絵本の読み聞かせを間違えると、子どもは本嫌いに!

「うちの子、全然本を読まなくて……」と悩む方にお話を伺うと、本嫌いの原因が幼い頃の読み聞かせにあることも多いように見受けられます。実際に誤ったやり方をすると、お子さんがたった5分で本嫌いになることもあるのです。

子どもたちを楽しい本の世界へ誘う読み聞かせも、間違ったやり方をすれば逆効果という訳です。そこで今回は、やってはいけない読み聞かせの4大NGについてお話します。まずは、大人が持つ「下心」から始まる読み聞かせのNGです。

【絵本読み聞かせ4大NG】  

NG1:質問攻めの読み聞かせ(知育に活かしたいという下心)

矢継ぎ早の質問を受けうんざりする子どものイメージ画像

読後の質問に子どもがこんな顔をしたら絵本嫌いになりかけているかも?!

絵本を読んだ後、「うさぎさんはどうして泣いたんだろうね?」とか「くまさんは全部で何頭出てきた?」などと、絵本の内容について質問することはありませんか? お子さんの気持ちや理解度(?)を確認したいのでしょうが、これは絶対いけません。絵本の楽しみが半減してしまいます。

大人だって、読書のたびに誰かに主人公の心情変化の説明やら感想やらを求められたら、鬱陶しくてせっかくの感動も興ざめでしょう? 子どもも同じ。絵本は国語や算数の教科書ではありません。あたかも学校の先生のように質問を繰り返すのはやめましょう。

質問攻めの読み聞かせを続けていたら、「お母さんが絵本を出してくると、読む前からお子さんが逃げ回る」という笑えない状況に陥ったケースがありました。絵本が楽しみではなく苦痛になってしまったら、そこから絵本好きに戻るのはとても大変です。

 

NG2:躾けのための読み聞かせ(手っ取り早く躾けたい下心)

絵本を躾けに利用することが、全て悪いわけではありません。例えばトイレトレーニングなどで、子どもが「自分でやりたい」と思う気持ちを上手に引き出してくれる作品もたくさんありますから、これらを上手に利用しない手はありません。
 
『ぱんつも いいな』の表紙画像

トイレトレーニングに最適と評判の絵本。子どものやる気UPに繋がる?!

でも、1度上手くいったからといって、何でもかんでも躾けに絵本を利用しようとするのは間違いです。大人のその下心を子どもが感じないはずはありません。絵本による安直な躾けを繰り返すうちに、子どもにとっては絵本が楽しみではなくお説教のツールになってしまうのです。

いくら絵本が躾けに役立つとはいっても、やはり過ぎたるは及ばざるがごとし。本の選び方も含め、大人の思惑だけが優先する読み聞かせは厳に慎みたいものです。

 

NG3:最後まで聞かせようとする読み聞かせ(無理じい)

身体を動かして遊びたい子どものイメージ画像

こんな風に動いて遊びたい時は、読み聞かせを強要しない方が良いです!

せっかく読むのですから、子どもたちにはしっかり最後まで聞いてほしいと思うのは親心ですね。でも、それを無理やり強要するのは逆効果です。小さな子どもたちはじっとしているのが苦手。年齢や性格にもよりますが、よほど興味がなければお話を最後までしっかり聞くのは小さな子どもにとって実に大変なことなのです。

その子にとってその本がつまらないこともあれば、疲れて機嫌が悪いこともあります。そんな時は様子を見ながら無理強いしないことが大切です。逆に「もうちょっと読んで欲しい」くらいの小さな飢餓感を感じさせて読み聞かせを終わらせる方が良い場合もあります。

大人の勝手な願いや想いだけで無理をさせると、その時はうまくいったように見えても後々反動がでるのが世の常です。読み聞かせを嫌がる時はサクッと切り上げて、他のことに目を向けましょう。絵本を読むことに対して「嫌だなあ」という記憶を残さないことが大切です。これができれば、焦らなくても「絵本を読んで!」とお子さんから言ってくる時が必ず来ます。本来「絵本は楽しいもの」なのですから。

 

NG4:過剰な演出が目立つ読み聞かせ(大人の側の無理)

一方で、子どもたちを楽しませたいと思うあまり、過剰な演出で読み聞かせをする方が後を絶ちません。声色を使ったり大袈裟な表情で読んだり、過剰演出の例はたくさんありますが、これらもまた逆効果になることが多いものです。

なぜなら、このような読み方をすると、読み手に気をとられて絵本に集中しにくくなるからです。読み聞かせの間、女優ばりの演技に目を奪われてお母さんの顔ばかり見ていた……なんて嘘のような本当の話もあります。また、過剰な演出により知らず知らずのうちに読み手の世界観を子どもに押し付けてしまうこともあります。

お子さんへの読み聞かせは、心を込めて読んであげることが1番大切です。読む人の感情の動きに呼応して、読むスピードや声の調子が変わることは全く差支えありませんが、読み手も無理をせず楽しみながら読むことを心がけてください。

 

「絵本は楽しみ」だから「無理せず、楽しく、心を込めて読もう!」

楽しそうに読み聞かせをする家族の写真

1冊の絵本が家族に幸せな時間を運んでくれることもあります

絵本が子どもたちにたくさんの贈り物をもたらしてくれるのは事実です。でも、その贈り物は、「ひらがなが少しばかり早く読めるようになる」という類の目先の小さな利益ではありません。例えば「人生を豊かにする読書の礎が作られる」というような、目には見えないけれど大きなプレゼントです。

ですが、その贈り物を受け取るためには、その前提として子どもたちが「絵本は楽しい、面白い」と感じていることが大切です。読み聞かせのやり方に迷ったら、「このやり方で子どもが楽しいかどうか」をまず考えてください。「絵本は楽しみ」ということを忘れなければ、読み聞かせが逆効果になることは決してありません。

大人も楽しく絵本を読んでいきましょう。読み手の感情は自然と聞き手に伝わります。読み聞かせを通じて、共に、想像の世界に遊んだり幸せな時間を共有したりすることが、遠回りなように見えて結局絵本からの大きな贈り物を受け取るための1番の近道なのです。

 

関連記事



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。