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子供が親を無視?質問に答えない理由と子どもへの対処法

声をかけても子供が無視する、質問しても答えようとしない、こう悩む親御さんは多いものです。ここでは、小学生くらいの子に見られる「なぜ親の質問をスルーするのか」について、その原因と対策について見ていきます。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

子供が親の質問に答えない、無視するのはなぜ?

子供が親を無視?質問に答えない理由と子どもへの対処法

子供に無視されると怒り心頭! いったいどうしたらいい?

「声をかけても子供が無視する」
「質問しても答えようとしない」

こんなご経験ないでしょうか?
子供って、親の言っていることをスーッと無視することが結構あります。原因はさまざまで、ちょっとした工夫で改善されるものから、より深刻なケースまでいろいろです。ここでは、小学生くらいの子に見られる「なぜ親の質問をスルーするのか」について、その原因と対策について見ていきます。
   

子供に声をかけてもスルー、考えられるいくつかの理由

親子に限らず、会話というのは基本キャッチボール。自分が話して、相手もそれに対して反応する、こういうやりとりを私たちは日々それこそ数えきれないほど繰り返しています。リアクションがあって当然という状況に慣れているので、反応がないと動揺してしまいますが、それがわが子だったりすると、親は動揺を通り越して怒り心頭です。

たとえば、
「テレビ消しなさい」⇒無視
「部屋をかたづけて」⇒スルー
「今日学校どうだった?」⇒「……」

こういう一方通行、結構ありませんか。

ここで見える共通の現象は「親を無視している」ですが、でも考えられる理由は1つではなく、多岐におよんでいます。まずはありがちな3つが、
  • 気づいていないケース
    子供の意識がそれていて、親の声を拾えていない。テレビやゲームに夢中になっているときに、数メートル離れたところから指示を出したりすると起こりやすい
  • 答えようがないケース
    親からの質問が抽象的すぎて答えにくい。「学校どうだった?」はその典型で、朝から夕方まで何時間も過ごしている学校のことを「どうだった?」のひとことでは答えにくい
  • 無視した方がお得だと子供が判断しているケース
    テレビやゲームなど子供が大好きなことをやめさせるときに起こりやすい。親がくどくど横で叱っている中、テレビはまだついているし、ゲームもできている状態であれば、子供はこれ幸いと感じるのでお小言はスルーするのが一番と決め込んでしまう
これらは、子供の視界に入って、アイコンタクトができてから「○○しなさい」と発し、叱りを長引かせない、具体的な質問に落とし込んだりする、などを意識することで、反応を引き出しやすくなります。
 

本題、心にわだかまりがあることが理由で親を無視するケース

そして本記事の本題である、「心に何かしらの葛藤や問題を抱えているケース」について見ていきます。上の3つよりも事が深刻ですが、ここでも理由は1つではなく複数考えられます。その主なものを挙げてみましょう。  
  • 何を言っても口うるさく言われるから
    子供が経験上、返答してもどうせ親に否定されると分かっていると、やはり口を開きたくなくなります。子供が何か言うと、まずひとこと目に、「でもそれって」とか、「だけどそれじゃぁ」のような言葉が出がちな方は要注意です。
  • 言いたくないことを聞かれているから
    親が聞こうとしていることが、子供のわだかまりの核心部分に触れていると、もうだまるしかないと思いやすくなります。親に迷惑をかけたくないとか、格好悪いところを見せたくないと思うことでも起こりやすいので、普段、子供に期待をかけすぎていたり、いい子であることを強く求めてしまっている場合は、そのしばりを解いてあげることも大事になります。
  • 心理的リアクタンスを起こしているから
    人には生まれつき、自分の行動や選択を自分で決めたいという欲求があります。子供は大人よりもずっと自由に生きているので、「コントロールされている」「自由度が奪われている」と感じると、抵抗を起こしやすくなります。「宿題やった?」「今やろうと思ってたのに」などはよく見られる現象です。親が一方的に決めつけてばかりだと、このリアクタンスが起こりやすく、それが親を無視するきっかけになることがあります。
*心理的リアクタンスとは?
心理的リアクタンスとは、今から50年ほど前に、アメリカの心理学者・ブレーム博士が提唱したものです。特徴は「説得されると、抵抗したくなる」ということで、子供だけでなく、大人も、よく経験している心理現象です。
  

わだかまりを溶かす方法でまずは親子間の距離を縮める

子供が心になんらかのわだかまりを抱えていて、それで親を無視したりするような場合は、質問攻めにしても、決していい方にはいきません。親に言葉で押されたら、子供は歯向かうか、殻にこもるか、そのどちらかでしょう。

長年、育児の悩みに向き合ってきたアメリカのバリッシュ博士は、こういうときには、「子供の興味に親が興味を持つことが大事」と言います。たとえ、それが「本当は興味がないものであっても」だそうです。
親を無視する子供、親の質問に答えない、聞いても答えてくれない子ども

親の質問に答えない子供の好きなことや得意分野について話を聞いてあげるよう

ママにとっては昆虫はぜんぜん興味がないジャンルかもしれません。パパにとっては手芸なんて別世界の趣味かもしれません。でも、それでも「それってどこに生息してるの?」「このフェルトのお財布どうやって作ったの?」と、子供の興味を知ろうとする関わり、これが非常に重要なのです。子供は自分の好きなこと、得意な分野の話になると、饒舌になるものです。パパやママにとっては未知の分野かもしれませんが、ド素人で知らないことも多い分、「これってなに?」「教えて!」「え、ホント!?」とつっこみやすいと思いますので、「子供の興味に興味を持つ」はぜひ実践してもらいたい方法です。

それにより、子供は「自分の話をちゃんと聞いてくれる」と実感でき、それが「自分が受け入れてもらっている」という感覚をもたらします。大人もそうですが、相手が受け入れてくれる確信があって、はじめて、「じゃ、話してみようかな」と思えるもの。子供を質問攻めにして空ぶりするよりも、わだかまりを溶かす「子供の興味に興味を持つ」アプローチをまずは取ってみてください。

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