何回も怒られるのは、ちっとも学んでいないということ?

怒られるのが分かっているのに繰り返しやるのはなぜ?

怒られるのが分かっているのに繰り返しやるのはなぜ?

「うちの子、いつも同じことを注意されてちっとも学ばない…」と悩むママは非常に多いもの。でも実はママが期待していることとは別のことをしっかり学んでいます。子供が行動を繰り返す本当の理由とは? それが分かると、解決の糸口が見えてきます!
 

子供が同じことをする理由はただ1つ!

子供って同じことを繰り返しますよね。例えば、
  • 毎日毎日同じお人形ごっこをする
  • お絵かきを次から次へと書きあげる
あとは、
  • ゲームを止めなさいと注意してもやり続ける
  • ママに怒られそうないたずらばかりを繰り返す
などもそうです。

「いやいや、前者と後者は違うでしょ」
「お絵かきやお人形ごっこにはまるのは分かるけど、叱られても繰り返すのはタイプが別」

そう思うかもしれません。でも、心理学的に見れば、その原理は同じなんです。

その行動を繰り返すのは、何かしら自分にメリットがあるから。「連日の同じごっこ遊び」には大きな心で付き合ってあげるとして、ここでは、「ママが止めてもらいたいのに、何回も繰り返す行動」について取り扱っていきます。「なぜママに怒られても、次また同じことをやってしまうのか?」が分かると、どうすればその繰り返しをストップさせることができるかが見えてきます。早速、その原理を見ていきましょう。


「正の強化」のしくみを知ろう

人間は自分にとって「いい結果」を得られると、その行動を繰り返すようになります。「悪い結果」がもたらされると、それを避けるようになります。これは大人も子供も同じなので、感覚的に理解しやすいと思います。要は、人間は自分の行動の理由に因果関係を求めるのですね。

今回のテーマ「行動の繰り返し」につながるのは、前者のパターンです。この「いい結果」が得られる行動が増えていく現象を、心理学では“正の強化”といいます。

前項のお人形ごっこやお絵かきの例は、その行動を繰り返したくなる理由として理解しやすいと思います。なぜなら、「楽しいごっこ遊びだった」「お絵かきが上手に書けた」という「いい結果」が、次へのモチベーションになるからです。では、ゲームやいたずらに関してはどうでしょうか?

一見すると、そこには「いい結果」がないように思えます。なぜなら、ママにガミガミ怒られるのが”オチ”なのですから。しかし、これはママ側の見方。ガミガミ怒るママ側からしたら、あの毒を吐き出すようなプロセスが「いい結果」だなんて到底思えません。しかし、子供にとっては、それが「いい結果」になりうるのです!


怒られても繰り返す2つの理由とは?

ママに怒られても子供がその行動を繰り返す場合、主に次の2つの理由が絡んでいます。

■1. ママのお小言が時間の確保につながる場合
ゲームやテレビを止めたくない子にとって、ママの「ゲームをやめなさい」「テレビを消しなさい」はたしかにイヤなサインです。しかし、子供がもっともイヤだと思っているのは、ゲームやテレビがただちにOFFにされること。もしママがガミガミと言っている間、そのままゲームやテレビをONにしておけるのなら、それは子供にとって悪くはないパターン。そのお小言にさらされつつも、テレビを見ていられるからです。引きのばし作戦成功というわけです。「ママがガミガミ、クドクド怒るのは、時間の確保につながる」と子供が判断すれば、次回も繰り返そうと思ってしまいます。

■2. ママを怒らせてでも注意を自分に向けたい場合
子供は、自分に注目してもらいたいとき、次から次へとママが怒るようなことをすることがあります。子供がもっとも欲しているのは「親の愛情」というのは周知の事実ですが、親の目線の在り方でその愛情を確かめようとすることがあるのです。もし「パパやママにもっと見て欲しい」と思っている子が、自分の力で親を振り向かせたいとき、「泣けば来てくれる」「騒げば振り向いてくれる」「いたずらをすれば飛んできてくれる」と分かれば、もっと泣き、もっと騒ぎ、もっといたずらをするようになっていきます。そのとき、たとえ怒られても、欲しかった「愛情確認」ができたことはその子にとっては「いい結果」。それにより、その行動が繰り返されるようになるのです。


悪いパターンの繰り返し、どう解消していくべき?

「自分が望む報酬を得られる行動は繰り返される」というのが“正の強化”の原理。だから、ママのお小言をスルーするだけでゲームの時間を長引かせることができたり、ちょっといたずらすればママが飛んできてくれたりすれば、その行動は強化されていきます。

このような場合、ママの叱る姿自体が強化要因になってしまっているので、いくら叱っても、その行動が改まることはないのです。やめて欲しいから叱っているのに、逆に促進させてしまっている……、何とも皮肉なことです。しかし、一見すると抜け出せないような泥沼状態も、目線を変えることで改善することができます。

■時間の確保につながっているときの断ち切り方
まず、ゲームやテレビのような「長引かせ」のケースは、その目的(スイッチを切る)をすぐに達成することがポイントです。長々とお説教したくなる気持ちは山々ですが、それが長引かせにつながりますので、それよりも、すみやかに「終了」を目指しましょう。

■愛情確認につながっているときの断ち切り方

また、「愛情確認」のケースは、親の時間的な余裕がまともに影響しやすく、「下の子が生まれた」などの一時的なイベントで起こることも多いようです。忙しいからという理由で、その子がご機嫌なときに目を配ってあげないと、子供は何とか視線をゲットしようと奔走してしまうのです。この状態は、「いたずらをしなくてもママは僕のことをしっかり見てくれる」と子供自身が実感できるようになれば改善していきます。つまり、普通にしているときに目線を配る量を増やし、「いたずらは必要ない」と感じてもらえるようにするのです。いたずらをされてしまうと、逆にもっと忙しくなります。また、イライラしたり怒鳴ったりといいことはありません。それよりは、普段の普通のことにちょっと目をかけてあげるだけで、子供は正しい形の愛情を受け取ってくれるようになります。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。