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子供が返事しない、話を聞こうとしない……何か秘策はある?

子どもがまったく言うことを聞かないので、困り果てていませんか?叱るとようやく返事をするといった状況。子供が返事しない、親の話を聞こうとしない……どうしたらいいのでしょうか?子育て心理学の観点から、おすすめの方法を2つご紹介します。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

子供が返事しない、親の話を聞こうとしないときの対処法は?

子供が返事しない、親の話を聞こうとしない……何か秘策はある?

「絶対に聞こえているはずなのに、子どもが返事をしなくて頭にくる」と、ストレスを抱える親御さんは多いもの

育児相談をしていて、もっともよく聞くお悩みの1つが、「言うことを聞かない」「親の話を聞かない」「返事をしない」というもの。「ちゃんと言っているのに聞かないんです」「絶対に聞こえているはずなのに、返事をしなくて頭に来る」と繰り返し言わなくてはいけないことに、多くの親御さんがストレスを感じています。とくに、毎日を切り盛りしなくてはいけないママからすれば、子どもがスッと動いてくれないというのは、かなりのイライラにつながります。

では、なぜ子供は親の話を聞けないのでしょうか、そして、その状態を改善するためにできる工夫はどんなことでしょうか? 子育て心理学の観点から、おすすめの方法を2つご紹介します。
   

うちの子、なぜ話を聞かない・返事をしない?

たとえば、こんな状況。
テレビを見ている我が子に、キッチンからママが声をかけます。

「ほら、ごはんだからテレビを消して」
でも子供はちっとも動きません。そこでもう一度、前よりも大きな声で、

「テレビを消しなさい!」
しかしそれでもテレビにくぎ付けです。声の大きさは十分だし、絶対に聞こえているはず……。それなのに、なぜ聞こうとしないのか?
  • ママの声にまったく気づいていないから
  • 気づいていても、空返事で情報を素通りさせているから
  • 聞く必要がないと思っているから
  • 聞かなくても、いつも何とかなっているから
共通しているのは、子供がママの声に注目していないということです。

そんな状況を改善するには、どうしたらいいのでしょうか。子供がママの話に耳を傾けるためにできる工夫を順に見ていきましょう。
 

ポイント1:何度も繰り返すよりも1回で存在をアピール

人間は音が混在する中で生活をしていますが、ざわざわした中でも、自分が注目したい音を意識的に選択することができます。たとえば、大混雑の公園で、大勢の子供の声に混じって、我が子が「ママ~」と呼ぶ声が聞こえてきたら、ママはその声に瞬間的に反応できます。雑然とした中でも、自分が拾おうとしている声をきちんとピックアップできるのです。
 
子供が何かに夢中になっているときも同様です。テレビに夢中になっていると、周りの音をシャットアウトして、のめりこんでいることがよくありますが、こういうときに、テレビよりも離れたところからママが声をかけても届きにくいのが実情です。

こういう場合は、テレビの前に立つなど、自然とママの姿が視界に入るところまで行き、子供と目が合ってから、「ごはんだよ」と声をかけてみましょう。もちろん仁王立ちする必要はありません。存在に気づいてもらい、注意を向けるために、あえて子供の視界に入るのが目的なので、普通に声をかければ十分です。

食事の支度中にわざわざ作業を切り上げてそこまで行くなんて……と思うかもしれませんが、5回も6回も声を大にして注意することを考えたら、スッキリ1回で明確に指示をした方がママの精神的な負担が少なくなります。
 

ポイント2:聞き方を間違わない

親の話を聞かない、返事をしない子ども

「聞く」「訊く」「聴く」の中でも、子供の自発的な話に耳を傾けることが「聴く」が大切

2つめのポイントは、1つめとはだいぶニュアンスが違いますが、自分がどこまで子供の話を聞けているかを振り返ってみましょう。なぜなら、話を聞いてくれないママの話は、子供も聞こうと思えないからです。
 
私はこういう状況での「きく」は、「聞く」ではなく、「聴く」という漢字を用いて、あえて違いを分かっていただくようにしています。さらに加えるなら、「訊く」との区別も。
  • 聞くとは、その場にある音や声を耳で感じとること
  • 訊くとは、相手に質問し、答えを求めること
  • 聴くとは、相手の話に対し、耳だけでなく目線や心も傾けること
この中で、一番しっかり子供の話を把握できるのはどれでしょうか?

そうです、「聴く」です。
 
この違いを踏まえて、お子さんに対して、日々の会話の中でやっているのは、どれに当たるでしょうか? 「聞く」ですか? 「訊く」ですか? それとも「聴く」ですか?
 
よく見られるのが、子供の話を“聴こう”と思っていたのに、いつのまにか“訊いていた”というケースです。訊くという行為は、親が子供に質問をどんどんと投げかけて答えを導き出そうとするため、会話の大半をママが独占していたり、耳よりも口を使っていたりという状況に陥りやすいのが特徴です。たとえば、「学校どうだった?」「今日何したの?」などはその典型です。
 
子供の自発的な話に耳を傾けることが、子供の話を聴くということ。それを十分に満たしてあげると、子供は、「自分を認めてもらった」「ママは自分に注目してくれている」と感じることができるため、ママに対しても素直な気持ちを向けられるようになります。子供の自発的な話は、ときに大人にとっては退屈だったり、興味が持てない内容だったりするかもしれません。でもそこでママが会話を乗っ取ってしまうと、子供にとっては、会話が遮断されたと感じられ、負の循環を生むことになってしまいます。

ママも毎日忙しいので、子供の話を100%聴くことはできないでしょう。でもたとえば、夕食の時間、お風呂の時間、寝る前のひとときなど、毎日「この時間だけは集中!」と機会を設定する形なら取り入れやすいと思います。

アイコンタクトを確認してから指示を出すこと、そして、子供が自ら話したい話題をきちんと聴くこと、この2点をぜひ意識してみてください。


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