ハプスブルク王朝の歴史を反映、オーストリア料理
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ミラノから伝わったといわれる仔牛のカツレツ「ウィンナーシュニッツェル」 |
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グラーシュ |
ドイツ、フランス、ハンガリー、ボヘミアなどかつてハプスブルク王朝が支配してきた地域の料理に影響を受けて生まれた独自の宮廷料理は、一般的にウィーン料理と呼ばれます。代表的な料理は仔牛のカツレツ「ウィンナーシュニッツェル」、パプリカを使ったハンガリー風の牛肉の煮込み「グラーシュ」など。
もちろんウィーン料理だけでなく、地方には伝統的な庶民の味があります。ヨーロッパの中央に位置するため隣接する国々の影響も受けており、たとえばドイツと接するザルツブルグ州ではビール文化も色濃く見え、牛肉やタマネギにビールをかけてローストした「ザルツブルガー・ビアブラーテン」などの料理があります。
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ザッハトルテ |
スイーツも充実ぶりにも目を見張り、世界一有名なチョコレートケーキともいえる「ザッハトルテ」はウィーンにあるホテル・ザッハーがオリジナルです。カフェ文化も発達しており、午後には「ヤウゼ」と呼ばれるコーヒータイムを楽しむのが恒例。コーヒーの種類も豊富ですが、日本でおなじみの「ウインナーコーヒー」(ウィーン風コーヒーの意)は現地にはなく、もっとも近いのはホイップクリームに粉砂糖をのせた「アインシュペナー」です。