そもそも「マウンティング」って何?

腕組みする女性

気づかないうちに、あなたも「マウンティング」のターゲットにされているかも!?

相手より自分の方が上だとアピールする「マウンティング」。マウンティングとは、そもそも動物が自己の優位性を示すために相手の動物の上に馬乗りになる行為を指しますが、最近では、人間が言葉や態度などによって「自分の優位性」を誇示することを表す流行語として使われています。

ただし、人間のマウンティングは、動物のように分かりやすくはありません。被害者は気づかぬうちに、さりげなくターゲットにされてしまいます。たとえば、次のような状況に心当たりがあれば、マウンティングをされている可能性があるかもしれません。

・いつも「ブランド」をちらつかされ(持ち物、学歴、職歴、生活水準など)、レベルの差をアピールされる
・自分の発言に対して、「そんなの常識」「まだやってなかったの?」などと逐一挙げ足をとられる
・たわいない雑談が一部の人の自慢話に流れていき、いつも聞き役にされている
・集団の中でなんとなく軽視され、無視されることが多いと感じる

パワハラ、モラハラでよく見られるマウンティング

マウンティングは、心理学では「ディスカウント」(値引き)と呼ばれる行為にあたります。つまり、他人の存在価値を低いものと見なすことです。これは、職場の中ではパワーハラスメント(パワハラ)、それ以外の場ではモラルハラスメント(モラハラ)にあたります。

職場のパワハラの場合、「上司から部下へ」という立場の上下を利用したパワハラだけでなく、「気の強い部下が、気の弱い上司へ」「ベテランの部下が、新人の上司へ」というように、なんらかのパワーを背景にしてマウンティングが行われることが少なくありません。

そして、モラルハラスメントの場合では、友人間や家庭内で上のようなことが起こります。同窓会に行くと、羽振りのいい同級生からいつも自慢話を一方的に聞かされてしまう。パートナーからいつも言葉の挙げ足をとられ、家にいるとなんとなく面白くない。こうした被害が一般的にはよく見られます。

マウンティング対策その1――早めに気づく

頬杖を突く女性

あの人と話しているとなんとなく不愉快…それが「マウンティング」に気づく入口

では、マウンティングのターゲットにされないためには、どのようなことを心がければいいのでしょう?

まずは、マウンティングの可能性に気づくことです。自慢、挙げ足、軽視、無視などの行為は、マウンティングの常套手段です。しかも多くの場合、行為者は無意識に行っているため、自分の言動の悪影響に気づいておらず、「ただ楽しく、気持ちよく話しているだけ」ということが多いのです。

したがって、その場の雰囲気は一見明るく、フレンドリーな感じであるため、気づきにくいのです。しかし、ターゲットにされないためには、話の内容や言動の流れが上のような方向に向かっていないかどうか、マウンティングの可能性を敏感にキャッチすることが大切です。

マウンティング対策その2――「NO!」を突き付ける

次に、マウンティングに気づいたときには、タイミングを逃さずに「NO!」を突き付けることです。「それを言われるのは不快だ」という意思を示すことで、相手に気づきを与えるのです。

ざっくばらんに話せる関係であれば、「それ、マウンティングじゃない?」とはっきり伝えてもいいでしょう。

言いにくい関係であれば、「その言葉に傷つきました」「それは失礼に感じます」などと、相手を責める発言ではなく、「自分はこう思っている」という“私”を主語にした言葉を伝えましょう(これを「Iメッセージ」と言います)。このように毅然とした態度をとり、しっかりと自分の主張を伝えれば、相手も「この人はターゲットにできない」と感じることができます。

マウンティング対策その3――早めにかわす、逃げる

それでも変わらない場合、また「NO!」も言えないような関係の場合には、その場から逃げて自分の身を守りましょう。つまり、「軽く受け流してその場を去る」「そもそも、顔を合わせる機会を減らす」といった行動をとるのが得策です。

マウンティングは行為者自身の気質や性格と結びついているため、何度「NO!」を突き付けても変わらない人もいます。さらに恐ろしいことに、マウンティング常習者は、「いつでも気持ちよくマウンティングできるターゲット」を無意識のうちに探しているのです。したがって、自分がターゲットにされそうになったら、いち早く逃げ、安全を確保することが大切になります。

マウンティングは、あらゆる環境で発生する行為です。ターゲットにされ続けると、気づかないうちに自尊心が損なわれ、心の健康がむしばまれていきます。ぜひ、マウンティングの可能性にアンテナを張り巡らし、はっきりと「NO!」を言い、あるいは上手にその場から撤退して、自分の健康と誇りを守っていきましょう。
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