定することはできません。ですが特に大きな原因に「素直な感情と周囲に見せる言動のギャップ」があげられます。

そのギャップが大きければ大きいほど、心の抑圧も大きくなり、キレやすくなると言えるでしょう。

 

【乳幼児期】素直に感情を出したら親に拒否され、偽の感情を表す

乳幼児期に寂しさが表せない

乳幼児期に寂しさが表せない

赤ちゃんの頃、ママに抱っこしてもらえないことに寂しさを感じ、泣いて訴えたところ、すぐに親が駆け寄って笑顔で「寂しかったのね」と声をかけられ、抱っこされた経験をしてきた赤ちゃんは、寂しかったら泣く、という感情を素直に出せるようになってきます。

ですが、反対に泣く事によって、親が「うるさい!」と言って、怒りの感情を露わにし拒否された場合、赤ちゃんは寂しい時、泣くと親に受け入れらないと感じ、徐々に泣かないようになっていきます。

生活の全てを親に依存している赤ちゃんは、「寂しくても笑顔でいなければ、自分は生きていけない」という本能が働くのです。そして生きていくために、真の感情を抑え、偽の感情や言動を表すようになっていくのです。

 

【学童期】本当の気持ちを言えず、真意でない言動を続ける

最近の小学生は習い事の数が多く、毎日何かに通っているという子供もいるでしょう。自分が意欲的に取り組みたい習い事であればよいのですが、気の進まないままに通い続ける子供もいると思います。

親に「辞めたい」とはっきり自分の意志を伝えたところ、親に叱咤され、激怒された、または親が悲しそうな顔をした、などの場合、子供は真の意志を抑え、気の進まない習い事を続けていることもあるでしょう。

その為、本当の気持ちや意志は抑圧され、真意でない生活を送ることになっていきます。
 

抑圧された感情が爆発する時、子供はキレる

そして、ずっと抑えていた感情や真意でない日常が、ある時耐えきれず、一気に爆発し、キレる子供になってしまうのです。

「すぐにキレる」「キレやすい」と言われる子供は、本当の感情や意志を出せなかった子供、自分の気持ちを抑え、親に従順に従っていた、従わざるを得なかった子供と言えるでしょう。

 

子供がキレた時、親がすぐにできる具体的関わり方ステップ

■ステップ1、ありのままの自分を出しても大丈夫という安心感を与える
77-2kirerukodomo

子供が素直な感情を出してきた時は、どのようなものでも、一旦は受け入れてあげてください。時にはスキンシップを取りながら、ゆっくり話を聴いてあげるのもよいでしょう

キレる子供は、それまでに本当の自分の感情を出したところ、親に認められなかった、受け入れられなかった、拒否されたという記憶がファイルされています。

ですので、子供が素直な感情を出してきた時は、どのようなものでも、一旦は受け入れてあげてください。時にはスキンシップを取りながら、ゆっくり話を聴いてあげるのもよいでしょう。


■ステップ2、キレた時の感情を思い出させ、自分と対話させる
落ち着いている時、「何故あの時あんなに大声出して暴れたの?」と尋ねます。

返答は、子供の心理状態によって、さまざまだと思います。その時の思いや感情を落ち着いて話せる子もいれば、そうでない子もいるでしょう。

どのような言葉を発しても否定せず、「そう、悔しかったのね」「辛かったんだね」「それは、腹立つわね」という感じに子どもの言葉をオウム返ししながら、「今だったら、その時の自分になんて言葉をかける?」と尋ねてみましょう。

「そんなに腹を立てなくてもよかったのに」「落ち着いて言葉で説明すれば分かってもらえたかもしれない」などの言葉を引き出せるかもしれません。

これを繰り返すうちに、徐々にキレている自分を客観的に見る力が養われ、少しずつ、真の感情と表面に現れる感情や言動のギャップが小さくなり、キレる状態が改善されることが多いでしょう。

 

その他の、子どもがキレる原因と改善法

■規則正しい生活習慣を心がける
キレる原因には、食事や睡眠時間などの日常の生活習慣もあげられます。例えば、神経の興奮を抑えるカルシウムが不足すると、キレやすくなると言われています。その他、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなども含め、バランスよく栄養素が摂取できる食事を心がけましょう。

また生活が不規則になると、子供の精神状態が不安定になったりし、キレる原因になります。睡眠時間や適度な運動も含め、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

■発達障害の可能性も視野に入れる
その他、原因には発達障害の可能性がある事もありますので、親が見て「ちょっと他の子とは違うかもしれない」と感じたら、専門医を尋ねてみましょう。

 

キレる子供自身も辛い事を理解し、焦らず対応する

一概に「キレる子供」と言っても、その原因や表れ方はさまざまですが、幼い頃から蓄積された心の抑圧で、子供自身もセルフコントロールできず、辛いのです。

自分自身を制御できない苦しみや、周囲から益々受け入れられなくなる不安を抱きながら、葛藤している子供の心を理解してあげましょう。

少しずつ素直な感情が出せるように、縛られているモノから解き放たれるには、親や周囲の大人たちの努力と時間が必要です。

子供がキレる原因とその心理状態、対処法について解説しました。親はゆっくり焦らずに、安心して本当の自分を表現できる環境を整え、子供の心を受け入れてあげましょう。


※関連記事
自分で判断し我慢できる子に導く!心の育て方
恐怖を与える叱り方はなぜNG?効果抜群の叱り方は?


 

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。