本を読む子と読まない子の違い

小学生になってよく本を読む子とそうでない子がいます。両者を比較して気づいたことがあります。
本を読む母子

本を読む子どもは語彙が豊富


よく本を読む子
  • 小さい頃から本に親しみ、本が好き
  • 昔話をよく知っている
  • 言葉をよく知っている(語彙が豊富)
  • 会話での表現力がある
  • 算数の文章問題がよくできる

あまり本を読まない子
  • あまり絵本を読んだ経験がない
  • 浦島太郎や一寸法師などの昔話をあまり知らない
  • 子どもの日常会話以外の言葉を知らない
  • 会話のスタイルが限られている
  • 算数の文章問題の出題意図がくみ取れない

表に出てくる違いの原因をよく探ってみると、結局は言葉の知識=語彙力の差が大きいのではないでしょうか。

というのは、つぎのような悪循環が起こるからです。

言葉を知らないと本を読んでも理解できない

面白くない

だから本を読まない

ますます語彙が身につかない

本をよく読む子は、反対の好循環が生じて、ますます本を読むようになります。

つい最近も、ガイドと仲良しの小学生が、毎日学校から伝記ものを借りて来ました。「福沢諭吉」「エジソン」「坂本龍馬」「リンカーン」など。一度面白いと思った分野はまとめて読みたくなるのだそうです。

政治や科学など幅広い分野のこうした本を読んでいたら、広く浅くですが多くの言葉と概念を知ることができます。

大人に多読を勧める人がいますが、これは知識ベースが広がることで、本を読む速度が増して、どんどん理解できるという理屈なのです。子どもでも同じことが言えるのではないでしょうか。

量より質とはよく言いますが、反対に量が一定の壁を超えると質に転化するという真理も世の中にはあるようです。英語のヒヤリングがそうですね。

子どもを本に親しませて本アレルギーにしない

お子さんが小さい内に、子どもを本に親しませると、本に対するアレルギーはなくなります。この時に、無理やり読ませようとしないこと。寝る前に読み聞かせをしてやるなど、自分で読まなくても本に書いてあることが面白いと感じることが大切です。

本を読む女性

本を読む親の姿を子どもに見せる

また親が本を読む姿を見せることも大事なポイント。子どもは大人の真似をしたがるものです。「お母さんが、真剣に本を読んでいるけれど、そんなに面白いものなのだろうか?」と思わせるだけで良いのです。

親が本を読んでいたら、まだ2歳くらいの子どもが絵本を持ってきて、横に座って読む真似を始めるということはよくあります。文字が読めるようになれば、いずれ自分で読み始めます。

本が周りにたくさんある環境を作るだけでもずいぶんと違います。ガイドの家では、小さな街の書店の児童書コーナーくらいの絵本や児童書を揃えました。横には親が読む本棚があります。子どもが成長した今でも同じで、変わったのは児童書が子どもが買ってきた本に変わったこと。おかげで本が好きな子どもたちに育ちました。

相田一人氏(相田みつを心の美術館館長)が、インタビューで次のような話しをされていたことを思い出します。

当時一人氏が通う小学校のPTA会長をされていた相田みつを氏が保護者から尋ねられました。「うちの子は本を読まないのですが、どうしたら読むようになるでしょうか?」すると「まずはお母さんが本を読む姿を見せなさい。そうすれば子どもが本を読むようになるでしょう。まず親がやってみせることです。」と答えました。子どもは親の背中を見て育つという意味です。

知っている言葉を増やすには

それから最近の小学生に共通することがあります。ニュースに上る話題をあまり知らないのです。家族で一緒にテレビを見るという習慣がなくなったからでしょうか。かつては自分は見たくなくても、父親がニュースを見ている傍らで一緒に見るから、子どもも世の中の事について知識を得ていたものです。

その中から、今を映すキーワードを身につけることができ、また、知らない言葉があれば親に聞いて吸収します。幼稚園児でもニュースに接していれば「TPP」という言葉を知っています。逆に、小学生でも知らない子どもは大勢います。

結局、言葉の知識=語彙力の差は、家庭環境によるところが大きいようです。「勉強」という形でなくても、そうした言葉があふれている状況を作ってやると、子どもが本来持つ吸収力が発揮されて、言葉を身につけて、結果として本が読みやすくなるのではないでしょうか。



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