子供の教育

子どもに親の正論を言うことも必要! 反抗期に効く意外な対応3つ

頭ではわかっていても、いざ子どもの態度を前にするとなかなか理想通りにはいかなくて難しい「反抗期」の子どもとの関わり方。実は反抗期の子に親の「正論」を言うことも必要なのです。今回は、筆者なりの反抗期の子への対応を3つお伝えします。

西村 創

執筆者:西村 創

学習塾・個別指導塾ガイド

反抗期に効く意外な対応3つ! 子どもに親の正論を言うことも必要⁉

子どもに親の正論を言うことも必要

頭ではわかっていても、いざ子どもの態度を前にするとなかなか理想通りにはいかなくて難しい反抗期の子との関わり方

反抗期の子どもへの対応って難しいですよね。感情的にならない、怒るのではなく諭すなど、よくいわれることを頭ではわかっていても、いざ反抗的な態度をとる子どもを前にすると、なかなか理想通りにはいきません。

そこで今回は、塾講師として25年以上受験指導をしてきた筆者なりの反抗期の子どもへの対応を3つお伝えします。最後まで読んでいただければ「え、そんな対応でいいの?」という意外な視点が得られるはずです。
 
<目次>
 

対応1. 第三者である「プロ」に任せる

反抗期の子どもは本当に手ごわいものです。ですから、親が直接子どもをどうこうするのはあきらめて、第三者であるプロの力を借りましょう。プロというのは、塾の講師です。塾講師は勉強を教えるだけが役割ではありません。私もよく塾生の保護者からご相談を受けてきました。

子どもと授業後に一対一で話をすると、「本当は行きたい学校があるけれど、親は別の学校を望んでいるから、言っても否定される」とか「親は『勉強しろ』と言うばかりで自分の気持ちを聞いてくれない」といった本音をいろいろ語ってくれるんですよね。

それを保護者に伝えると、また子どもに言いたいことが出てくるものですから、私はその内容を生徒が落ち着いて聞ける機会を作ってまた話す……と、そんな親子間の橋渡しを日常的にしてきました。こうしたことは、私だけでなく他の塾講師も日常的におこなっています。

子どもが親に反抗するのは、親への甘えからです。でも塾講師と生徒は、親子よりも距離がありますから、子どもは塾講師には一定の節度をもって接するのです。

また塾講師は長年にわたって何十人、何百人もの生徒の進学サポートをしています。一方、保護者の方は、自分が子どもの頃の知識や、ママ友や職場の同僚、メディアからの情報をもとに、わが子にアドバイスしていることが多いものです。それだと、子どものいま現在の状況には合わなかったり、主観に偏った情報になってしまうこともあります。

通塾している子は、最新のデータに基づいた情報を塾から伝えられているため、かなり知識をもっています。そのため親からのアドバイスが客観的妥当性に欠けると思ったときに、いちから説明するのが面倒臭くて「わかったから」「うるさいな」と反抗的な言い方になるのです。

私たち大人も、実家の親からアドバイスを受けると、「なるほど、ありがたいな」と思うよりも「そんなことわかっているよ」と思うことの方が多いのではないでしょうか。どんなに親のアドバイスが的を射たものであっても、いや、むしろ的を射たアドバイスであるほど、子どもは親に反抗したくなるものです。その反面、親に反抗しまくる子も、塾の講師の言うことは素直に聞くんですよね。ですので可能であれば、プロの力を借りましょう。
 

対応2. アドバイスは逆効果、ただ「選択肢」を伝えよう

求められていないのにアドバイスをすると、逆効果です。反抗期の子どもは親のアドバイスに本心では「なるほど」と思っても、素直に従いたくないあまり、わざと逆のことをするものです。

そこで、何かアドバイスしたり強制はせずに、ただ選択肢を紹介するのです。例えば、私は宿題を出す際に、その宿題をするとどういうメリットがあるかを伝えて「そのメリットを得るか、得ないかの判断は任せるよ」と伝えています。そんな言い方をすると、結局みんな宿題をやってきますけれどね。子どもは、意外と冷静な判断をするものです。

だから、わが子に対してアドバイスをしたいと思ったら、「こうした方がいいよ」「それはしない方がいいよ」と言うよりも、「Aという選択肢をとると、こういう可能性が高まる」「Bという選択肢をとると、こういう可能性が高まる」ということだけを伝えて、判断は任せるという姿勢で子どもに接すると、親子バトルの回数が減るはずです。
 

対応3. 反抗期の子に「正論」で返す

子どもを感情的に怒ってはいけない、とよくいわれますよね。たしかに、いつも怒ってばかりだと、怒る/怒られるの親子関係ができあがってしまって効果がなくなるし、怒っているこちらも疲れます。でも、子どもの言動が一線を超えたら、怒るべきです。

怒らないで冷静に諭さないと……だなんて考えていたら、本気で怒っていることが伝わりません。たまには親の本気を見せつけることも必要です。そうでないと、子どもの善悪を判断をする力が養われません。「これは問答無用に悪いことだ」と思ったことを子どもがやらかしたときには、本気で怒っていいと思います。

子どもの口答えに正論で返すことも、必要だと思います。一般に、正論を返すのは意味がないとか、余計反抗されるからやめるべきだといわれます。それはそうですが、子どもは社会経験が乏しく、何が正論なのかもまだよくわかっていません。親が正しいことを伝えることで、子どもは正論を学んでいくのです。

親が主張した正論に子どもがどう反応するかは、子ども自身の判断です。おそらく反発するでしょう。反発しないで無視するかもしれません。でも、確実に子どもの頭の中に親が伝えたそのメッセージは届いています。

だから子どもは大人になって、自分の子どもをもったとき、自分が子どもの頃に親から言われた正論をわが子に同じように伝えるんですよね。で、反発される。でもその反発した子もまた自分が大人になって子どもをもつと、親から言われた正論を同じようにまた伝える。その繰り返しなのです。

大丈夫です。どんな言い方をしても、いまはわが子は反抗するばかりかもしれませんが、時間が経てば「あのときはすごく反発してたよね」と親子で笑い合えるようになります。

ということで、反抗期の子どもへの対応を3つ紹介しました。そもそも子どもがなぜ親にひどい言葉を言うかというと、気が優しく賢い子ほど、学校で起きたやるせない怒りの感情を外では抑え込んでいるのです。そして安全圏の家に帰ると気が抜けて、親に対して暴言をぶつけてしまうんですよね。反抗期の子どもが放つひどい言葉は、その言葉が汚ければ汚いほど、本心からは遠いものだということを理解しておくとわが子に少し優しくなれるかもしれません。

 

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