マーケティング/マーケティング環境分析

キーワードから読み解く2016年のヒット商品予想

2016年も始まりました。今年はどのような商品がヒットするのでしょうか?今回は大きなマクロ環境のトレンド分析から2016年のヒット商品を占っていきましょう!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

2016年、注目を浴びそうな商品は?

2016年がスタートしました。昨年も数々のヒット商品が生み出されましたが、今年はどんな商品がヒットするのでしょうか?

今回は政治・経済・社会・技術といったマクロ経済のトレンドから、マーケティングガイドが2016年に大きく注目を浴びそうな商品やサービスを予想していくことにしましょう。キーワードは3つあります。


トレンドキーワード1 『電力の小売り自由化』

電力の小売り自由化

2016年4月から、電力の小売りが全面自由化。様々な小売業者から様々な料金プランが提供されるようになる!

まず、政治面からですが、最も注目すべきキーワードは『電力の小売り自由化』でしょう。

これまで一般家庭では、基本的に電気は地域の電力会社から購入するしかありませんでした。たとえば、東京に住んでいる人は東京電力、大阪に住んでいる人は関西電力など、各地域によって1社の電力会社のみが電気を供給することを許可されていたのです。

ところが、2016年4月から政府が推し進める規制緩和によって、電力の小売りが全面自由化されます。4月から自由化される家庭や小規模事業者向けの電力小売りの市場規模は年間8兆円に達し、この巨大なマーケットが解放されるとあって、昨年の4月末時点で新規参入業者として登録を済ませた企業数は実に654社に上っています。

たとえば、新規参入業者の1社である東京ガスは、自社の運営するガス火力発電所から電気を供給し、ガスとのセット契約をすれば、戸建て3人家族の場合、東京電力より年4千円から5千円程度安いセット割りを提供すると発表しています。さらに楽天スーパーポイントやTポイントなどと交換できるサービスを提供したり、NTTコミュニケーションズやソネットなどと提携してネット契約とのセット割引を提供したり、契約を集中させれば電気料金の割引額は合計で年2万円を超えるなどさらにお得なプランも用意しています。

このように新規参入組は自社の既存サービスとのセットを条件にした料金割引を武器に、現在は各地域の電力会社が独占している年間8兆円のマーケットに斬り込んでいく戦略なのです。

一方で受けて立つ各地域の電力会社も対抗策を講じています。東京電力は1月7日に新料金プランを発表。たとえば、電気の使用量の多い家庭向けには『プレミアムプラン』として、3月31日までのキャンペーン期間中に2年契約すれば、現在の契約電流が50アンペア、1カ月の平均使用量が700キロワット時の場合、従来の料金と比べて月に1200円程度、およそ6%も割安となる新プランの提供を開始すると発表しました。

その他、電力の小売りにはソフトバンクや楽天など大きな顧客基盤を抱える企業も参入を表明しており、4月以降は様々な料金やサービスの激しい争いが予想されます。

次のページでは経済面からのキーワードをご紹介します。次ページへお進み下さい!
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