四季香る日本の里山の恵み6種、クラフトジン[ROKU]
ザ・ジャパニーズ・クラフトジン[ROKU]
個性を抱いたジンが登場してきている。
日本では7月4日にジャパニーズ・クラフトジン[ROKU](六/700ml・47%・¥4,000/希望小売価格・税別)が発売され人気を呼んでいる。
一般的にジンといえばドライジンを指す。製法をごく簡単に述べると、連続式蒸溜機で蒸溜したグレーンスピリッツに、西洋杜松(ねず)の実(ジュニパーベリー)の他、多彩なボタニカル(草根木皮)を加えて、さらに単式蒸溜器(ポットスチル)でゆっくりと再蒸溜して生まれるものだ。
八重桜
そしてさらに製品名[ROKU]の由縁である、日本の春夏秋冬、四季香る里山の恵み6種のボタニカルが加わっている。
春は八重桜、そして大島桜の葉の2種。夏は煎茶、玉露の茶の2種。秋は山椒の実。冬は柚子の皮。すべて旬の最も良い状態で収穫して製造している。
銅製とステンレス製の単式蒸溜器を使い分ける
桜葉
ブレンデッドウイスキーでいえばキーモルトといえるトラディッショナルなドライジンの製法はこうだ。ジュニパーベリーをグレーンスピリッツに浸漬した液を単式蒸溜器(銅製ポットスチル)で一次蒸溜する。その一次蒸溜液にコリアンダー以下のベーシックなボタニカルを浸漬。漬け込んだあとのその一次蒸溜液をさらに単式蒸溜器(銅製ポットスチル)で二次蒸溜してキーとなるドライジンができあがる。単式蒸溜器で2回蒸溜をおこなっているのだ。
煎茶
蒸溜器はボタニカルに合わせて何種類か使い分ける。大きくは銅製ポットスチルとステンレス製ポットスチルの2タイプ。銅製はモルトウイスキー蒸溜と同様、銅が触媒として働いてより複雑な香味成分を生みだす。反対にステンレス製の場合はすっきりと無垢なフレーバーを抽出できる。
玉露
そう、八重桜の繊細な甘く華やかなフローラルな感覚を抽出するにはステンレス製の蒸溜器なのである。柚子なんかはね、「深みのあるリッチな香味がほしいじゃん、だから銅製なんじゃない」ってことなのだ。それぞれの素材(ボタニカル)の最良の特長を抽出するために、最良の蒸溜方法をおこなっている。
山椒
高度なブレンド技術により47%と高いアルコール度数ながら強い刺激はない。あくまでもしなやかで、その香味はスムースな切れ味とともに日本の四季が香る重層的な味わいである。じっくりと舌に浸潤させながら、お茶か柚子か山椒か、桜は、と香味を探り当てる楽しみがある。
柚子
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