税金/所得税

控除とは?14種類の所得控除をわかりやすく解説

所得を得たときにかかる「所得税」は、計算するときに個人の事情を配慮して、一定の金額を引き税金を軽減することができます。その一定の金額のことを「控除」といい、所得控除には、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除の14種類があります。

添田 裕美

執筆者:添田 裕美

税金・相続税ガイド

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「所得控除」とは?一定額を所得から引くことで、税金が軽減される

所得税は計算をする上で、各種控除の制度が設けられています。養わなくてはいけない家族がいる、病気がちで医療費が多くかかる、災害にあってしまった等、立場や状況はそれぞれの人によって異なるため所得税額を計算するときに配慮し、所得から一定額を引き、税金を軽減することができます。それを「控除」といいます。

 
14種類の控除の内容をおさえておこう

14種類の控除の内容をおさえておこう

 

所得控除は14種類

所得控除には、雑損控除医療費控除社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除地震保険料控除寄附金控除障害者控除寡婦(寡夫)控除勤労学生控除配偶者控除配偶者特別控除扶養控除基礎控除の14種類があります。

なお、海外に転勤などで出国され日本に住所がない方は非居住者といいますが、非居住者の所得控除は上記14種類のうち、雑損控除寄附金控除基礎控除のみに限定されます。

以下それぞれの控除について、簡単に説明いたします。
 

1.雑損控除

災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
 

2.医療費控除

その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。

医療費控除のひとつになりますが、平成29年からセルフメディケーション税制が新設されました。上記の医療費控除との選択適用で、要件が細かいので、受けようと思う方は国税庁のHPなどでご確認下さい。
医療費を支払ったとき(医療費控除)
 

3.社会保険料控除

納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。

控除の対象となる社会保険料は、サラリーマンの方が会社のお給料から天引きされる健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料の他、退職後任意継続している社会保険料、国民健康保険料、国民年金保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料などがあります。
 

4.小規模企業共済等掛金控除

納税者が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合には、その掛金の所得控除を受けることができます。
 

5.生命保険料控除

納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料が新契約で、平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る保険料が旧契約となります。新契約と旧契約では生命保険料控除の限度額計算など、取扱いが異なるのでご注意下さい。
 

6.地震保険料控除

納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料や掛金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
 

7.寄附金控除

納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。ふるさと納税をした場合は、この寄附金控除を受けることになります。
 

8.障害者控除

納税者自身、一定の同一生計配偶者又は扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます。
 

9.寡婦(寡夫)控除

納税者自身が寡婦(寡夫)であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。
寡婦(女性)と寡夫(男性)で要件や控除金額が異なるのでご注意下さい。
 

10.勤労学生控除

納税者自身が勤労学生であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。
 

11.配偶者控除

納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、平成29年分以前は一律38万円の所得控除を受けることができました。平成30年分以降、申告者の合計所得金額が1千万円を超える場合には配偶者控除は適用がされず、申告者本人の合計所得金額に応じて控除額が異なるように改正されております。
 

12.配偶者特別控除

配偶者に38万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者と申告者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。
 

13.扶養控除

納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
 

14.基礎控除

基礎控除は、申告者本人に対し、一律に38万円となります。
 

まとめ

上記のように、所得控除にはいろいろな種類があります。該当しそうなものがありましたら、要件や添付書類を国税庁のHPでご確認下さい。

所得控除のあらまし
 
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