子どもを読書好きにするのは、大人が英会話をマスターしたり、ダイエットを成功させたりするのと同じくらい、いやそれ以上に難しいことです。ここは、逆転の発想で子どもが読書好きになるように導きましょう。
 

本を読まない子どもへのNG言動1.本を読むことを強制する

親自身が読書を楽しむ

子どもに本を読ませたいと思ったら、親自身が読書を楽しむことです。子どもは大人が楽しむことに関心を持ちます。

毎月、何冊くらい本を読みますか? もし片手で数えられるくらいの冊数であれば、子どもを読書好きにするのはなかなか難しいかもしれません。自身がほとんど読書をしないのに、子どもに読書するように言うのは、働かない上司が部下に向かって「もっと働け」と言っているようなものです。言われた部下は上司の言うことに反発心を高めるだけです。

子どもがあまり読書をしないのであれば、うまく時間のゆとりが出るように工夫して、リビングなど子どもの前で読書をする時間をつくり出す。大人が楽しそうに読書をする、いわば実演してみせるのがいちばんです。

人を動かす要点を言い表した有名な言葉があります。
「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ」(山本五十六)

まず、「やってみせ」るわけです。楽しそうに実演すると子どもは真似します。
アメリカの作家、マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』 をご存知でしょうか。主人公トムの行動を紹介します。

いたずらっ子のトムは、罰として長い塀のペンキ塗りを仕方なくやらされています。そこへ友人たちが通りかかる。トムはわざとペンキ塗りが楽しくてたまらないというそぶりをします。友人たちはだんだんペンキ塗りに関心を持ち始めます。そして、羨ましくて仕方がなくなってしまいます。ついに、友人たちはリンゴを上げるかわりに、ペンキ塗りをやらせてくれるように頼みます。友人たちは次々にトムに何かをあげて、競ってペンキ塗りをやるのでした。

子どもたちが、大人がやるようにやりたくなるように誘導するのは、トム・ソーヤでなくてもできます。 子どもは大人の説教を聞きたがらない一方で、大人のやることは真似したくなる特性があるからです。

すぐに効果を求めずに、まずは親が読書を楽しむ。そうすることで、やがて子どもも自分から読書をする環境が整います。
 

本を読まない子どもへのNG言動2.推薦図書を読ませる

推薦図書は、子どもに好影響を与える内容が詰まった本です。子どもが自分から喜んで推薦図書を読むのなら理想的です。しかし、そのような子どもはごく少数。 推薦図書は食べ物でいえば、栄養価の高い小骨が多い青魚や、ピーマンや人参などの野菜。でも、多くの子どもはピーマンよりもハンバーガーやカレーなど、加工された食べ物を好むわけです。食事を拒む子どもに魚や野菜を食べさせるのは無理があります。野菜を食べさせようと思ったらまずは、細切れにしてハンバーグやコロッケの中に入れたりして工夫をしますよね。読書も同じことです。とにかく「活字」への抵抗をなくすことを優先しましょう。

例えばファンタジー系の洋画(字幕)を一緒に観る。または子どもが興味がありそうな分野の図鑑を買い与える。スポーツに関心があるようなら選手名鑑でもいいですね。マンガも文字が多いものなら、漢字の読みと登場人物の心情読解の勉強になります。そうやって活字に接する機会が増えていくと、映画の原作本や、好きなアスリートやアーティストのエッセイなどにも関心が広がっていきます。
 

本を読まない子どもへのNG言動3.子供が選んだ本を否定する

子どもを読書嫌いにするNG

推薦図書や伝記などの教育的価値の高い本を読んでくれるのは理想だが、まずは活字への抵抗をなくすのが第一優先

親としては子どもに偉人の伝記物や文学作品など、教育的価値が高そうな本を読ませたくなるものです。しかし、大人も歴史書や哲学書など、その価値を十分認めているのにも関わらず、日常的に読む習慣がある人は少数でしょう。まだ読書好きとは言えない子どもにとっても、伝記物や文学作品などを読むのは「気が進まない」ことです。

本を読まない子どもに優先したいのは、ジャンルや内容問わず、とにかく本を読ませること。子どもを書店や図書館に連れて行き、子どもに自由に本を選ばせてみましょう。そしてそのときに注意したいのは、「そんなの選んだの?」「こっちの本にしたら?」と、子どもが手にした本を否定しないこと。活字に慣れるためには、どんな本であっても、まず読むことが必要です。活字への抵抗感がなくなれば、やがて関心の対象も移っていくことでしょう。
 

本を読まない子どもへのNG言動4.本を読んだ感想を聞く

子供を読書嫌いにする要因として、学校の読書感想文の課題が挙げられます。読書感想文によって、本来娯楽であるはずに読書が、勉強の一環としての読書になってしまうからです。大人でも、もしドラマや映画、音楽を鑑賞する度に感想文を書くことを強要されたら、純粋に楽しめなくなってしまうことでしょう。

同じように、子どもが読書をしていたら、あまりその感想を求めすぎると、子どもは読書することを億劫に感じてしまいがちです。読書は勉強の一環としてではなく、ただ楽しむもの。文学とは本来そういうものです。親が子どもに読書に感想を求めることで、読書は勉強のためにするものというように子どもに思わせないようにしましょう。もちろん、子どもが自分から進んで読んだ感想の本を伝えてきたら、親身に聞いてあげてください。


子どもに本を読ませたいと思ったら、「読ませようとするよりも、子どもを読書から遠ざかる言動をしないか」を振り返ってみてください。そして、親自身が読書を楽しむことです。子どもは大人が楽しむことに関心を持ちます。いずれ自ら進んで読書をすることを焦らず見守ってください。


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