KPIとは
KPI(ケーピーアイ)とは、「Key Performance Indicator(キー・パフォーマンス・インディケーター)」の略。日本語では「重要業績評価目標」「重要達成度指標」などと訳されます。マーケティングや営業でよく使われるビジネス用語です。 KPIは、組織やチームでの設定した最終的な目標を達成するための、過程を計測・評価する指標のことです。例えば、来月の売り上げ目標を5,000万円と設定したとして、その目標を実現するために、自社ホームページへのアクセス件数2,000件、ページへの新規登録者数500件、新規商談件数100件など、それぞれの部署やアプローチ手段で設定する個別の目標数値を、KPIといいます。
ビジネスではさまざまな種類の業績評価指標が使われますが、KPI指標はそのなかでも「Key(キー)」となる指標で、目標の達成に向かってプロセスやパフォーマンスが有効に実行されているかどうかを計測・管理する役割があります。
■KPI
KGIとは?KPIとの違い
一方、KGIとは「Key Goal Indicator」の略。日本語では「重要目標達成指標」などと訳されます。KPIが最終目標の達成までの過程を測るための中間的な指標であるのに対し、KGIは組織での最終的な目標そのもの(=ゴール)という意味になります。先ほどの例でいくと、「来月の売上目標5,000万円」と設定することがKGI、つまりゴールということになります。KPIとKGI
KPIは目標への達成プロセスを管理するために使われ、KGIは企業やプロジェクト全体の目標を管理するために設定されます。売上目標の設定など、大きな目標をKGIとしてかかげている企業は多いと思いますが、そのKGIにたどり着くためのプロセス(手段)において、パフォーマンスを測るのがKPIです。
KPIを設定することで、そのプロセスでの結果が数値として可視化するため、プロセスごとの効果を数値で比較することができ、より効果的なアプローチを選択していけることに繋がります。
KPIを設定する必要性
KPIを設定するメリットとして、共通の指標がKPIとして示されることで、目標達成に取り組むメンバーの意思統一とアプローチ方法が明確になり、意思を持ったパフォーマンスに繋がります。KPIの設定によってチームでの方向性が定められ、目標達成率が向上する効果があります。
KPI分析によって、実施しているアプローチの手法が有効かどうかが数値化されますし、KPIマネジメントすることで無駄を省いたパフォーマンスを選択できます。KPIをうまく使いこなすことで、KGIで設定した目標指数に到達することができるのです。まだKPIを導入していない企業は、KGIを実現するための戦術の一つとしてKPIを設定すると効果的です。
KPIの具体的な設定方法
KPIを具体的に設定するには、「量」「質」「時間」「コスト」「進捗率」など日々の業務を行ったことによる結果としての数値を、具体的な目標として考えるところから始まります。 このとき、KPIの数値は期間を決めて計測します。PDCAのサイクルが早い企業は1日~1週間でKPIの結果を求められることもあります。期間内で計測可能な、具体的で現実的な数値をKPIとして定めます。さらに、数値として定めたKPIを達成するためのアクションを落とし込みます。このときに有効なのがKPIツリーと呼ばれるロジックツリーの考え方です。論理的な思考の過程を視覚化することにより、抜けや漏れのない意思決定やアクションに繋げます。最終目標であるKGIに対して、どのようにアプローチしてアクションを起こすか、その道筋を考えるには、KPIツリーは簡単で効果的です。
また、短期間で計測できた数値はきちんと確認し、効率的に達成に近づいているかを定期的に振り返る必要があります。確認してみてKPIの数値の伸びが悪ければ、KGIに対して選択しているアプローチの方法がよくないのかもしれません。手法や手段について再考し、より効果的にKPIを達成できる方法を探していくことで、更なる効率化を狙うことができます。
KPIについてのまとめ
KPIやKGIを設定する上で重要なのは、何を最終目標として、どのような過程や手段を選ぶのか、ということです。その目標設定を分かりやすくするためのものがKPIやKGIであり、これらを共通認識として業務の幹にすることで、迷子にならずに目標にたどり着けるのです。KPIとKGIを上手に活用して、チームでのモチベーションを向上させつつ着実に目標達成をしていきましょう。文/鈴木 麻理奈
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